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「統計的品質管理」総合コース2024

医薬品・医療機器分野で働く技術者・QC/QA担当者のための

「統計的品質管理」総合コース2024

オンライン 開催

視聴期間は申込日から3か月間となります。
期間中は何度でもご視聴いただけます。
お申し込みは2025年6月27日まで承ります。

開催日

  • 2025年6月27日(金) 10時30分 18時00分

プログラム

 医薬品や医療機器の品質は外観からでは判断できないため、我々には使用者 (医療関係者や患者) に具体的な安心感を与える義務 (説明責任) があります。ここで言う具体的な安心感とはエビデンスに基づいた科学的根拠のことです。そのためには統計の基礎はもとより、検定、推定、サンプリング理論、実験計画法と幅広い力量が必要です。これを隈なく学びたいと言う方も、一部分だけで十分と言う方もいると思います。そこで、本コースでは共通基礎セミナー (Aセミナー) といくつかの応用セミナー (B,C,D,E,Fセミナー) として取捨選択できるようにしました。統計は具体的なデータを用いて絵やグラフを使いながら勉強していくと意外と分かりやすいものです。全ての講座に計算のデモや演習を組み込んでありますので、統計初心者の方も安心してご参加下さい。皆様が日常的に直面している問題解決に少しでもお役に立てれば幸いです。
 なお、各応用セミナー (B,C,D,E,Fセミナー) の内容は相互に関係はありますが独立していますので、他のセミナーを受講していなければ理解できないということはありません。
 また、演習にはExcelのアドインツールである「分析ツール」を使いますので、事前にインストールしておいてください。

【Aセミナー】共通基礎「データサイエンスの基礎」

視聴時間:約3.5時間

 科学技術とは言葉を変えればデータサイエンスです。観察や実験から得られたデータを解析して、根底にある普遍的な法則や因果関係を解明していく、このことの積み重ねが科学技術の進歩の歴史と言っても過言ではありません。ですので、どのような分野で仕事をするにしても、ここで学ぶ内容は将来の飛躍のための大きな武器になります。取り上げるトピックとしては基礎的・入門的な内容ばかりですが、かなり深掘りしていきます。受講者層としては統計の初心者を想定していますが、学習すればするほど出てくる素朴な疑問、そのような疑問にも答えるコースでもあります。難しいことは簡単に、簡単なことはより深く、の精神で講義を進めていきます。新入社員教育や中堅社員のブラッシュアップ教育にも最適です。
 本講座は統計に関する予備知識は不要です。

  1. 基礎の基礎を徹底理解する
    1. 全体像を把握するには「ヒストグラム」が一番
    2. 「標準偏差」とは、ばらつきの数値化のこと
    3. 集団の中での相対的な場所は「規準化」で表現すべし
    4. 規準化を誰にでもわかる表現に変換する方法 (正規分布表)
  2. 信頼区間を深掘りする
    1. 意外に深い「平均値」の本当の意味合い
    2. 平均値のばらつきが「標準誤差」と呼ばれる理由
    3. 推定に保険をかける (t分布表)
    4. 95%信頼区間は「真の値を95%の確率で含む範囲」と言うけれど
    5. モンテカルロ・シミュレーションで検証する
  3. 相関と回帰を深掘りする
    1. 対応のある2変数間の関連の強さ (相関係数)
    2. 対応のある2変数の関連を数式で表現する (回帰分析)
    3. 相関係数と回帰分析だけで十分か? (回帰診断)
  4. 二値データ (良品・不良品) の取り扱い
    1. 分布は非対称
    2. 不良率の標準偏差
    3. 不良率の信頼区間
  5. 統計的検定・推定概論
    1. 平均値の差の検定 (対応のない場合)
    2. 平均値の差の検定 (対応のある場合)
    3. 検定におけるn数の効果
    4. 検定におけるp値の意味合い

【Bセミナー】応用「分析法バリデーションへの応用」

視聴時間:約3.5時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。
 なお、「安定性試験の評価と有効期間の設定」と組み合わせることで試験室の管理改善に必要な統計的な技術が身につきます。
 極論に聞こえるかもしれませんが、分析法バリデーションのための特別な統計手法が存在しているわけではあありません。ですので、ここでは統計の一般論が分析法バリデーションにどのように応用されているかをについて解説していきます。受講に際して重要なのは、分析の現場でどのような誤差が発生しうるのかを理解していると言うことです。少なくともイメージできることは必要です。これがないと分析法バリデーションは理解できませんので、講義はここから始めます。もし統計の基礎に自信がなければ「統計の基礎 (共通講座) 」の受講をお勧めします。本コースでは、分析法バリデーションのための正しい実験を遂行できること、自分で計算ができること、その上で理論的な合理性を説明できることを目標にしています。
 なお、本コースは本質的には測定の誤差論に帰着しますので、試験室で測定の管理を行っている方にも役立つ内容になっています。

  1. 併行精度
    1. 併行精度とは「ばらつき」のことである
    2. 併行精度を求める実験の注意点
    3. 併行精度を評価する方法
    4. 標準偏差の信頼区間を記載せよと言うけれど、具体的な計算方法は?
    5. 併行精度はついでに求めた方が良い (頑健性が高くなる)
  2. 真度
    1. 真度とは「かたより」のことである
    2. 真度を求める実験の注意点
    3. 真度を評価する方法
    4. 真度の信頼区間とは
    5. 真度を複数の濃度で評価する (結果のまとめ方)
  3. 室内再現精度
    1. 室内再現精度とは「ばらつき」のことである
    2. 室内再現精度を求める実験の注意点
    3. 室内再現精度を評価する典型的な方法 (一元配置分散分析)
    4. 分散分析表から併行精度を (信頼区間も!) 求める
    5. 分散分析表から室内再現精度を (信頼区間も!) 求める
  4. 直線性
    1. 相関係数では直線性はわからない
    2. 直線性の評価は回帰分析 (妥当性の評価と結果の解釈)
    3. 直線性を求める実験の注意点
    4. 頭打ちが見られた場合の対応
    5. 変数変換について
    6. 検出限界 (3.3σ/Sの意味合い)

【Cセミナー】応用「安定性試験の評価と有効期間の設定」

視聴時間:約3.5時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。
 なお、「分析法バリデーション」と組み合わせることで試験室の管理改善に必要な統計的な技術が身につきます。
 私が講師を務める分析法バリデーションのセミナーで受講者から安定性試験データの統計解析について質問やセミナーの要望を受けることが少なからずありました。そこで安定性試験に特化して、データの統計解析、結果の解釈、有効期限や規格外れのリスクについての考察を中心とした解説を企画しました。データの統計解析は具体的なデータを用いて絵やグラフを使いながら勉強していくと意外と分かりやすいものです。なので、実際に遭遇するであろう具体的事例を用いて、一緒にレポートを作成するようなストーリー仕立ての内容にしました。皆様が日常的に直面している問題解決に少しでもお役に立てれば幸いです。

  1. 問題提起と現状認識
    1. 経時変化のグラフが凸凹している!
    2. ロットによって変化の程度が違う?
    3. 将来予測は直線で良いのか?
    4. サンプルの試験結果が規格内だったらセーフ?
  2. 安定性試験の結果を記述する
    1. 平均値の多群比較 (一元配置分散分析)
    2. 一元配置分散分析を用いた安定性試験データの要約 (前提とメリット)
    3. 経時変化の折れ線グラフに付けるヒゲはSDそれともSE?
  3. 安定性試験の測定誤差を深掘りする (システム再現性から室内再現性まで)
    1. 各階層の誤差の大きさの求め方
    2. 併行精度、日間誤差が安定性試験に与える影響 (シミュレーションで考察)
    3. 経時変化のグラフが凸凹になる原因と対策
  4. 将来予測のための統計
    1. 基本は回帰分析
    2. 経時変化のモデル化は可能か?
    3. 変化が直線的でない場合の対処
  5. 潜在リスクを考慮した規格値の設定
    1. 実測値の範囲から決めるのはハイリスク
    2. 測定誤差、製造のばらつきを織り込む

【Dセミナー】応用「サンプリング試験 (ロットの合否判定方法) への応用」

視聴時間:約3.5時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。
 ロットからサンプルを採取し合否判定をすることは多くの会社で日常的に行われています。しかし、試験サンプルが規格に入っていたら、サンプリングしなかったその他大勢 (即ち、出荷するロット全体) も規格に入っていると言えるのでしょうか?試験結果が規格ギリギリだったらちょっと (と言うか大いに) 不安ですよね。その不安を見える化し解消できるツールが「抜取検査」です。一見難解そうな「抜取検査」ですが、JISでは完全にマニュアル化されているので簡単に設計・運用ができるようになっています。しかし、これをブラックボックスにしてしまうと誤用があっても気がつきません。実際、AQLを用いた検査を出荷試験に用いる誤用がしばしば見受けられます。これは大問題です。ですので、本コースでは絵解きによる説明とExcelを使ってのシミュレーションで、本質を直感的に理解できるように工夫しています。また、サンプリング試験の本丸であるJIS Z9002/9003について自分でもOC曲線が描けるよう徹底解説します。

  1. 問題提起と現状認識
    1. 「規格」とは何に対する判断基準なのか
    2. 「サンプルの試験結果が規格に入ったら合格」は極めてリスキー
    3. 合否判定の再現性
  2. サンプリング試験概要
    1. サンプリング試験の本質 (母集団の評価が目的)
    2. 完全な保証は無理 (リスクを受容する:生産者危険と消費者危険)
    3. 合否判定性能の見える化「検査特性曲線 (OC曲線) の作り方」
  3. サンプリング試験各論
    1. JIS Z9015 – 1 AQL指標型抜取検査は出荷試験に使えない
    2. AQLは不良率の保証レベルではない
    3. AQL「切り替えルール」の素晴らしい性能 (シミュレーションで検証)
    4. JIS Z – 9015 – 2 LQ指標型抜取検査の使い方
    5. サンプルの不良率からロットの不良率を判定する (JIS Z9002)
    6. サンプルの平均値からロットの平均値を判定する (JIS Z9003)
    7. サンプルの平均値からロットの不良率を判定する (JIS Z9003)
  4. 特論:
    1. 溶出試験の合否判定への応用
    2. サンプリング検査に関する品質保証哲学

【Eセミナー】応用「プロセスバリデーションと年次照査 (APR) への応用」

視聴時間:約3.5時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。
 GMP/GQPを効果的に進めるには製造工程の理解が不可欠です。実際PIC/Sガイドラインでも、プロセスバリデーションの目的は工程の理解にあると明言しています。これはメカニズムの定性的な理解に止まらず、因果関係を定量的に理解することを意味しています。しかしPVはたった3ロット、運転免許で言えば仮免に過ぎません。工程の本当の姿 (実力) は定常生産品で評価すべきです。これがAnnual Product Reviewの大きな目的です。
 ところが多くのレポートは単にデータを羅列したものか、せいぜい折れ線グラフ止まりです。観察されたデータが規格に入っていれば「問題なし」で終了。本コースでは、実際にデータを用いて統計的方法の具体的な適用方法、考察のポイントなどを解説していきます。試験を含めた製造工程のリスク評価を正しく行い、製品回収の予防につながれば幸いです。

  1. 潜在的な規格外れを考察する
    1. 工程能力指数とは
    2. 分析精度が悪いと規格外れのリスクが増える!
    3. 規格の妥当性は工程能力指数で評価
  2. トレンド評価の基本
    1. トレンドを視覚的に把握する最強ツール (管理図)
    2. 計量データはXbar – R管理図で (管理限界線の計算方法)
    3. 管理図を上手く使うポイントは群分けにあり
    4. 平均値の管理外れが多発した場合の対処 (Xba – Rs – R管理図)
  3. 製品品質のばらつきの構造を理解する
    1. ばらつきは階層構造
    2. 枝分かれ分散分析の考え方
    3. 枝分かれ分散分析の結果の解釈
  4. プロセスバリデーションへの応用
    1. PIC/Sガイドラインが求めていること
    2. プロセスバリデーション結果のまとめ方
  5. トレンド評価各論
    1. 定量
    2. 類縁物質 (n=1の場合)
    3. 製剤均一性試験 (工程能力指数の算出)
    4. 溶出試験 (工程能力指数の算出)
    5. 逸脱、製品情報 (パレート図と層別)

【Fセミナー】応用「Quality by Designのための実験計画法」

視聴時間:約4時間

 本講座は【Aセミナー】「データサイエンスの基礎」程度の予備知識を前提としています。
 Qualit by DesignまたはDesign Spaceという言葉が製薬業界で使われ始めてから10年以上経過していますが、未だ裾野は広がっていません。理由はいくつかあると思いますが、実験計画法を勉強できる機会が少ない (概念を具現化する方法論が浸透していない) ということもあるでしょう。本セミナーでは実験計画法の入口である一元配置分散分析から始めて、二元配置実験、直交配列表を用いた実験計画、回帰分析、重回帰分析と解説を進めていき、QbDに必要な統計の基礎を学べるように構成しています。またこれらの統計手法が、厚生労働科学研究の「さくら錠P2モック」「さくら開花錠モック」にどのように活用されているかの解説を行い、総仕上げとします。したがって、受講に際して製剤設計や工程設計の知識または経験は必要です。経験は無くても実験や工程をイメージできることは必要です。統計は技術的な論点をグラフ化できれば理解したのも同然なので、グラフや絵柄を活用して分かりやすさに腐心しました。さあ、実験計画法の不思議と面白さを一緒に勉強していきましょう。

  1. 一元配置実験
    1. そもそも何を比較しているのか?
    2. Excelで分散分析を行ってみる
    3. Excelでは計算してくれない平均値の信頼区間、差の信頼区間を求める
    4. Excel関数を利用して、分散分析を徹底理解する
  2. 実験計画法とは逆算の科学
    1. 割付とランダマイズの重要性
  3. 二元配置実験
    1. 因子をバランスさせることの威力
    2. 交互作用とは何か
    3. 交絡とは何か
    4. 反応曲面とは何か
    5. E xcel関数を利用して、二元配置分散分析を徹底理解する
  4. 制御因子が多数の場合 (直交配列表の活用)
    1. 実験効率とは何か
    2. 直交表の特徴と使い方
    3. 解析方法と結果の解釈
  5. 繰り返しのある回帰分析
    1. Excelでは判らない頭打ちの有無
    2. 当てはまりの良さを評価するLoFとは
    3. Excelの合わせ技でLoFを求める
  6. 探索的データ解析 (層別、重回帰分析)
    1. 既存データも活用しよう
    2. 賃貸家賃を推定してみる
  7. 「さくら錠P2モック」「さくら開花錠モック」はこう読め

講師

  • 福田 晃久
    スタット・イメージング・ラボ
    代表

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 104,500円 (税別) / 114,950円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

持参品 (必須ではございません)

本セミナーの講演中にExcel実習を行う箇所がございます。
参加される際にPCをご持参いただけるとより理解度が深まります。
なお、演習は講師のデモも同時進行で行いますので、PCを持参されなくても支障ありません。
PC持参の場合は、Excelにアドインツールである「分析ツール」を組み込んできて下さるようお願い申しあげます。

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 104,500円(税別) / 114,950円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

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