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放熱シートの設計と熱伝導性の向上

放熱シートの設計と熱伝導性の向上

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、放熱シートについて基礎から解説し、フィラー配向制御技術、絶縁、粘・接着、柔軟性の要求特性を満たすポイントについて詳解いたします。

開催日

  • 2024年3月5日(火) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • 電気機器の放熱設計技術者
  • 放熱材料の開発者、技術者
  • 放熱シートの設計・製造・販売担当者、管理者
  • TIMの開発に従事する技術者
  • 窒化ホウ素などの異方性材料の研究者
  • TIMの熱物性評価に関心のある方

修得知識

  • 高熱伝導絶縁シートを利用したパワーモジュールの高放熱化技術
  • 樹脂材料の放熱材料設計指針
  • パワーモジュールの放熱構造
  • 電界による粒子操作技術の知識
  • TIMに対する基本的な知識
  • TIMの配合設計の基礎知識
  • TIMの熱物性評価技術
  • 窒化ホウ素配合TIMの配向制御技術
  • 半導体実装材料分野で必要とされる熱伝導材料の特性と評価
  • 車載電子製品の性能実現のためのTIMの選択、使いこなし

プログラム

第1部 高熱伝導絶縁シートを利用したパワーモジュールの高放熱化技術

(2024年3月5日 10:00〜11:00)

 パワーモジュール機器の小型・高性能化が進むにつれ放熱対策が重要な課題となっている。より高放熱が求められる機器においては、絶縁かつ放熱部材に樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素 (h-BN) 粒子を充填した樹脂複合材料が用いられる。このh-BN粒子は、鱗片形状をしており、その熱伝導率に異方性を有する。そのためh-BN粒子を充填した樹脂複合材料を用いて放熱経路に沿って効率的に熱を逃がすためには、h-BN粒子の配向を制御する必要がある。
 本講演では、樹脂複合材料中でのh-BN粒子の配向とその熱伝導率の関係を明らかにし、パワーモジュール機器に適用した時の効果について紹介する。

  1. 電子機器の構造と高熱伝導樹脂材料のニーズ
    • パワーモジュール適用例を中心に
  2. 高熱伝導複合材料の基礎と応用
    1. 樹脂/無機フィラー複合材料の熱伝導率
    2. モールド型パワーモジュールへの応用
  3. 複合材料の熱伝導率向上技術
    1. 高熱伝導フィラー (BN) の高充填化
    2. 高熱伝導フィラー (BN) の配向制御
  4. 高熱伝導複合材料のパワーモジュールへの適用に向けて
    • 質疑応答

第2部 電界整列による放熱シートの高熱伝導率化と柔軟性

(2024年3月5日 11:15〜12:00)

 複合材料の機能化や異方性付与のために利用可能な、電界整列というフィラーを整列することができる手法について、理解を深められます。

  1. 放熱シートの概要
  2. 電界整列による性能向上
    1. 電界整列の原理
    2. 電界整列の問題点
  3. 重力の影響を排除する方法
  4. 実施結果
    1. 球形粒子 (ダイヤモンド粒子を例に)
    2. 板状粒子
    3. 柔軟性
  5. 電界整列の熱伝導率分布
    • 質疑応答

第3部 六方晶窒化ホウ素を用いたシリコーン系高熱伝導シートの開発

(2024年3月5日 13:00〜14:00)

 TIMについての概要を紹介し、その後、TIM開発者の視点で熱伝導性フィラー選定の考え方、TIMの製造工程、TIMの熱物性評価方法を紹介する。
 また、TIMの開発事例として、六方晶窒化ホウ素を用いたシリコーン系低比重熱伝導性シートの開発を例に、フィラー配合を決定するに至るまでの検討プロセスを、1) 市場ニーズを元にした製品アイデアの立案、2) 製造方法の検討、3) 試作品の試作と評価 3点に分けて紹介し、開発から得られた技術的な知見について報告する。

  • 富士高分子工業 会社紹介
  • 放熱材 (TIM) の概要
  • 弊社シリコーン系TIMの紹介
  • TIMの構造
  • 熱伝導性フィラーの材質
  • 熱伝導性フィラーの形状
  • 熱伝導性フィラーの粒度分布
  • フィラー配合率と熱伝導率の関係
  • フィラーのパーコレーション
  • TIMの製造方法
  • TIMの熱物性評価方法
  • TIMの利用分野
  • TIM低比重化のニーズについて
  • 六方晶窒化ホウ素について
  • 六方晶窒化ホウ素を用いたシリコーン系低比重TIMの開発事例
  • 質疑応答

第4部 半導体実装材料の高熱伝導率化

(2024年3月5日 14:15〜15:15)

 近年、電子機器の高機能化で発熱量が増大し、放熱材料へのニーズがますます高まっているが、放熱材料には耐熱性、粘接着性、絶縁性など同時に要求されるケースが多い。耐熱性の高いポリイミド樹脂をベースに熱伝導性フィラーを分散した放熱材料を開発し、半導体実装材料への適応に向けた事例について紹介する。

  1. 背景 高放熱材料のニーズと技術動向
  2. ポリイミド/熱伝導性フィラー複合材料による高熱伝導率化
    1. ポリイミド樹脂設計
    2. 熱伝導性フィラー
    3. 熱伝導性評価法
  3. 粘着シート
    1. 界面熱抵抗
  4. 接着シート
    1. パワー半導体用途で要求される特性
    2. パワー半導体用途での信頼性試験
    • 質疑応答

第5部 車載電子製品の放熱・耐熱技術と放熱シートへの要求性能

(2024年3月5日 15:30〜16:30)

 車両の電動化と電子化の進展に伴い、電子製品の小型化が求められています。製品の小型化は熱設計を難しくします。そのために放熱シートを含むTIM材料の需要が高まっています。TIMは、手軽に使用できるものであるが、製品に形態に合わせた特性が求められます。これらを事例を交えて解説いたします。
 車載電子製品は単独で存在するのではなく、あくまで車両の付加価値を高めるためのものであること、その製品の性能実現のためのTIMの選択、使いこなしについて解説いたします。

  1. CASE時代に求められるカーエレクトロニクス
    1. クルマ社会を取り巻く課題
    2. 電子プラットフォーム (PF) 設計
  2. 車載電子製品への要求と熱設計
    1. 車両の付加価値向上
    2. 熱設計の考え方
    3. 低熱抵抗化の検討
  3. 放熱・耐熱設計と放熱シート (TIM) の特性
    1. 半導体の耐熱設計
    2. 回路基板製品の熱設計のポイント
    3. TIMの特徴
    4. バランスの取れたTIM材料の重要性
    5. 複合材料化に伴うTIMの特性変化 (電気特性)
    6. パワーモジュールの放熱特性に合うものを求めて
    7. パワーモジュールにおける絶縁性の確保
    8. パワーモジュールにおける熱伝導性の向上
  4. インバータの放熱構造と放熱シートの事例
    1. 事例1 (耐振性)
    2. 事例2 (放熱性向上)
  5. 様々なTIMの事例
    1. ラバータイプ
    2. パテタイプ
    3. コンパウンドタイプ
  6. 将来動向
    1. モジュール化
    2. 実装技術とJisso
    3. 車両の付加価値を高める製品開発を目指して
    • 質疑応答

講師

  • 三村 研史
    三菱電機 株式会社 先端技術総合研究所 マテリアル技術部
    主席技師長
  • 稲葉 優文
    九州大学 大学院 システム情報科学研究院
    助教
  • 片石 拓海
    富士高分子工業 株式会社 開発部
    副主席部員
  • 嶋田 彰
    東レ株式会社 電子情報材料研究所
    主任研究員

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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本セミナーは終了いたしました。

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