技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品製造工程のリスク分析と管理・バリデーションの重点ポイント

原薬を中心とした

医薬品製造工程のリスク分析と管理・バリデーションの重点ポイント

~重点管理すべき所、簡素化できる所、リスクに応じたチカラの入れ所とは~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年3月19日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部. 医薬品製造工程におけるリスク分析とリスク管理のポイント (ソフト及びハードの視点から) 及び今後のバリデーションの考え方

(2018年3月19日 10:00〜12:00)

 医薬品原薬の開発は商用生産を目標に治験段階の少量スケールからスケールアップしながら進められる。従来のプロセスバリデーションは技術移転時、変更実施時など限られた時点で行われてきたが、改正バリデーション基準ではリスクに基づく考え方を取り入れることが求められる。具体的には、1回の予測的バリデーションの成立で目的とする製品の恒常的な生産を確保するには限界があり、バリデーションを1つの完結点と考えず、工業化研究に基づく予測的バリデーションを実施した後、開発初期段階から商用生産を通じて得られた知見、更にそこから想定されるリスクを検討して製品のライフサイクル中も継続的な改善を行うことが求められる。パラメータ設定の際、実験室と工場スケールでは同じにできないパラメータが必ず出てくる。例えば 「時間」である。
 反応時間、冷却 (晶析時間) 等のパラメータは小スケールと同じ「時間」で設定できるものの、それ以外の部分は少量スケールと工場スケールでは同じ設定「時間」内での操作ができなくなる。トラブルの経験からであるが、プロセス設計の段階でこれらの「時間」の影響を無視、もしくは気づかなかったことが原因となることが多い。一つの実験結果を精査すれば、そこから他の製品にも当てはまるリスクが浮かび上がってくる。その対応策を考えることで一つの製品だけでなく他の製品にも共通のリスク部分のあることがわかり、リスク対策に役立つ。
 本セミナーでは実際に経験した事例を参考に医薬品製造工程におけるハード面、ソフト面のリスク分析とリスク管理のポイントを説明する。

  1. 医薬品原薬の開発の進め方、バリデーションについて
  2. 製造プロセスとパラメータについて
  3. パラメータと逸脱の関係について
  4. 開発段階に応じた原薬開発の事例と変更管理、そこから考えられるハード、ソフトのリスク対策、リスク管理、バリデーションの考え方
  5. 具体的な失敗事例から考えるハード、ソフトのリスク分析とリスク管理
    • 反応プロセスのスケールの変更
      • 実験室スケール→パイロット
      • パイロット→商用生産
    • 反応設備の能力とオーバー反応、生成物の安定性
    • 製品の物性と乾燥機の選択
    • 再結晶プロセスのスケールアップ
    • 水和物と乾燥プロセスの関係
    • 原料の溶解プロセス
    • 原料メーカーの変更
    • 設備の変更 (SUS → GL)
    • 製造スタイルの変更
      • スポット生産→ 連続 (キャンペーン) 生産
    • 溶剤の回収プロセスの考え方
  6. 今後のバリデーションの考え方について
  7. その他
    • 質疑応答

第2部. リスクに応じたバリデーションの重点ポイント/簡素化できるポイント (原薬を中心に)

(2018年3月19日 12:45〜14:45)

 実生産バリデーションでは設定した管理項目と管理値を許容できない逸脱がない状況で終了することが求められます。
 十分に検証した管理項目と管理値の設定しますが実地検証 (実験) を数多く積み上げるのではなくリスクマネージメント、デザインスペース等科学的な文献検証との組み合わせで効率的な設定が可能です。また、設備のスケールアップに対するリスクは化学工学的な検証で効率化が図れます。

  1. 実生産バリデーションの課題
    1. 適切な管理値と管理項目の設定
      • 原薬の規格
      • 使用する原材料・溶媒等の管理値
      • 重要品質特性
      • 重要工程と工程管理値
      • 温度・圧力・時間等の管理値
      • 収率の管理値
    2. 実生産設備の検証
      • 実験機と生産機のタイプの違い
        • 濾過:ヌッチェとセントル
        • 乾燥:棚段とコニカル等
      • 温度履歴の違い (不純物生成)
      • 冷却能力の違い
      • 乾燥機温度マッピング
      • 攪拌効率の違い
  2. リスクマネージメント
    1. リスクマネージメントとプロセスリスクの洗い出し
    2. リスクのランク付け/重要品質特性/重要工程
    3. デザインスペースの策定と利用 (最低限の実証実験と化学的な計算)
    4. 設備スケールアップ (実生産機) のリスク (化学工学的計算手法の活用)
  3. 関連文献
    • ICH Q8
    • ICH Q9
    • ICH Q10
    • ICH Q11
    • PIC/S GMP Annex15: Qualification and Validation
    • PIC/S GMP Annex20: Quality Risk Management
    • 質疑応答

第3部. 製薬用水のQRM (リスク管理) を探る、メリハリある/簡素化できる設備管理を求めて

(2018年3月19日 15:00〜17:00)

 製薬用水のQRM (リスク管理) は重要な視点となってきました。精製水は外用薬や内服固形剤の、WFIは注射剤の品質に直に影響するからです。今や、製薬用水は、薬局方の基準値を守ることは達成されても、恒常的に、水質を汚染させる気配・前触れを見付けて、いち早く、水質低下というあるべき姿からの「逸脱」を回避することが求められます。
 製薬用水のリスクをできるだけ早く発見する方法、前もっておおきなリスクが起らないように管理する方法を考えましょう。

  1. 製薬用水のリスクとは
  2. リスクはどこから
  3. 原水からのリスク
  4. 精製水装置からのリスク
  5. 蒸留器からのリスク
  6. 膜装置からのリスク
  7. リスクを検知する方法
  8. リスクが少ない装置構成とは
  9. QRMは継続活動
    • 質疑応答

講師

  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長
  • 宮原 匠一郎
    株式会社ファーマ・アソシエイト
    代表取締役
  • 布目 温
    布目技術士事務所
    代表

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策