技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

次世代パワーデバイスの開発動向と実用化に向けた課題

次世代パワーデバイスの開発動向と実用化に向けた課題

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、次世代パワーデバイスについて取り上げ、現在のパワーデバイスとの比較した際のメリット、開発状況、市場に普及するためのポイント、今後の開発動向について詳解いたします。

開催日

  • 2021年6月30日(水) 10時30分 16時15分

プログラム

第1部 SiC/GaNパワーデバイスの技術トレンドと課題

(2021年6月30日 10:30〜12:00)

 2020年、コロナウィルスの全世界的な蔓延により、世界各国は人的・経済的に甚大なダメージを受け回復の見通しは全く不透明といった状況にある。しかしこのような中においても、たとえば、地球温暖化ならびに大気汚染対策のための自動車の電動化は人類にとって「待った無」の課題であることに変わりはない。最近ではカリフォルニア州が2035年までに州内でのガソリン車の新車販売を禁止するとの発表をするなど、EVシフト化への要求は極めて大きい。EVの性能を決める基幹部品であるパワーデバイスでは、新材料SiC/GaNデバイスの普及が大いに期待されている。しかしながら現状では、性能、信頼性、さらには価格の面で市場の要求に十分応えられているとは言えない。
 本講座では、SiC/GaNパワーデバイスを広く市場に普及するためのポイントは何かについて、強力なライバルであるシリコンIGBTの最新動向を横にらみしながら、わかりやすく解説したい。

  1. パワーエレクトロニクス (パワエレ) 、パワーデバイスとは?
    1. パワエレ&パワーデバイスの仕事
    2. パワー半導体の種類と基本構造
    3. パワーデバイスの適用分野
    4. パワーデバイスを使うお客様は何を望んでいるのか?
  2. 最新シリコンIGBTの進展と課題
    1. パワーデバイス市場の現在と将来
    2. パワーデバイス (IGBT) 開発のポイント
    3. 最新IGBTを支える技術
    4. 薄ウェハ化の限界
    5. IGBT特性改善の次の一手
    6. 新構造IGBT:逆導通IGBT (RC-IGBT) の誕生
    7. シリコンIGBTの実装技術
  3. SiCパワーデバイスの現状と課題
    1. なぜSiCパワーデバイスなのか
    2. 各社はSiC-MOSFETを開発中。なぜSiC-IGBTではないのか?
    3. SiCウェハができるまで
    4. SiC-MOSFET普及拡大のために解決すべき課題
    5. SiC-MOSFET最近のトピックス
    6. SiC-MOSFET内蔵ダイオードのVf劣化とは?
    7. ショットキーバリアダイオード (SBD) 内蔵SiC-MOSFET
  4. GaNパワーデバイスの現状と課題
    1. なぜGaNパワーデバイスなのか?
    2. GaNデバイスの構造
    3. SiCとGaNデバイスの狙う市場
    4. GaNパワーデバイスはHEMT構造。その特徴は?
    5. ノーマリ-オフ・ノーマリーオン特性とはなに?
    6. GaN-HEMTの課題
    7. 縦型GaNデバイスの最新動向
  5. SiCパワーデバイス高温対応実装技術
    1. 高温動作ができると何がいいのか
    2. SiC-MOSFETモジュール用パッケージ
    3. パワーモジュール動作中の素子破壊例
    4. SiCモジュールに必要な実装技術
  6. まとめ
    • 質疑応答

第2部 酸化ガリウムパワーデバイスの研究開発状況と課題

(2021年6月30日 13:00〜14:30)

 酸化ガリウム (Ga2O3) は、次世代パワーデバイス用途の新半導体材料として期待されるに足る、優れた材料物性を有する。また、原理的に大口径かつ高品質な単結晶基板を、融液成長法により安価かつ簡便に作製することができるという、産業上の大きな魅力も合わせ持つ。本講演では、Ga2O3パワーデバイスの位置づけ、魅力、物性面での課題について述べた後、最新のデバイス (トランジスタ、ダイオード) 研究開発の状況、実用化に向けた展望などについて解説する。

  1. はじめに
    1. Ga2O3の材料的特徴 (SiC, GaNとの比較から)
    2. 将来的なGa2O3デバイスの用途
  2. Ga2O3トランジスタ
    1. 横型MESFET
    2. 横型フィールドプレートMOSFET
    3. 横型高周波MOSFET
    4. 縦型ディプレッションモードMOSFET
    5. 縦型エンハンスメントモードMOSFET
    6. 国内外他機関におけるGa2O3トランジスタ開発動向
  3. Ga2O3ショットキーバリアダイオード (SBD)
    1. HVPE成長したドリフト層を有する縦型SBD
    2. 縦型フィールドプレートSBD
    3. Nイオン注入ドーピングを用いて作製したガードリングを有する縦型SBD
    4. 国内外他機関におけるGa2O3ダイオード開発動向
  4. まとめ、今後の展望
    • 質疑応答

第3部 ダイヤモンドパワーデバイスの最新動向と可能性

(2021年6月30日 14:45〜16:15)

 ダイヤモンドは、物質中最高の硬度や熱伝導率を有し、更に極めて高い絶縁破壊電界やキャリア移動度を持つことことから、理論的に最も高耐圧かつ低オン抵抗を実現できる、カーボンニュートラルの実現に資する次世代パワーデバイス材料である。そのため、日本やフランス、ドイツ、アメリカを中心にパワーデバイス応用・社会実装に向けた研究が活発に行われている。我々の研究グループでは、高速成長を用いたダイヤモンドウェハの開発、炭素固溶を用いたダイヤモンドエッチング技術の開発、そして2016年に世界で初めて反転層ダイヤモンドMOSFETの開発をしてきた。
 今回、ダイヤモンドウェハから、プロセス、そして半導体デバイスに関する昨今の研究開発状況・課題について紹介する。

  1. ダイヤモンドの魅力と必要性
  2. ダイヤモンド半導体研究の歴史と最近の動向
  3. ダイヤモンドウェハに関する研究開発動向
    1. 成長技術
      1. 高温高圧合成
      2. プラズマCVD
      3. 熱フィラメントCVD
    2. 不純物ドーピング技術
    3. 加工技術
      1. エッチング
      2. 研磨、カット、スライス
      3. カット、スライス
  4. ダイヤモンドダイオードに関する研究開発動向
    1. 金属と半導体ダイヤモンドの接触
    2. SBD
    3. PND (PIND)
    4. Shottky-PND (SPND)
  5. ダイヤモンドトランジスタに関する研究開発動向
    1. BJT
    2. JFET
    3. MESFET
    4. MOSFET
      1. 水素終端MOSFET
      2. Deep Depletion MOSFET
      3. 反転層MOSFET
    • 質疑応答

講師

  • 岩室 憲幸
    筑波大学 数理物質系 物理工学域
    教授
  • 東脇 正高
    大阪公立大学 大学院 工学研究科 電子物理工学分野
    教授
  • 徳田 規夫
    金沢大学 ナノマテリアル研究所
    教授 (リサーチプロフェッサー)

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/23 SiCパワーデバイスの現状と課題、高温対応実装技術 オンライン
2024/12/26 半導体製造における後工程・実装・設計の基礎・入門講座 オンライン
2024/12/26 PFAS規制の動向と半導体産業へ影響 オンライン
2025/1/8 車載半導体の基礎体系から開発環境・設計技術・量産品質確保の注意点 オンライン
2025/1/10 半導体先端パッケージに向けた実装技術、材料開発動向 オンライン
2025/1/14 先端半導体パッケージに対応する材料・実装技術の開発動向 オンライン
2025/1/15 SiCウェハの研磨技術と高速化、低ダメージ化 オンライン
2025/1/17 グリーンシートの成形プロセスと脱脂、焼成技術 オンライン
2025/1/20 半導体製造用薬液の不純物対策 オンライン
2025/1/20 ドライエッチング技術の基礎と原子層エッチング (ALE) の最新技術動向 オンライン
2025/1/21 自動車用を中心とした半導体技術の現状・最新動向と今後の展望 オンライン
2025/1/21 真空プロセスで取り扱う化学物質の危険性と安全対策 オンライン
2025/1/21 パワーエレクトロニクスに使われる磁性材料の基礎 オンライン
2025/1/21 電源回路設計入門 (2日間) オンライン
2025/1/21 電源回路設計入門 (1) オンライン
2025/1/22 CVD・ALD装置の反応プロセス解析事例と展開 オンライン
2025/1/22 エレクトロニクス実装の動向と回路設計技術及びマイクロソルダリングの基礎 東京都 会場・オンライン
2025/1/23 ドライ洗浄技術の動向と環境負荷低減に向けた製造工程への応用 オンライン
2025/1/24 アナログ回路設計 入門 オンライン
2025/1/28 CMPプロセスの最適化と装置・消耗部材の最新動向 オンライン