技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

CO2分離膜の開発動向と透過性、選択性の向上

CO2分離膜の開発動向と透過性、選択性の向上

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、大気中のCO2の分離・回収技術を基礎から解説し、低濃度のCO2を回収する最新技術や課題、今後の展望までを詳解いたします。

開催日

  • 2022年4月27日(水) 10時30分 16時15分

プログラム

第1部 CO2分離膜の種類、特徴と応用展開

(2022年4月27日 10:30〜12:00)

 地球温暖化問題の解決のため、火力発電所など発生源からのCO2分離回収が求められている。最近は空気中のCO2の直接回収法も注目されている。CO2の分離回収技術には吸収法、吸着法など各種あるが、中でも膜分離法が最も期待されている。高分子膜、無機膜、促進輸送膜ごとに最近のCO2分離膜の素材と性能を解説する。特に演者が開発したアミン液体膜による空気中のCO2回収法を紹介する。

  1. CO2分離回収技術の特徴と進展
  2. 吸収・吸着法によるCO2分離技術の進歩
    1. ガス吸収とCO2吸収液
    2. 吸着法
    3. 固体吸収材プロセス (RITE)
  3. 期待される膜分離法とCO2分離膜
    1. 高分子膜 (ポリイミド膜)
    2. 無機膜 (ゼオライト膜)
    3. 促進輸送膜
  4. アミン液体膜による空気中のCO2の回収法
    1. CO2濃縮空気供給装置の構成としくみ
    2. 液体膜平膜モジュール
    3. アミン液体とイオン液体
    4. CO2濃縮空気供給装置の性能
    5. アミン/イオン液体膜によるCO2濃縮装置の透過・分離の解析
    • 質疑応答

第2部 イオン液体を用いたCO2分離膜の開発動向

(2022年4月27日 13:00〜14:30)

 イオン液体はイオンのみから構成される液体であり、不揮発性や難燃性などといった性質に加え、分子構造設計により使用目的に合致した物性を付与することができるため、様々な分野での応用が期待されています。CO2分離媒体として設計されたイオン液体は選択的なCO2溶解性や低粘性を有し、CO2と化学的に反応するものもあります。そのようなイオン液体を含有する膜は優れたCO2分離性能を有し、実用化の可能性が見込まれます。
 このセミナーでは、イオン液体を含有する膜について、その特徴、CO2透過機構、CO2分離性能、および、実用化のために求められる課題について説明します。

  1. イオン液体をCO2分離媒体とするCO2分離膜
    1. イオン液体
    2. イオン液体のCO2吸収性能およびCO2拡散性
  2. イオン液体含有高強度ゲル膜
    1. 無機/有機ダブルネットワーク (DN) イオンゲル
    2. 無機/有機DNイオンゲルのCO2分離性能
  3. CO2反応性イオン液体含有高強度ゲル膜
    1. CO2反応性イオン液体
    2. CO2反応性イオン液体含有ゲル膜
    3. CO2反応性イオン液体含有ゲル膜のCO2分離性能
  4. まとめ
    • 質疑応答

第3部 CHA型ゼオライト膜の合成技術とCO2分離・回収への応用展開

(2022年4月27日 14:45〜16:15)

 ゼオライトは結晶性のアルミノ珪酸塩の総称であり、規則的な細孔径と高い細孔容積を持ち、触媒、吸着剤、膜材料などに用いられている。特にCHA型ゼオライトは0.38nmの細孔径と3次元的に連結した細孔構造を持ち、二酸化炭素の高選択性かつ高い透過性を示す膜分離材料として期待されている。
 本講演では、ゼオライト膜の概説から我々がこれまで開発を行ってきたCHA型ゼオライト膜について最新の研究成果を含めて紹介する。

  1. はじめに
    1. ゼオライトについて
    2. ゼオライト膜について
    3. ゼオライト膜の分離プロセスへの応用
  2. ゼオライト膜の製膜
    1. ゼオライト膜に用いられる支持体について
    2. CHA型ゼオライト膜の製膜方法
  3. CHA型ゼオライト膜のガス分離について
    1. ゼオライト膜の二酸化炭素分離への展開
    2. ゼオライト膜の高耐久化
  4. 今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 伊東 章
    東京工業大学
    名誉教授
  • 神尾 英治
    神戸大学 大学院 工学研究科
    准教授
  • 荒木 貞夫
    関西大学 環境都市工学部 エネルギー・環境工学科
    准教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/7 工業触媒の基礎とスケールアップ技術および触媒劣化対策 オンライン
2024/5/15 「トランジションファイナンス」の魅力とその享受の為のポイント 東京都 会場・オンライン
2024/5/16 化学・材料分野における「LCA」、GHG排出量計算、「Scope3」への対応、(自動車などユーザー企業への) 情報開示、その活用 オンライン
2024/5/16 CO2-メタネーションに関する開発動向と課題・今後の展望まで オンライン
2024/5/17 Excelとシミュレータによる化学プロセス計算入門 オンライン
2024/5/22 出光興産株式会社における苫小牧CCUS構想と今後の課題 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/5/22 CO2-メタネーションに関する開発動向と課題・今後の展望まで オンライン
2024/5/24 金属有機構造体 (MOF) の基礎と機能性薄膜としての可能性 オンライン
2024/5/28 濾過のメカニズム・制御・DX化 オンライン
2024/5/29 CO2分離回収技術に関連したプロセスおよびコスト計算の基礎と実例 オンライン
2024/5/29 ガス分離膜の細孔径・ガス透過性評価手法とシリカ系多孔膜によるCO2分離技術 オンライン
2024/5/30 分離工学の基礎と装置設計法 オンライン
2024/5/30 微生物による二酸化炭素固定、カーボンリサイクルの現状と将来展望 オンライン
2024/5/31 二酸化炭素 (CO2) 、二硫化炭素 (CS2) を原料とする高分子材料の合成技術と応用 オンライン
2024/6/3 MOF/PCPを利用したCO2の分離・回収技術 オンライン
2024/6/4 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/6/5 分離工学の基礎と装置設計法 オンライン
2024/6/10 濾過のメカニズム・制御・DX化 オンライン
2024/6/11 CO2分離回収技術に関連したプロセスおよびコスト計算の基礎と実例 オンライン