1日目【基礎編】:
分析法バリデーションの各パラメータの意味・評価手法と統計的思考の理解
(2013年03月18日 11:00~16:00)
大日本住友製薬 (株) 技術研究本部 治験薬品質保証部 GMP業務グループ 主席部員 数崎 正人 氏
試験結果の信頼性を確保するためには,分析法に由来する誤差が原因で生じる判定の誤りの確率が許容できる範囲であることを科学的に検証しておく必要がある.このような考え方に基づき実施される分析法バリデーションについて,基礎から判定基準設定まで網羅的に説明します.
本セミナーでは,初めて分析法バリデーションに携わる方々がバリデーションで検討される個々の分析能について,イメージしやすいように具体的に解説します.また,各分析能の基礎となる統計についてもサラリと解説します.
- 分析法バリデーション
- 分析法バリデーションの必要性
- ICH Q2が果たした役割
- 基本的手順
- 検討実施時期
- 特異性
- 特異性が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- 類縁物質標準品が入手できないときの対応
- 特異性の判定基準
- クロマトグラフィー用語の解説
- どうしたら,分離が良くなる?
- 検出限界,定量限界
- HPLCでの検出限界,定量限界は,どんなイメージ?
- 正規分布と検出限界の関係
- 危険率に基づく検出限界の決定 (α=β=0.05)
- ICH Q2 に基づく検出限界,定量限界の決め方
- 投与量と閾値の関係
- 検出限界,定量限界の評価法
- 検出限界,定量限界の判定基準
- 直線性
- 直線性の評価法
- 直線性の評価法の落とし穴
- 直線性の判定基準
- 真度
- 真度が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- t分布に基づく信頼区間の算出
- 真度の評価法
- 真度の判定基準
- 精度
- 精度が良い,悪いとは,どんなイメージ?
- χ2分布,分散分析に基づく信頼区間の算出
- 併行精度と分散分析
- 室内再現精度と分散分析
- 室間再現精度と試料の均一性
- 精度の判定基準
- 規格外試験結果の恐怖
- 範囲,頑健性 (安定性)
- 分析能パラメータの妥当性
- 規格値に基づく精度の評価
- 工程管理指数を考慮した精度の判定基準
- 真度,精度,限度品質を考慮した規格の設定とは,どんなイメージ?
- 終わりに
- おまけ (遺伝毒性不純物)
- 遺伝毒性不純物に関する米国,欧州の規制
- 回収事例
- 腫瘍発生メカニズムが解明されている場合の管理基準
- 腫瘍発生メカニズムが解明されていない場合の管理基準
2日目【申請対応編】:
当局審査対応を念頭においた分析法バリデーション実施手順とCTD申請の要求基準
~技術移転・試験法変更などを踏まえたケーススタディ~
(2013年03月19日 10:30~16:30)
中外製薬 (株) 品質保証部 治験薬品質グループ 副部長 伊東 雅夫 氏
CTD申請に必要とされる「規格及び試験方法」の妥当性検証データの基になる分析法バリデーションのポイントにつき査察あるいは審査当局の視点を交えて解説する。
- 分析法バリデーションの目的
- 分析法バリデーションのドキュメント
- CTDドキュメントとの関係とGMPドキュメント
- FDA Inspectionsに学ぶバリデーションの重要性
- System-Based Inspection ApproachとLaboratory Controls System
- 分析法バリデーションのまとめ方と実施例
- 分析法バリデーションの実験計画立案
- エンドトキシン試験法の例
- 信頼性のあるデータを得るために
- 分析法バリデーションの実施方法
- 評価に必要な分析能パラメータ
- 特異性のまとめ方
- 特異性の検討手順のポイント
- 直線性
- 直線性の検討手順のポイント
- 検出限界 (DL) 並びに定量限界 (QL)
- DL/QLの検討手順のポイント
- 真度の検討手順のポイント
- 精度の算出方法と評価
- 併行精度と室内再現精度のまとめ方
- 試験法の変更時の注意点 (同等性の評価)
- システム適合性の考え方 (分析法バリデーション結果の取り扱い)
- システムの性能:カラムの性能
- システムの感度
- システムの再現性
- 規格設定の考え方 (分析法バリデーション結果の取り扱い)
- 技術移転のポイント (リスク管理の重要性)
- 異常、逸脱管理での問題点
- 試験検査室管理と外部試験機関の利用
- Quality System (ICH Q10)
- Quality Risk Management (ICH Q9)