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二酸化炭素の分離・回収技術動向と今後の展開

二酸化炭素の分離・回収技術動向と今後の展開

~CCSの経済性と化学吸収法、吸着法、膜分離法の技術動向~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年2月17日(月) 10時30分16時30分

プログラム

第1部 CCSを巡る政策・技術動向と課題

(2014年2月17日 10:30〜11:40)

 CCSの概要を示すとともに、CCSをめぐる環境の変化、政策、技術、プロジェクトの動向について紹介し、最後に課題を確認する。課題の中で、経済性についても触れる。これらを通じて、CCSの現状について総合的な理解を深めることを目的とする。

  1. 初めに
    1. CCSとは
    2. 温暖化対策におけるCCSの位置づけ
  2. CCSをめぐる状況
    1. IPCC特別報告書
    2. 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories
    3. Carbon Sequestration Leadership Forum: CSLF
    4. G8
    5. IEA Technology Roadmap
    6. Global CCS Institute
  3. CCSの構成と技術オプション
    1. 回収
    2. 輸送
    3. 貯留
  4. 世界の動向
    1. 北米
    2. 欧州
    3. オセアニア・アジア
  5. CCSプロジェクト
    1. 実施プロジェクト
    2. 実施予定プロジェクト
    3. 中止プロジェクト
  6. CCSをめぐる課題
    1. コスト:経済性
    2. インセンティブ・クレジット
    3. 規制
    4. 社会受容性
  7. まとめ
    • 質疑応答

第2部 CCSの動向、エネルギィーの動向がCCSに与える影響、及び化学吸収法によるCO2回収技術

(2014年2月17日 12:40〜13:50)

最近世界の温暖化対策が停滞している状況にあるが、その根本原因と米国を中心としたシェールガス革命がCCSに与える影響を論じ、三菱重工の化学吸収法によるCO2回収技術とその実績を解説する。

  1. 世界の温暖化対策の動向
  2. CCSの現状
  3. シェールガス革命がエネルギィー、CCSに与える影響
  4. 三菱重工のCO2回収技術とその実績
  5. 今後予想される展開と我が国企業の方向性
    • 質疑応答

第3部 高炉ガスCO2分離技術とゼオライトを用いた大規模PSAシステムの開発

(2014年2月17日 14:00〜15:10)
 
 炭酸ガスによる地球温暖化が、全世界の大きな問題となって顕在化している。国内の炭酸ガス排出量の内、製鉄業は15%を占めている。このため、炭酸ガス排出量の削減は、製鉄業にとって重要な課題である。鉄鋼連盟では、環境調和型製鉄プロセス開発 (COURSE50) プロジェクトを2008年から開始し、2030年までに炭酸ガス排出量を30%低減する技術を開発中である。
 本講座では、このCOURSE50プロジェクトの一部である、高炉ガスからのPSAによるCO2分離技術について解説したい。従来PSAは高純度の高価なガスを得る手段として普及している。一方、本開発では、価値の少ない、しかし年間数百万トンという膨大な量のCO2を分離するため、回収費用を如何に低減するかが大きなカギとなっている。そこで、これまでのPSAとは異なる考え方を導入し、回収費用の低減を進め、実機イメージを構築するまでにこぎつけた。本講座では、これらの経緯について、詳細に解説する予定である。

  1. 炭酸ガスの収支について
  2. 製鉄業とCO2削減技術開発
  3. COURSE50プロジェクト
  4. PSAシステムについて
  5. 吸着剤の選定
  6. ラボPSA試験
  7. ベンチプラント (ASCOA-3) 試験
  8. 炭酸ガス回収コストの検討
  9. 吸着層内の温度分布と温度変動
  10. 実機PSAプラント・イメージ
  11. まとめ
    • 質疑応答

第4部 膜を用いたCO2の分離・回収技術とCCSへの利用 (仮)   (2014年2月17日 15:20〜16:30)

 低炭素化社会の構築のために、製造業においては各工場におけるプロセス全般の効率化や低環境負荷型プロセスへの移行が必要になっている。特に分離プロセスにおいて大量のエネルギーを消費することから、新エネルギー・省エネルギー関連技術として膜分離プロセスが注目されている。
 本講座では、地球温暖化問題と関係が深いCO2 の膜分離システムの開発の現状について解説する。CCSに適用可能な工場排ガスや火力発電所におけるCO2分離膜システムの開発のほか、メタンや水素との分離ニーズに適用可能な高性能なCO2 分離膜の研究開発は、世界規模の新市場の出現につながり、我が国の資源・エネルギー制約の克服と、新たな産業の創成、雇用の創出を可能にする「グリーンイノベーション」の先導として期待されている。

  1. CO2分離回収・貯蔵システムと膜分離
  2. 膜分離技術の特徴
  3. 膜による気体分離
  4. CO2の膜による分離について
  5. 有機高分子膜における新しい展開
    1. Mixed Matrix Membrane
    2. TRポリマー
  6. 無機膜による分子ふるい
    1. ゼオライト膜
    2. 分子ふるい炭素膜
    3. シリカ膜
    4. MOF膜
  7. 促進輸送と液膜の進歩
  8. 膜分離プロセスの省エネルギー性
  9. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 板岡 健之
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 エネルギーアナリシス研究部門
    教授
  • 飯嶋 正樹
    三菱重工業 (株)
    執行役員フェロー
  • 斉間 等
    JFEスチール 株式会社 スチール研究所 環境プロセス研究部
    部長
  • 喜多 英敏
    山口大学 大学院 理工学研究科 環境共生系専攻
    教授

会場

芝エクセレントビル KCDホール

B1F

東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
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主催

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