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CO2の有用物質変換技術とその最新動向

CO2の有用物質変換技術とその最新動向

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、CO2から有用な化成品、樹脂材料を合成するプロセス技術の研究動向、課題、展望を解説いたします。

開催日

  • 2025年11月6日(木) 10時30分17時10分

修得知識

  • 二酸化炭素などの豊富な資源の活用方法
  • 高分子合成の基礎と応用
  • 機能性材料の設計法

プログラム

第1部 二酸化炭素の有効利用技術とその最新動向

(2025年11月6日 10:30〜12:30)

 本セミナーでは、CO2を用いた燃料と化学品合成の世界と日本の最新動向を解説し、日本の目指すカーボンニュートラルなビジネスを解説する。

  1. CO2排出の現状
  2. CCS技術の現状
    1. CCSの課題
    2. CCUの必要性
  3. CO2を用いた合成ガスの製造
    1. ドライリフォーミング
    2. 逆シフト反応
  4. CO2による燃料の合成
    1. メタン合成
    2. e-Fuel
    3. SAF
    4. 海外の燃料合成プロジェクト
  5. CO2を用いた化学品の合成
    1. メタノール合成
    2. エタノール合成
  6. メタノール, エタノールケミストリー
    1. MTO, MTP, MTA
    2. DME
    3. ブタジエン
  7. CO2を用いたポリマーの合成
    • 質疑応答

第2部 CO2を原料とし、他の有機物に変換して固定化する触媒の開発動向

(2025年11月6日 13:20〜14:50)

 本講演では、まず工業的にCO2を利用しているプロセスの現状を述べ、化学的にどのような変換手法があるかを解説する。また、CO2を変換した後の用途として、燃料にするのか、それとも化成品を狙うのか、変換の戦略について最近の研究例も含めて説明する。
 次に、講演者が行っている化成品合成の研究事例についても紹介する。最後に現状のCO2変換技術の課題と今後の展望について述べる。様々なCO2変換技術がある中で、講演者は特に、水素を使わない化成品合成に注力してきた。本講演内でも、これらの研究例を中心に、実用化の可能性を探っていく。

  1. CO2排出の現状
  2. CO2の利用方法
  3. 還元的手法によるCO2変換反応
  4. 非還元的手法によるCO2変換反応
    1. CO2からのカーボネート (炭酸エステル) 合成
    2. CO2からのカーバメート (ウレタン) 合成
    3. CO2からの尿素体 (ウレア) 合成
    4. CO2からの脂肪族ポリカーボネート合成
  5. バイオマス由来の芳香族ポリカーボネート合成
  6. まとめ、今後の展望
    • 質疑応答

第3部 二酸化炭素、二硫化炭素を利用した高分子合成技術の解説と今後の展望

(2025年11月6日 15:00〜16:00)

 二酸化炭素とイオウは豊富な天然資源であり、機能性材料の原料となるが、十分に活用されていない。
 そこで二酸化炭素と、その同族体でイオウから簡便に得られる二硫化炭素を原料にした高分子材料の合成について紹介する。二酸化炭素の活用法としては、エポキシとの反応により得られるカーボネートの合成を利用した、ポリウレタン類ならびに含カーボネートポリマーの合成と応用について述べる。二硫化炭素の活用法としては、貴金属捕集性ポリマーならびに高屈折率ポリマーの合成と機能について述べる。

  1. 豊富な資源を用いる材料の設計
    1. 非石油資源の活用
    2. 二酸化炭素を利用する材料の開発
    3. 二硫化炭素を利用する材料の開発
  2. 二酸化炭素を用いる五員環カーボネート構造を持つポリマーの合成
    1. 二酸化炭素とエポキシドの反応による五員環カーボネートの合成
    2. 五員環カーボネート構造を持つポリマーの合成と応用
  3. 五員環カーボネートとアミンの反応を利用する脂肪族ポリウレタンの合成
    1. ビスヒドロキシウレタンモノマーの重縮合による脂肪族ポリウレタンの合成
  4. 五員環カーボネートとアミンの反応を利用するポリヒドロキシウレタンの合成とその応用
    1. ポリヒドロキシウレタンの合成
    2. ポリヒドロキシウレタンの反応
    3. ポリヒドロキシウレタンの応用
      • 発泡材料
      • 生体材料など
    4. 五員環カーボネートを利用する両末端反応性脂肪族ポリウレタンの合成
  5. 二硫化炭素とエポキシドの反応を利用する含イオウポリマーの合成
    1. 高屈折率有機-イオウ無機ハイブリッド材料の合成
    2. 貴金属捕集性ポリマーの開発
  6. まとめ
    • 質疑応答

第4部 二酸化炭素とアルコールからのカーボネート合成技術の開発と今後の展望

(2025年11月6日 16:10〜17:10)

 ポリカーボネートは二酸化炭素の有用化合物への変換において重要なターゲット物質である。当社はポリカーボネート製造会社として、エネルギー・気候変動問題解決のため、CO2 を原料とし安全且つ効率的にカーボネート化合物を製造するプロセスの研究開発を行っている。

  1. 三菱ガス化学の企業概要及びCO2 を原料とするPC製造研究の経緯
    1. 企業概要
    2. 事業展開と主な製品
    3. CO2を原料としたカーボネート化合物の製造研究の位置づけ
    4. 研究の概略:CO2 を原料とするポリカーボネート製造検討 (CO2 to PC)
    5. CO2 to PC研究スケジュール
  2. ポリカーボネートについて
    1. 研究目的物のポリカーボネートとは
    2. ポリカーボネート製法 (界面法と溶融法)
  3. DPC製造プロセスについて
    1. 溶融法PC原料であるジフェニルカーボネート (DPC) の工業的製造方法とMGCの目標
    2. CO2とアルコールからのジアルキルカーボネート (DRC) 合成反応の課題
    3. MGCのCO2とROHからのDRC合成反応について
    4. MGCのCO2とROHからのDRC合成反応の研究経緯
    5. 触媒”CeO2”と脱水剤 ”2-シアノピリジン (2-CP)” を使用するDRC合成反応の特徴
    6. MGCの CO2 to DPC, PCプロセス概要
  4. MGCの CO2 to PC プロセス研究 工業化への取り組み
    1. CO2 to DRC 合成プロセス
    2. 脱水剤 (2-CP) 再生プロセス
    3. グリーンイノベーション基金事業を活用した研究の推進
    4. グリーンイノベーション基金事業今後の予定 (実証プラントの建設)
  5. MGCの CO2 to PC プロセス研究 まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 室井 髙城 (室井 高城)
    アイシーラボ
    代表 / 工業触媒コンサルタント
  • 本田 正義
    東京理科大学 工学部 工業化学科
    講師
  • 落合 文吾
    山形大学 大学院 理工学研究科 化学・バイオ工学専攻
    教授
  • 原田 英文
    三菱ガス化学 株式会社 東京研究所 第1研究グループ
    主席研究員

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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