技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

ベーパーチャンバー、薄型ヒートパイプの設計、性能と応用

ベーパーチャンバー、薄型ヒートパイプの設計、性能と応用

~AIサーバー、データセンター、次世代自動車、スマートフォンの冷却に向けて~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、先端サーバー、データセンター、自動車、スマートフォンの熱対策で期待される放熱・排熱技術について取り上げ、複雑なシステム設計、保守・メンテナンスなどの導入と運用の課題について詳解いたします。

開催日

  • 2025年9月8日(月) 10時00分17時00分

プログラム

第1部 MEMS技術によるベーパーチャンバーの薄型化

(2025年9月8日 10:00〜11:30)

 電子機器の高密度実装化に伴い、放熱・排熱に関する関心が高まっている。本講座では、半導体素子と熱の関係やベーパーチャンバーの理論について具体例を挙げながら説明する。また、シリコン微細加工技術を利用したMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) ベーパーチャンバーについて紹介する。

  1. 電子デバイスの小型化
    1. 電子デバイスの小型化の歴史
    2. 小型化における実装技術
    3. 半導体のロードマップ
    4. 半導体と放熱
  2. 電子部品の放熱・冷却システム
    1. 放熱・冷却システムの紹介
    2. ペルチェ素子
    3. ヒートパイプ
    4. ベーパーチャンバー
    5. 小型化の利点と課題
    6. 小型ベーパーチャンバーのマーケット
  3. MEMSベーパーチャンバーの具体例
    1. シリコン微細加工技術を用いた小型素子
    2. MEMS (Micro Electro Mechanical Systems) 技術
    3. MEMSベーパーチャンバーの設計
    4. 放熱実験
    5. 課題と今後の研究
    • 質疑応答

第2部 データセンタにおける二相液浸冷却技術とその期待される応用

(2025年9月8日 12:10〜13:40)

 AIや5Gを代表とする高度情報社会を支えるデータセンタ、スーパーコンピュータなど、新たな社会インフラを支える電子機器の消費電力は増加の一途を辿っている。特にこれらの電子機器からの発熱密度はかつてないレベルにまで達しており、カーボンニュートラルと省エネルギー社会を実現するためには、特にそのボトルネックとなる「冷却」に関わる新技術を開発し、エネルギー消費を大幅に削減する必要がある。
 本講では冷却のランニングコストとCO2排出の削減に貢献する新しい「二相液浸冷却技術」とその期待される応用について解説する。

  1. 開発の背景
  2. ロータス銅を用いた二相浸漬冷却技術の概要
  3. 呼吸現象 (ブリージング現象) による液体供給と蒸気排出の分離による冷却性能向上
    1. ブリージング現象の原理
    2. グリージング現象による冷却性能
    3. 冷却面構造の最適化
  4. 実用例 (sola) ならびに期待される応用展開
  5. 今後の研究課題
    • 質疑応答

第3部 超薄型熱輸送デバイスのトレンド、 超薄型ループヒートパイプの研究開発と応用展開

(2025年9月8日 13:50〜15:20)

 電子機器の小型化・高性能化が進むにつれ、熱管理の重要性はかつてないほど高まっています。特に、小型電子システムでは限られたスペース内での高い放熱性能が求められ、革新的な熱輸送デバイスの開発が不可欠です。本講演では、薄型熱輸送デバイスの最新研究動向を概観し、当研究グループが取り組んでいる超薄型ループヒートパイプ、フレキシブルループヒートパイプの開発について紹介します。

  1. 様々な電子機器の熱マネージメント要求
  2. 世界の薄型放熱デバイス研究開発動向
  3. ループヒートパイプの概要・動作原理
  4. ループヒートパイプの設計・製作方法
  5. 様々なループヒートパイプ研究開発事例
  6. ループヒートパイプの小型化・薄型化
  7. ループヒートパイプのフレキシブル化
  8. ループヒートパイプの今後の展開
    • 質疑応答

第4部 超薄型ヒートパイプ、ベーパチャンバの熱性能と応用例

(2025年9月8日 15:30〜17:00)

 ヒートパイプは蒸発潜熱を使った二相系の受動的な伝熱素子あり、駆動エネルギーを必要としない。ヒートパイプは非常に高い熱コンダクタンスを有し、その等価熱伝導率は、同じサイズの銅ロッドに対して数百倍高い。ヒートパイプの主たる用途は、コンピュータとエレクトロニクス製品の冷却である。
 ここでは、超薄型ヒートパイプとベーパチャンバによるスマホの冷却について言及する。最近、AIサーバ、データセンタが注目され、例えばnVidiaのGPUは、発熱量が1KWにも到達し水冷コールドプレート、3Dベーパチャンバが採用されているので、最新の実用例について紹介する。また最近の電気自動車用のバッテリー、モータ、IGBTの冷却事例について解説する。

  1. ヒートパイプとベーパチャンバの概要
    1. ヒートパイプの構造、原理、特徴
    2. ヒートパイプの種類
      1. ウイック型ヒートパイプ
      2. ループヒートパイプ
      3. 自励振動型ヒートパイプ
      4. ベーパチャンバ
      5. 超薄型ヒートパイプ
      6. 高温用ヒートパイプ
    3. 作動流体
    4. 熱輸送性能、熱抵抗、最大熱輸送量
  2. ヒートパイプの応用例概要
  3. コンピュータ冷却
    1. ノートPCの冷却
    2. デスクトップ、サーバの冷却
  4. 超薄型ヒートパイプとベーパチャンバによるスマートホン、タブレットPCの冷却
  5. AIサーバ、データセンタ、スパコンの冷却
    1. 単相コールドプレートよる冷却
    2. 3Dベーパチャンバ
    3. 次世代高発熱密度CPU/GPU冷却
  6. 電気自動車の冷却
    1. LEDヘッドランプの冷却
    2. Li ion電池の冷却
    3. IGBTの冷却
    4. モータの冷却
    • 質疑応答

講師

  • 金子 美泉
    日本大学 理工学部 精密機械工学科
    助教
  • 結城 和久
    山口東京理科大学 工学部 機械工学科
    教授
  • 長野 方星
    名古屋大学 大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻
    教授
  • 望月 正孝
    The Heat Pipes
    代表

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/17 マイクロ波加熱の原理と化学反応への応用 オンライン
2025/7/23 電子部品の特性とノウハウ (2日間) オンライン
2025/7/23 電子部品の特性とノウハウ (1) オンライン
2025/7/28 マイクロ波加熱の原理と化学反応への応用 オンライン
2025/7/28 液冷、液浸冷却システムの基礎と応用、開発動向 オンライン
2025/7/29 5G/Beyond 5Gで求められるノイズ対策・電磁波シールド・吸収材料の設計・技術 オンライン
2025/7/30 5G/Beyond 5Gで求められるノイズ対策・電磁波シールド・吸収材料の設計・技術 オンライン
2025/7/30 熱力学・電気化学・金属材料学とめっき膜観察・分析方法 オンライン
2025/7/30 高熱伝導材料の基本、配合設計と熱マネジメント技術 東京都 会場
2025/7/30 電子部品の特性とノウハウ (2) オンライン
2025/7/31 多結晶半導体薄膜の基礎と応用技術 オンライン
2025/8/1 熱力学・電気化学・金属材料学とめっき膜観察・分析方法 オンライン
2025/8/5 半導体の発熱と伝熱経路の把握、熱設計 オンライン
2025/8/8 化学プロセスのスケールアップのための化工計算入門 オンライン
2025/8/8 多結晶半導体薄膜の基礎と応用技術 オンライン
2025/8/19 放熱デバイス特性と熱設計の実践技術 オンライン
2025/8/19 半導体パッケージの伝熱経路、熱モデルと熱設計・シミュレーション技術 オンライン
2025/8/20 半導体パッケージの伝熱経路、熱モデルと熱設計・シミュレーション技術 オンライン
2025/8/26 電子機器における各種冷却技術および熱設計の基礎と新しい冷却技術の開発動向 オンライン
2025/8/27 xEV車載機器におけるTIMの最新動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/5/30 熱、排熱利用に向けた材料・熱変換技術の開発と活用事例
2024/11/29 パワーデバイスの最新開発動向と高温対策および利用技術
2024/9/13 世界のAIデータセンターを支える材料・デバイス 最新業界レポート
2024/8/30 次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例
2021/7/30 電子機器の放熱・冷却技術と部材の開発
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/2/28 伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集
2018/3/30 熱利用技術の基礎と最新動向
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2014/8/25 ヒートパイプ 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/25 ヒートパイプ 技術開発実態分析調査報告書
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/7/10 多様な熱源に対応する熱電発電システム技術
2013/6/25 ヒートポンプ〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)