技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

PIC/SおよびFDA査察におけるデータインテグリティ (データ完全性) 不適合指摘とその対応

MHRAガイダンスをふまえたER/ESとCSV

PIC/SおよびFDA査察におけるデータインテグリティ (データ完全性) 不適合指摘とその対応

~「データ完全性」 (Data Integrity) 不適合との指摘がPIC/S、FDA査察で増えている ・ PIC/SとFDAのデータインテグリティ不適合指摘とは~
京都府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、PIC/SとFDAのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘を紹介し、PIC/Sのコンピュータ要件に適合したERES対応とCSV方法を体系的に説明いたします。

開催日

  • 2015年11月11日(水) 10時30分 16時30分

修得知識

  • ERES/CSVの基礎
  • 生データの電子化対応
  • データインテグリティ対応
  • FDAのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
  • PIC/Sのコンピュータ指摘とデータインテグリティ指摘
  • PIC/Sのコンピュータ要件
  • MHRAのデータインテグリティ要件
  • 適正管理ガイドラインの解釈と実務対応
  • 適正管理ガイドライン査察への対応

プログラム

 PIC/SおよびFDAの査察において、データインテグリティ不適合 (データ完全性不適合) との指摘が近年目立ち始めている (2013年〜2014年 PIC/S:6件 FDA:18件) 。
 また、MHRA (英国医薬品庁) は2015年1月に「データインテグリティの定義とガイダンス」を発出し、3月に改訂を行った。このガイダンスでは、監査証跡のレビューを含んだデータレビューを求めている。電子生データに対する監査証跡の定期的レビューはもともとPIC/S GMPにおいて求められていたが、MHRAガイダンスにおいて「監査証跡によるデータレビュー」という具体的な要件となった。また、監査証跡がない、あるいは共通ログインしかできないようなシステムを2017年末までに更新するようMHRAガイダンスは求めている。
 PIC/S加盟にともない、我が国のGMPにおいてバリデーション基準が全面改正され、DQの要件化や電子記録変更時の理由記録などが求められるようになった。一方、PIC/S はソフトウェアカテゴリ3に対してDQを求めており、適正管理ガイドラインベースのCSV方法を強化する必要がある。さらにPIC/Sは、生データとする電子記録や監査証跡対象の電子記録を規定し、監査証跡を規則的にレビューするよう求めている。そのためERES指針ベースのERES対応も強化する必要がある。
 本講座では、PIC/SとFDAのコンピュータおよびデータインテグリティに関する指摘、さらにMHRAのデータインテグリティ・ガイダンスを紹介し、PIC/Sのコンピュータ要件に適合したERES対応とCSV方法を体系的に説明する。
 ERES/CSVに馴染みのなかった方にも理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。次に、PIC/SおよびFDAのコンピュータ指摘事例とデータインテグリティ指摘事例を説明し、必要とされるERES/CSV対応レベルの感覚を身につけていただく。また、400スライドを超えるテキストと付録CDに収載する豊富な資料により、日欧米3極のコンピュータ要件について後日の復習やさらなる自習が可能である。
 ERES/CSV対応を体系的に説明するなかで、実例を示しながら以下のような点を具体的に説明する。

  • 電子記録の真正性確保
  • 紙生データ機器からの電子記録取り出しとデータ加工
  • HPLCの紙生データに対するFDA指摘
  • 監査証跡・定期レビューのPIC/S要件とFDA指摘
  • 既存機器/システムのバリデーション
  • HPLCのカテゴリ分類 (HPLCメーカによりカテゴリ分類が異なる)
  • カテゴリ3/4の分類基準とグレーゾーンのバリデーション方法
  • DQおよびシステムアセスメントの位置づけ
  • スプレッドシートのバリデーション方法
  1. 電子記録・電子署名の基礎
    • 真正性、見読性、保存性、監査証跡
    • オープンシステム、デジタル署名
  2. 生データの電子化対応
    • 紙生データHPLCに対するFDAコンピュータ指摘
    • 生データと監査証跡対象の規定
    • バックアップとアーカイブ
  3. CSVの基礎
    • バリデーションのVモデル
    • DQとリスクアセスメント
    • トレーサビリティマトリクス
  4. GAMP 5のポイント
    • カテゴリ混在時のバリデーション
    • 基盤ソフトウエアのバリデーション
  5. コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
    • コンピュータ査察の基本方針
    • 既設システムのバリデーション
    • 機器/装置のバリデーション
    • 開発計画書
  6. FDA Part 11 規則とガイダンス
    • Part 11の査察方法
  7. FDAのコンピュータ指摘107件の紹介
    例:
    • スプレッドシート (エクセル) をバリデートしていない
    • サンプル数をエクセルで管理しているがその真正性を証明できない
    • クロマトグラム生データを削除できてしまう
    • 監査証跡をチェックした記録がない
    • HPLCの電子生データが残されていない
    • 共有ID/パスワードによる運用となっている
  8. PIC/SとFDAのデータインテグリティ不適合指摘
    例:
    • 良い結果が出るまで試し分析を繰り返している
    • 試し分析結果のクロマト生データを削除している
    • 試し分析を機器使用台帳に記録していない
    • メソッドをだれでも変更できてしまう
    • 電子記録の変更を監査証跡により監視していない
  9. PIC/Sのコンピュータ要件
    例:
    • 監査証跡の規則的レビュー (Annex 11)
    • 生データとする電子記録を規定 (PIC/S GMP)
    • 監査証跡対象の記録を規定 (査察官向けガイダンス)
    • カテゴリ3に対するDQ (Annex 11)
    • 待避データの見読性維持 (Annex 11)
    • エクセル・スプレッドシートの管理 (EMA Q&A)
  10. MHRAのデータインテグリティ・ガイダンス
    • ALCOA原則
    • 監査証跡によるデータレビュー
    • 共通ログイン
    • フラットファイルなど
  11. FDA指摘への対応事例
    • 監査証跡のレビュー
    • HPLCの電子記録維持
    • 質疑応答
      • CSV/ERESに関し、日常の業務において困っていることや疑問などにお答えする。
  • ERES:Electronic Records, Electronic Signatures (電子記録、電子署名)
  • CSV:Computerized System Validation (コンピュータ化システムバリデーション)

講師

  • 望月 清
    合同会社 エクスプロ・アソシエイツ
    代表

会場

京都リサーチパーク

西地区4号館 2F 2-A

京都府 京都市 下京区中堂寺南町134
京都リサーチパークの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/13 英文メディカルライティング基礎講座 オンライン
2024/12/13 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/16 試験検査室管理におけるOOS/OOT対応とサンプリング実施のポイント オンライン
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 医療機器におけるソフトウェアバリデーションのポイント オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 GMPが空調設備に求める交叉汚染防止要件とその管理 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/18 GMP省令改正に対応した供給者管理の留意点 東京都 会場・オンライン
2024/12/18 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2024/12/18 バリデーション入門講座 オンライン
2024/12/18 コンピュータシステムバリデーション (CSV) で要求される各規制・ガイドラインの理解 オンライン
2024/12/18 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策