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ベーパーチャンバーの高熱伝導化、設計と実装技術

ベーパーチャンバーの高熱伝導化、設計と実装技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、パワーデバイス、AIチップ、サーバー、携帯端末での冷却要求性能に応えるため、ベーパーチャンバーについて基礎から解説し、発熱源の微細化、局所化や小型化、薄層化への対応を解説いたします。

開催日

  • 2025年9月29日(月) 9時50分16時50分

受講対象者

  • 放熱設計に携わる設計者
  • 今後、放熱技術に取り組む技術者
  • 相変化系放熱デバイスの開発に取り組むデバイス技術者
  • 放熱材料の性能向上で課題を抱えている方
  • べーパーチャンバーの活用、評価等に携わる技術者
  • 電気・電子機器の放熱設計に携わる技術者
  • 放熱技術動向を調査している企画担当者
  • 以下、関連する技術者
    • ICの熱設計者
    • ICパッケージ技術者
    • パッケージ材料
    • パッケージ工程装置
    • 冷媒

修得知識

  • 相変化系デバイス (サーモサイフォン、ヒートパイプ、ベーパーチャンバー、ループヒートパイプ) の内部構造と動作特性
  • べーパーチャンバーの構造、動作原理
  • べーパーチャンバー実用事例
  • べーパーチャンバーの評価手法
  • べーパーチャンバーの動作原理
  • ベーパチャンバーを用いた高発熱密度電子機器冷却技術
  • サーマルマネジメント技術
  • ヒートパイプおよびベーパーチャンバーの熱力学による理解
  • ベーパーチャンバーに係るICの放熱方法
  • Jumping Droplet現象を利用した熱制御
  • Jumping Dropletを活用したベーパーチャンバーの開発

プログラム

第1部 ベーパーチャンバーの技術動向と開発動向

(2025年9月26日 09:50〜11:00)

 相変化デバイスとしてヒートパイプはその伝熱性能と高い信頼性から、幅広い製品で使われてきた。しかし携帯端末向けとしては薄型化に限界があり、それに変わって2020年ごろから中華系メーカーを中心として薄型ベーパーチャンバーが広く採用されるようになってきた。携帯端末向けのベーパーチャンバーは、各社が薄型化を追求した結果、現在0.3ミリ厚近辺が主流になったが、一方で更なる薄型化を追求した製品や、一層の高性能化を目指した製品も見られるようになり、依然として開発状況は活況を呈している。ベーパーチャンバーの動作原理はヒートパイプとほぼ同様であるが、多くの相違点もあり、違いをよく理解した上で使用したい。
 本セミナーはそれぞれの内部構造と動作原理を説明したのち、実際の製品における使用例を詳しく解説する予定である。

  1. ベーパーチャンバーおよびヒートパイプの基本構造と動作原理
    1. サーモサイフォンの動作原理
    2. ヒートパイプの動作原理
    3. ウィック構造
    4. ヒートパイプの諸特性
    5. ヒートパイプの搭載例
    6. ヒートパイプとベーパーチャンバーの特性を比較
  2. ベーパーチャンバーの製品における搭載例
    1. 携帯端末における搭載例
    2. グラフィックボードにおける搭載例
    3. ゲーム機器における搭載例
  3. ベーパーチャンバーの進化
    1. 更なる薄型化
    2. ループヒートパイプ
    • 質疑応答

第2部 べーパーチャンバーの基礎技術と活用方法

(2025年9月26日 11:10〜12:20)

 べーパーチャンバーは様々な用途での、採用検討が進められている、最も“旬”な、冷却部品と申しても、過言ではありません。しかしながら、その技術的な認知度は低く、中には銅板と同様の取り扱いをされる事例も散見されます。採用検討を実際に担当される技術者、選定 (評価) 中の技術者、熱でお困りの技術者のみなさまのお役に立てるお話をわかりやすくお伝えすることを目的にご説明します。

  1. べーパーチャンバーとは
  2. 構造
  3. 動作原理
  4. 実用事例
  5. 評価時の注意点
  6. アプリケーション
  7. まとめ
    • 質疑応答

第3部 べーパーチャンバーを用いたサーバ用チップ冷却ユニットの開発

(2025年9月26日 13:00〜14:10)

 ベーパチャンバーは内部作動液の潜熱を利用した熱輸送機器であり、電子機器冷却用途として注目されております。特に高発熱密度のサーバー用チップ冷却ユニットとして利用が見込まれております。
 本講座ではベーパチャンバーの構造・原理について解説いたします。また、サーバー用ベーパチャンバー空冷、水冷ユニットの冷却性能と設計方法について説明し、冷却ユニットとして期待される要求性能について解説いたします。

  1. べーパーチャンバーについて
    1. 電子機器の冷却技術
    2. べーパーチャンバーの基本原理
    3. べーパーチャンバーの内部構造
    4. べーパーチャンバーの性能計算
    5. べーパーチャンバー冷却ユニットの構成と比較
  2. 空冷べーパーチャンバー冷却ユニット
    1. サーバー向け空冷ユニットに求められる要求性能
    2. サーバー向け空冷ユニットの構造
    3. サーバー向け空冷ユニットの性能評価
  3. 水冷べーパーチャンバー冷却ユニット
    1. サーバー向け水冷ユニットに求められる要求性能
    2. サーバー向け水冷ユニットの構造
    3. サーバー向け水冷ユニットの性能評価
  4. べーパーチャンバーの信頼性と今後の展望
    1. べーパーチャンバーの信頼性要求と評価結果
    2. サーバー向け冷却ユニットの今後の展望
  5. まとめ
    • 質疑応答

第4部 MEMS技術を用いた超小型なベーパーチャンバーの開発

(2025年9月26日 14:20〜15:30)

 発熱源になっているICのトレンドを勘案すると、ベーパーチャンバーは放熱の効率、小型薄層化の容易性、また循環ポンプが不要なことから、今後一層、適用が広がると考えられる。本講座では、とくにベーパーチャンバーのMEMS適用について、発熱源の微細・局所化に対応する観点から、ベアダイを直接冷却することも想定して解説をする。

  1. ベーパーチャンバーの背景
    1. ベーパーチャンバーの市場とプレーヤー
    2. ベーパーチャンバーの用途
    3. モバイル機器とベーパーチャンバー
  2. 放熱の原理
    1. ヒートパイプの熱力学
    2. ベーパーチャンバーの放熱
  3. ICの放熱
    1. システムLSIのロードマップ
    2. ICパッケージのロードマップ
    3. ICの放熱システム
  4. MEMSベーパーチャンバー
    1. なぜMEMS
    2. MEMSベーパーチャンバーの構成
    3. MEMSベーパーチャンバーによる放熱
  5. MEMSベーパーチャンバーのその先
    1. オーガニックランキンサイクル
    2. MEMS発電システム
    3. MEMS冷凍システム
    • 質疑応答

第5部 ベーパーチャンバーを用いた高密度実装技術

(2025年9月26日 15:40〜16:50)

 最新AIチップ、ゲーミングPC、次世代パワーデバイスなど、電子デバイスの高性能化に伴い高発熱密度の処理が重要な課題となっています。特に小型・軽量で薄型化が要求される分野では、「ベーパーチャンバー」が有望な冷却技術として注目されています。宇宙機器の開発においてもデバイス冷却は課題とされますが、ベーパーチャンバーを適用するためには微小重力環境でも地上同様に安定動作することが求められます。
 本講演では、超撥水面においてマイクロ液滴が自発的に飛び跳ねる凝縮現象「Jumping droplet」を応用し、宇宙機向けに開発したベーパーチャンバー技術について解説します。また、この技術を用いた高集積デバイス実装に向けた最新研究についても紹介します。

  1. はじめに
    1. 電子デバイスの高性能化に伴う熱管理の課題
    2. 宇宙機器における放熱・熱制御の重要性
  2. ベーパーチャンバーの研究動向
    1. ベーパーチャンバーの動作原理と構造
    2. ベーパーチャンバーの応用事例
  3. Jumping droplet現象を利用した高度な熱制御技術
    1. Jumping dropletの発現メカニズム
    2. Jumping dropletを誘発する機能性表面の製造技術
    3. 凝縮液滴の高度制御と冷媒循環技術への応用
  4. Jumping Dropletを活用したベーパーチャンバーの開発
    1. ベーパーチャンバーの製造方法
    2. 冷却性能の評価試験および結果
  5. ベーパーチャンバーの技術展望と応用拡大に向けた取り組み
    • 質疑応答

講師

  • 柴田 博一
    株式会社ザズーデザイン
    代表取締役
  • 山本 勝彦
    Connect design office株式会社
    代表取締役
  • 萩野 春俊
    株式会社フジクラ 電子部品・コネクタ事業部門 サーマルテック開発グループ
    アシスタントマネージャー
  • 内木場 文男
    日本大学 理工学部
    特任教授
  • 馬場 宗明
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 省エネルギー技術研究部門 熱流体システム研究グループ
    主任研究員

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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