技術技能伝承においてもAI、IoT、DXが急進しています。しかしテクノロジーを最大限に活かすには良質なデータが必須です。最近よく耳にするDXの失敗例としては次のようなものがあります。既存データは古い、暗黙知が散在、取りあえずのヒアリング、システムありきで物事を進め、何らかのテクノロジーとして形になる、形にはなったが実用的でない、使い勝手がわるい、使えない…企業ではこのような状況がテンプレートのように起きています。
　熟練者が長年の経験で培った暗黙知 (勘・コツ・知恵) を引き出さないことには、何も始まりません。ファンクショナル・アプローチ (FA) の利点は、ノウハウ抽出数が飛躍的に向上、ノウハウの質を高め、効果的に暗黙知を引き出すことを実現します。
　一言でいうと、短時間で一気に、質の高いノウハウを沢山引き出す、これが醍醐味!その最大の要因は、機能にアプローチすることにあります。熟練者は、長年の修練・精進から鋭く物事の本質を掴み、脳内で最適なプロセスを組立て、頭やカラダに暗黙知として保有しています。これを機能で捉え、機能で展開することで、熟練者の暗黙知、見えなかった 思考プロセス を系統立って形式知化することが可能となります。
　目に見えない暗黙知を捉えるには、FAは条件に適う性質を持っています。 (人工知能学会 暗黙知研究論文FA効果立証より)
　最近FAを実施するお客様の殆どは、FA効果測定を希望されます。FA効果測定の結果から、徐々に社内、全社にと展開されるケースが増えております。
　本セミナーでは、FAを活用した暗黙知の効果的な引き出し方をわかりやすくご説明いたします。機能の捉え方、暗黙知の深掘りの仕方、若手が行動に移すことができるノウハウ (定量・定性の観点) を演習で学べる内容となっております。暗黙知の形式知化具体的事例、引き出した知識のテクノロジーでの活かし方、AI継承事例をご紹介します。

1. Introduction
   • 演習: 暗黙知診断
2. 技術技能伝承がなぜ必要か
   • 取り巻く環境
   • 継承が進まない理由
   • 企業のよくある悩み (会社/若手/熟練者/部門間)
   • 演習: 暗黙知を引き出す意義について考える
3. 暗黙知とは何か
   • 暗黙知と形式知
   • 勘・コツ・知恵
   • 暗黙知の種類「暗黙知の窓」
4. ファンクショナル・アプローチ
   • ファンクショナル・アプローチとは
   • ファンクショナル・アプローチ暗黙知法
5. 暗黙知の形式知化
   • 暗黙知表出化 3つのステップ
   • FA暗黙知抽出法の道具
6. 機能に着目
7. つの機能と機能表現
   • 演習: ノウハウ継承が必要な業務の機能を考える
   • 暗黙知 左手の法則
   • 演習: 暗黙知の深掘り
8. 仮説を立てる
   • 仮説思考力を高める「逆説・ギャップ・ダメ克」
   • 演習: 暗黙知を引き出すための仮説を立てる
   • 機能系統図の作り方
   • ノウハウ抽出シートの使い方
   • ノウハウを抽出する際「定量・定性の観点」
9. 暗黙知を引き出す
   • 演習: ファンクショナル・エンゲージメント
   • 暗黙知を耳で聞く/口で訊く/心で聴く
   • 機能質問/ナレッジヒアリング
   • 言語化、マニュアル化
   • 演習: 若手が行動に移すためのノウハウ/形式知化の留意点
   • 抽出したノウハウを「形式知化シート」に記載 ※テキストデータ化
10. FA効果/事例
11. 知識技術の蓄積
• 質疑応答