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リチウムイオン電池の性能 (安全性、特性、劣化) の体系的知識と充放電特性、効率劣化診断・安全マネジメント技術

リチウムイオン電池の性能 (安全性、特性、劣化) の体系的知識と充放電特性、効率劣化診断・安全マネジメント技術

~蓄電池・蓄電システムの劣化診断技術、充放電エネルギー効率の推定~
オンライン 開催

視聴期間は2025年5月21日〜6月3日を予定しております。
お申し込みは2025年5月21日まで承ります。

概要

本セミナーでは、リチウムイオン蓄電池の基本特性とモデル化手法および、リチウムイオン電池の残量推定、劣化診断、性能評価技術とリユースビジネスについて解説いたします。

開催日

  • 2025年5月21日(水) 10時30分 2025年6月3日(火) 16時30分

受講対象者

  • リチウムイオン電池および蓄電システムの評価試験、劣化診断に関わる技術、品質、製造関係者の方
  • リチウムイオン電池のリユースに関わる技術、品質、製造関係者の方
  • 変動性再生可能エネルギーの出力制御対策に関わる技術、品質、製造関係者の方

修得知識

  • リチウムイオン電池の性能 (安全性、特性、劣化) に関する体系的知識
  • リユースリチウムイオン電池の市場動向とその課題に関する基礎知識
  • リチウムイオン電池の残量推定、劣化診断技術に関する体系的知識
  • リチウムイオン電池群制御の運用効率最適化の重要性に関する基礎知識
  • リチウムイオン電池および蓄電システムの効率劣化診断技術に関する基礎知識

プログラム

 近年、脱炭素化に向けて太陽光発電などの変動性再生可能エネルギーが大量導入され、その時間偏在性によって余剰電力が発生しています。その結果、再生可能エネルギーの出力制御が関東以外のエリアで実施されています。この余剰電力を効果的に活用するために蓄電池への期待が高まっており、最近ではEV電池のリユース利用の取組が進められています。一方リユース電池は各々多様な劣化状態であり、また劣化によって充放電エネルギー効率 (RTE:Round Trip Efficiency) が低下します。再生可能エネルギーを一時的に蓄電池群に貯蔵しようとする場合には、個々の蓄電池のRTEを把握し適切に充放電することによって、蓄電池群全体の運用のエネルギー効率や経済性を向上させられるものと考えられます。
 本講義では、リチウムイオン電池の各種特性について基礎を学ぶとともに、単電池にとどまらず組電池・蓄電システムまで拡張した劣化診断に関する技術的要素をできる限り体系的に説明するとともに、充放電エネルギー効率を推定する効率劣化診断の検討事例を紹介します。

  1. 脱炭素化に向けた蓄電池の役割と課題
    1. 2025年脱炭素化に向けた社会の動向
      1. 温室効果ガスの状況
      2. 再生可能エネルギーの導入状況と課題
      3. 最近の日本の電力市場の状況
      4. クラウドバッテリーマネジメントシステム
    2. 蓄電池の種類と役割
      1. 分類
        • 一次電池
        • 二次電池
        • 化学電池
        • 物理電池
        • 水系電解液
        • 有機電解液
        • 固体電解質
      2. 特徴
        • システム充放電効率
        • エネルギー密度
        • 充放電レート
      3. リチウムイオン電池の分類、形態、バッテリーマネジメント、用途
    3. リチウムイオン電池の価格面、資源面での課題とリユースの動向
      1. 動作原理、潜在需要、リチウム生産量
      2. 価格動向
      3. リユースの動向と課題
  2. リチウムイオン電池の性能 (安全性、特性、劣化) と評価 性能診断 性能評価と試験
    1. 評価試験の体系分類
    2. 安全性規格試験
      1. 機械的安全性試験
      2. 電気的安全性試験
      3. 環境安全性試験
    3. 特性・寿命劣化規格試験
      1. 電気化学特性試験
      2. 容量劣化特性試験
    4. 規格化されていない試験
      1. 材料特性試験
      2. 反応特性試験
      3. 効率劣化特性試験
      4. 出入力劣化特性試験
  3. リチウムイオン電池の劣化に係る現象、症状および残量推定・劣化診断技術
    1. 基本的特性を示す重要なパラメータ
      1. 充電率 (残量)
      2. 開回路電圧 (開放端電圧)
      3. 満充電容量
      4. 内部抵抗 (内部インピーダンス)
    2. 劣化の要素と症状
      1. 劣化による充放電曲線の変形
      2. 劣化の要素
        • 活物質減少
        • リチウム量減少
        • オーム抵抗増加
        • ファラデー効率低下
        • 副反応層形成
      3. 劣化の症状
        • 満充電容量減少
        • 充放電エネルギー効率低下
        • 最大出入力低下
      4. 可逆的な満充電容量減少 (負極張り出し)
    3. 従来の劣化診断 (容量劣化診断)
      1. 交流インピーダンス法および等価回路、CPE、ワールブルグインピーダンス
      2. 過渡応答変換法と等価回路の時定数
      3. 充放電曲線解析法
      4. 適応フィルタ (RLS、カルマンフィルタ)
      5. 差電圧法とCoup de Founet
      6. 機械学習法 (ニューラルネットワーク)
  4. リチウムイオン蓄電システム群制御の運用効率最適化に向けた効率劣化診断
    1. 効率劣化診断とは
      1. クラウドバッテリーマネジメントシステムにおける効率劣化の問題
      2. 差電圧法を用いた効率劣化診断とその定性効果
    2. 定量的な運用経済性向上シミュレーション
      1. 多様な充放電パターンに対応可能な効率劣化診断の劣化モデル構築
      2. V2Gによるクラウドバッテリーマネジメントシステムを模擬したシミュレーション
    3. 劣化モデルに必要な教師データの低減検討
      1. 画像処理法を応用した半教師なし学習による開回路電圧プロファイル推定と効率劣化診断
      2. 半教師なし学習とカルマンフィルタの融合、および外乱プロファイルに対するロバスト性
    4. 効率劣化診断の蓄電システム全体への拡張
      1. 直行変換器のモデル化
      2. 半教師なし学習の直交変換器モデルへの応用
      3. 蓄電システムのエネルギー効率最適化に向けた新たな特性プロファイルの提案
  5. 質疑応答

講師

  • 有馬 理仁
    大和製罐 株式会社 技術管理部 エネルギーソリューション開発室
    開発リーダー

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,200円 (税別) / 42,020円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2025年5月21日〜6月3日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は印刷・送付いたします。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

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