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アレニウスプロットの作成とその測定数値の取り扱い

アレニウスプロットの作成とその測定数値の取り扱い

~様々な事例を用いて解説~
オンライン 開催 演習付き

概要

本セミナーでは、医薬品・化粧品・食品分野における加速試験について取り上げ、試験条件の設定や測定項目選定の応用法、考え方について具体的事例とExcelを用いた演習を交えて詳解いたします。

配信期間

  • 2025年10月28日(火) 13時00分2025年11月7日(金) 17時00分

お申し込みの締切日

  • 2025年10月28日(火) 13時00分

プログラム

 医薬品の保存安定性は、ICH合意に基づく「安定性試験ガイドライン」をもとに、長期保存、加速及び過酷試験の目的及び方法が示されている。主に製剤化の初期検討において、過酷条件下での短期試験結果より、長期保存安定性の挙動を予測する方法が用いられている。
 一方、化粧品の長期保存安定性は、「室温下で3年以上安定であること」であり、発売前の量産化段階において、過酷試験の条件で安定性試験を行い、室温下での経時保存安定性を確保する検討が行われている。例えば、「25°C (室温) 下で3年間安定 (著しい変化がない) であるためには40°C6カ月の加速試験で安定 (著しい変化がない) であることが必要である」などである。
 また、食品の賞味期限評価は「食品期限表示の設定のためのガイドライン」に基づいて行っている。その際、防災食、宇宙食など保存期間の長い食品については、5年あるいは10年保管後に検査するといった通常の保存試験を実施すると、世の中のトレンドが変わってしまうことがあるため、加速試験 (温度・湿度等を上昇させた環境で保管) を実施することで、短期間で長期の賞味期限を推測することを行っている。
 プラスチックなどの高分子材料については、JIS K7226_1999「プラスチック – 長期熱暴露後の時間 – 温度限界の求め方」を参照して、長期間高温に暴露されたプラスチックの耐熱性を、アレニウスの法則で評価することが行われている。
 つまり高温加速試験の目的は「室温下での変化を加速して再現できる」といえる。温度依存性 (温度が高くなれば、それにしたがって安定性が悪化する) の一般性質であれば「アレニウスの式」を用いて、温度と経時変化の相関を求めることができる。
 本セミナーでは、加速試験の結果をアレニウスプロットに表すことで、室温下における安定性を推定する計算方法を習得する。また、基本的な統計手法である「相関と回帰」の関係を理解することで、因果関係を推定する手順を学ぶことができる。

第1部:様々な安定性評価の方法

  1. 医薬品の安定性評価方法
    1. ICHの安定性ガイドライン
    2. ガイドラインの目的
    3. ガイドラインの適用範囲
    4. 一般原理
    5. 試験条件
    6. FDAの安定性指針
  2. 化粧品の経時安定性評価 (加速試験の手順)
    1. 化粧品工業会の考え方
    2. 安定性の温度依存性
    3. 低温安定性について
    4. 安定性試験のまとめ
  3. 食品の賞味期限を推定する方法
    1. 加速試験の活用
    2. 加速試験の方法
    3. 加速試験の注意点
    4. 賞味・消費期限設定のまとめ
  4. 高分子材料の寿命予測
    1. 劣化と寿命とは?
    2. 注意点

第2部:統計手法の活用

  1. データとばらつき
    1. データの採り方
    2. サンプリングの重要性
    3. 測定の誤差について
    4. ばらつきへの対応
  2. 統計的考え方
    1. 統計の基礎
    2. 対応のないデータと対応のあるデータ
    3. 相関関係とは (対応のある2つのデータ)
    4. 回帰分析とは
    5. 相関分析と回帰分析
    6. EXCELを用いた相関・回帰分析 (EXCELを使って演習しよう)
  3. 信頼区間の求め方
    1. 経時変化の信頼区間について
    2. 具体的な計算方法

第3部:アレニウス式を用いた安定性予測

  1. 経時安定性と反応速度論
    1. 反応速度論の概要
    2. 反応速度論の安定性試験への応用
    3. 一次反応とは
  2. 一次反応系におけるアレニウス式の活用
    1. 化粧品 (乳液) の経時変化例
    2. パウダーファンデーションの経時変化例
    3. アレニウス式を用いた検討
  3. 医薬品の安定性評価
    1. EXCELを用いた計算手順
    2. 数値を代入した演習
  4. 食品の安定性評価
    1. 賞味期限の推定方法
    2. アレニウス式を用いた賞味期限推定
  5. 高分子材料の寿命予測
    1. アレニウス法による寿命評価
    2. 引張試験を用いた寿命予測計算
    • 質疑応答

講師

  • 深澤 宏
    株式会社ウテナ
    常務執行役員 (開発統括部長)

主催

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お問い合わせ

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
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  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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