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パワーデバイス用高分子材料における高耐熱・高熱伝導化と開発技術動向

パワーデバイス用高分子材料における高耐熱・高熱伝導化と開発技術動向

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、SiCやGaNなどの次世代パワーデバイスに必要な高分子材料について、封止材・放熱部材など、高耐熱・高熱伝導や、小型化、大容量化に適応する高分子材料技術と開発動向を最前線で活躍する講師4人が徹底解説いたします。

開催日

  • 2013年4月25日(木) 10時20分 16時40分

受講対象者

  • 耐熱性樹脂、高熱伝導性樹脂に関連する技術者、研究者
  • パワーデバイスの熱対策が必要な製品の技術者、開発者

修得知識

  • SiCパワーモジュールの技術動向と耐熱性高分子材料技術

プログラム

 近年、SiCやGaNといった次世代パワーデバイスが注目され始めるにつれ、パワーデバイス用の高分子材料の高機能化が必要不可欠となってきています。特に、小型化、大容量化によるパワーデバイスの熱問題は無視できません。
 そこで、今回はパワーデバイス用高分子材料の高耐熱化・高熱伝導化に焦点を当て、エポキシ・シリコーンからベース樹脂自体の高熱伝導化技術まで、徹底的に解説します。

第1部 パワーデバイス用耐熱性高分子材料の設計及び開発動向

(2013年4月25日 10:20〜11:40)

横浜国立大学大学院 工学研究院 教授 高橋 昭雄 氏

 炭酸ガス削減技術のなかでパワーデバイスが活躍する分野は,45%を占めており,まさにエネルギー革命のキーデバイスとなりつつある。
 特に、パワーデバイス市場の50%以上を占める自動車分野のパワーモジュールは、シリコン (Si) にかわりシリコンカーバイト (SiC) 半導体の搭載も視野に入っており長期的には200℃、短期的にも300℃を超える耐熱性が要求されている。パワーモジュールとして必要とされる高分子材料の設計と開発動向について講義する。

  1. 低炭素社会とパワー半導体
    1. 低炭素時代に向けての二酸化炭素の排出量削減計画
    2. パワー半導体の果たす役割と市場の予測
    3. カーエレクトロニクスとパワーモジュール
  2. パワーモジュールの開発動向
    1. デバイス、パワー密度、使用温度、冷却構造
    2. SiCデバイスとパワーモジュールの構造
    3. 高分子材料への要求性能
  3. 耐熱性高分子材料の設計と評価
    1. 物理的耐熱性と化学的耐熱性
    2. 成形性と機械特性及び耐熱性の評価
    3. 高分子の化学構造と特性
  4. 耐熱性、低熱膨張率エポキシ樹脂
    1. 分子間相互作用と耐熱性、低熱膨張性
    2. 多環芳香族のスタッキング硬化
    3. フェノールによる水素結合の効果
  5. 300℃超への挑戦
  • 質疑応答・名刺交換

第2部 高熱伝導性複合樹脂のパワーデバイス放熱部材への応用展開

(2013年4月25日 12:20〜13:40)

九州工業大学大学院 工学研究院 電気電子工学研究系 電気エネルギー部門 助教 小迫 雅裕 氏

 放熱性と電気絶縁性の相反する特性の双方向上が求められている。エポキシ複合絶縁材料の高熱伝導化に関して、絶縁特性を向上できるナノコンポジット化技術、および熱伝導性を向上できるフィラー電場配向制御技術について解説する。エポキシ樹脂に充填するフィラーは、アルミナおよび窒化ホウ素などを中心に取り上げる。

  1. 一般的なエポキシ複合絶縁材料の熱伝導性
  2. ナノコンポジット化技術
    1. ナノコンポジット材料の概要
    2. ナノ・マイクロコンポジットの特徴
      • 熱伝導性
      • 絶縁特性
      • 誘電特性
    3. 導電性フィラーへのナノアルミナコーティング効果
  3. フィラー電場配向制御技術
    1. 基本原理
    2. フィラー電場配向制御方法
    3. 複合材の評価結果
      • フィラー分散状態
      • 熱伝導率
      • 絶縁耐力
    4. 硬化反応中のIn-situ観察
      • 粒子挙動
      • 粘性変化
      • 誘電特性変化
    5. 各種パラメータの影響
      • 電界強度・時間
      • 電圧周波数
      • 平等/不平等電場
  4. まとめ

  • 質疑応答・名刺交換

第3部 パワーデバイスを支えるシリコーン放熱材料の開発と技術動向

(2013年4月25日 13:50〜15:10)

信越化学工業 (株) シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室 研究員 松本 展明 氏

 シリコーン放熱材料の概論を説明した後に、その中でも特に、パワーデバイスを支えている「シリコーン放熱グリース」について重点的に述べる。
 また、パワーデバイス用途の放熱グリースとして重要な性能である「耐熱性」と「垂れ難さ」という性質にも焦点を当てながら、商品の紹介と今後の技術動向について述べる。

  1. シリコーン放熱グリースの基礎概論
    1. 放熱材料の役割
    2. 熱伝導率と熱抵抗の関係式
    3. 熱抵抗の測定方法
    4. 厚み vs 熱抵抗のデータ
    5. シリコーン放熱材料の分類
    6. 放熱材料の種類と接触熱抵抗の関係
    7. シリコーン放熱グリースの構成要素
    8. シリコーンとは?
    9. シリコーンの特性
    10. シリコーン放熱材料で利用される硬化反応
    11. フィラーの熱伝導率について
    12. 放熱グリースの熱伝導率とフィラー充填率との関係
    13. フィラー粒径と放熱グリースの熱伝導率の関係
    14. フィラー充填率を向上させる工夫
    15. シリコーン放熱グリースの塗布方法
  2. 高熱伝導率を有する放熱グリースについて
  3. 溶剤希釈された高熱伝導率を有する放熱グリースについて
  4. 高耐熱性放熱グリースについて
  5. 垂れ難い放熱グリースについて
  6. その他のシリコーン放熱材料について

  • 質疑応答・名刺交換

第4部 ベース樹脂の高熱伝導化技術とその応用展開

(2013年4月25日 15:20〜16:40)

(株) カネカ 先端材料開発研究所 情報通信材料研究グループ 吉原 秀輔 氏

 本講演では前半に高熱伝導性樹脂開発の一般的な方法論と現状の課題等について紹介し、後半では樹脂材料の高熱伝導化の一手段である「ベース樹脂の高熱伝導化技術」について、世界の研究・開発動向、当社が独自に開発した技術の特徴とその効果、およびその利点を活かした想定される応用展開について説明する。

  1. 高熱伝導性樹脂開発の概要
    1. 一般的な方法論
    2. 現状の課題
    3. 課題克服に向けた各種方法論
  2. ベース樹脂の高熱伝導化の重要性
    1. Bruggemanの理論
    2. 汎用樹脂の熱伝導率
    3. 樹脂自体の高熱伝導化に関する世界の研究・開発動向
  3. 当社の開発コンセプト
  4. ベース樹脂を高熱伝導化する新たな手法
    1. 液晶ポリエステルとは
    2. 開発した液晶ポリエステルの特徴
    3. 当社液晶ポリエステルの高熱伝導化メカニズム
  5. 樹脂/フィラー複合材料の熱伝導率
    1. 異方性複合材料の高熱伝導化メカニズム
    2. 汎用液晶ポリマーとの比較
    3. その他、汎用樹脂との比較
    4. トピックス、等方性高熱伝導複合材料の実現
  6. 想定される応用展開

  • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 高橋 昭雄
    横浜国立大学 大学院 工学研究院
    産学官連携研究員
  • 小迫 雅裕
    九州工業大学 大学院 工学研究院 電気電子工学研究系 電気エネルギー部門
    教授
  • 松本 展明
    信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所 第二部開発室
    研究員
  • 吉原 秀輔
    (株)カネカ 先端材料開発研究所 情報通信材料研究グループ

会場

大田区産業プラザ PiO

6F C会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,667円 (税別) / 44,800円 (税込)
複数名
: 35,667円 (税別) / 37,450円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
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