技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書では、新規な高分子膜や無機膜の研究開発、CO2分離やH2分離への応用、カーボンニュートラルの課題解決、さらには各種化学プロセスヘの応用について展望いたします。
前書「エネルギー・化学プロセスにおける膜分離技術」のまえがきにも書いたように、膜分離技術は水処理関連分野ではすでに広く産業界で利用されている。さらに、逆浸透膜に遅れて実用化が始まった気体分離膜や浸透気化分離膜においても、水素回収、天然ガスやランドフィルガスからのCO2 分離、N2 富化、除湿、揮発性有機化合物 (VOC) の空気からの分離、共沸混合物分離などですでに利用されてきた。
これらの分離膜は、分離対象物質のサイズや性質により、精密濾過膜、限外濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜、電気透析膜、気体分離膜、浸透気化分離膜、および医療応用 (人工腎臓膜、ドラッグデリバリー等) に分類出来るが、膜素材はいずれの分野においても高分子膜による実用化が世界中で進んでいる。
さらに1990年〜2000年代には、高分子膜の性能限界をブレークスルーする高い膜性能 (選択透過性) をめざした新しい膜であるゼオライト、シリカ、分子ふるい炭素、金属有機構造体 (MOF) などのサブナノメートルの孔径を有し分子ふるい能を発現できる多孔質無機膜の研究が活発化した。成果として日本発の脱水用ゼオライト膜の実用化がある。前書はこのような背景のもとで刊行された。
一方、これまで分離膜の市場としてCO2分離回収・有効利用・貯留 (CCUS:Carbon dioxide Capture、Usage and Storage) は顕在化していなかったが、CCUSは地球温暖化対策の重要な選択肢の一つと位置付けられ、世界各国でのカーボンニュートラル (CN) への取り組みが加速している。我が国においても2050年ゼロエミッションに向けて、第1章で述べるようにカーボンリサイクル技術ロードマップのCO2分離回収技術ターゲットが2050年から2040年に10年前倒しになり、長期CCSロードマップも制定されて2030年にはCO2の分離回収設備の市場も顕在化する。このように、CCUS技術の実用化に向けて大きな課題であるCCUSコストの低減のために、低コスト、省エネルギーなCO2分離膜の技術開発、社会実装が進められようとしている。
本書はこのような背景のもと、新規な高分子膜や無機膜の研究開発、CO2分離やH2分離への応用、カーボンニュートラルの課題解決、さらには各種化学プロセスヘの応用について展望する。執筆は各分野の先導的な研究者にお願いし、最近の重要な研究成果を新たに詳述あるいは前書に引き続いて記述していただいた。今後、膜分離はますますその重要性を増し、多くの研究者をひきつけるものと考えられる。本書が前書同様にこれから研究開発を展開しようとする研究者にとっても有益なテキストになることを確信している。
(喜多英敏「まえがき」)
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