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実用化に向けた高容量・高エネルギー密度リチウムイオン電池正極材の開発技術動向

実用化に向けた高容量・高エネルギー密度リチウムイオン電池正極材の開発技術動向

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年2月27日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • リチウムイオン電池に関心のある技術者・研究者など

修得知識

  • 新規材料開発の流れと動向
  • 無機固体化学の知識
  • ポリアニオン系の結晶構造
  • バナジウムイオンの結晶場
  • 電子の局在性と正極高電位特性との関係
  • リチウムイオンのダイナミクスと拡散経路
  • Li過剰正極材料の合成条件
  • 遷移金属配合比と充放電特性との関わり
  • 高容量発現機構、実用化に関する問題点

プログラム

第1部 高容量・低コストのリチウムイオン二次電池正極用酸化物材料の研究開発動向

(2014年2月27日 10:30〜12:10)

 リチウムイオン電池は、携帯電子機器用の電源として広く普及しているが、今後は、自動車用途、大規模な定置型電源用途などの大型用途での普及・展開が期待されている。電池の高性能化・低コスト化のキーとなるのは、高容量で低コストの正極材料開発であり、本講演では、国内外の研究開発動向を中心に概説する。

  1. リチウムイオン二次電池の現状と課題
    1. リチウムイオン二次電池の構成・原理
    2. 用途別の要求性能
    3. 次世代リチウムイオン二次電池への期待
  2. 現行リチウムイオン二次電池の正極材料
    1. 層状岩塩系正極
    2. スピネル系正極
    3. オリビン系正極
  3. 次世代リチウムイオン二次電池正極材料の研究開発動向
    1. オリビン系正極
    2. リン酸塩系正極
    3. ケイ酸塩系正極
    4. フッ化硫酸塩系正極
    5. フッ化リン酸塩系正極
    6. その他の酸素酸塩系正極
    7. リチウム過剰層状岩塩系正極
    8. その他の酸化物系正極
  4. 次世代マンガン酸化物系正極材料の研究開発動向
    1. 研究開発のポイント
    2. LiMnO2型正極材料
    3. 新規製造プロセスの開拓
    4. トンネル構造正極材料
    5. 層状岩塩系正極材料
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

第2部 バナジウムポリアニオン正極系の結晶構造,電子状態,ならびにスピンダイナミクス

(2014年2月27日 13:00〜14:40)

 次世代二次イオン電池正極活物質の一つとして期待される多電子反応型バナジウムポリアニオン系LixV3 (P2O7) 3 (PO4) 2,LixV2 (PO4) 3,LixVFPO4等を対象としたX線四軸回折・結晶構造解析,帯磁率,核磁気共鳴,ならびに電気化学特性等の研究成果を紹介する。

  1. バナジウム酸化物及びポリアニオン系を対象とした二次イオン電池正極
    1. バナジウム酸化物
      1. 酸化物の基礎
      2. 代表的酸化物正極系
      3. 多機能性複合結晶型酸化物
    2. バナジウムポリアニオン
      1. ポリアニオンの基礎
      2. 代表的ポリアニオン正極系
  2. リン酸ピロリン酸バナジウムリチウムLixV3 (P2O7) 3 (PO4) 2
    1. Li9V3 (P2O7) 3 (PO4) 2
      1. 結晶構造
      2. 電気化学特性
      3. 電気伝導性
      4. バナジウムイオンの電子形態
      5. スピンダイナミクス-リチウムイオンのダイナミクス
    2. リチウム脱離相
      1. 結晶構造
      2. バナジウムイオンの電子形態
      3. スピンネットワークの特徴
      4. 磁気秩序
    3. リチウム過剰挿入相
      1. 結晶構造
      2. 電気化学特性との関連
      3. バナジウムイオンの電子形態
    4. リチウム-銀置換相
      1. 結晶構造
      2. 電気伝導性
      3. バナジウムイオンの電子形態
  3. ナシコン関連型リン酸バナジウムリチウムLixV2 (PO4) 3
    1. 結晶構造
      1. Li3V2 (PO4) 3
      2. Li2.22V2 (PO4) 3
      3. Li2V2 (PO4) 3
    2. 電気化学特性
    3. バナジウムイオンの電子形態
  4. タボライト型リン酸フッ化バナジウムリチウムLixVFPO4
    1. LiVFPO4
      1. 結晶構造
      2. 電気化学特性
      3. バナジウムイオンの電子形態
      4. スピンダイナミクス-量子スピン系との関連
    2. リチウム脱離相及び過剰挿入相
      1. 結晶構造モデル
      2. バナジウムイオンの電子形態
      3. スピン秩序
  5. タボライト型リン酸酸化バナジウムリチウムLixVOPO4
    1. 結晶構造
      1. LiVOPO4
      2. Li0.95VOPO4
    2. 電気化学特性
    3. バナジウムイオンの電子形態:一次元交替鎖によるスピン一重項転移
    4. スピンダイナミクス-量子スピン系との関連
      ※時間の関係により一部省略する可能性があります。
    • 質疑応答

第3部 新規Li過剰系正極材料:鉄置換Li2MnO3系材料の合成と充放電特性改善手法開発

(2014年2月27日 14:50〜16:30)

 リチウムイオン二次電池は、車載用、定置用等で大型化が進んでいるが、普及のためには安全性確保を前提とした電池の高性能化とともに低コスト化技術開発も同時に進めていく必要がある。本講演では、安価な構成金属からなる高容量な正極材料として弊所で見出した鉄置換Li2MnO3系正極材料の開発経緯、実用化に向けた電池メーカー&素材メーカーとの共同開発成果に関してご紹介する予定である。

  1. リチウムイオン二次電池における正極材料の位置づけ&要求特性
  2. Li過剰正極材料の今までの開発状況と充放電機構解明状況
  3. 当所におけるLi過剰正極材料の開発コンセプト
  4. 鉄置換Li2MnO3系正極材料の開発における充放電特性関与因子の抽出
  5. 鉄置換Li2MnO3系正極材料の高容量発現機構に関する検討
  6. 鉄置換Li2MnO3系正極材料の高電圧化のための鉄およびニッケル置換Li2MnO3系正極材料への展開
  7. 鉄置換Li2MnO3系正極材料の高電圧化のための合成手法の開発
  8. 鉄置換Li2MnO3系正極材料の高電圧化のための充放電活性化手法の検討
  9. 鉄およびニッケル置換Li2MnO3系正極材料の実用化のための取り組みの紹介
  10. まとめと今後の課題
    • 質疑応答

講師

  • 秋本 順二
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 省エネルギー研究部門
    首席研究員
  • 小野田 雅重
    筑波大学大学院 数理物質科学研究科 物理学専攻
    准教授
  • 田渕 光春
    国立研究開発法人産業技術総合研究所 電池技術研究部門 電池システム研究グループ
    主任研究員

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5階 第2講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 47,429円 (税別) / 49,800円 (税込)
複数名
: 40,429円 (税別) / 42,450円 (税込)

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