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大気中CO2の直接回収技術 (DAC) とその材料、プロセス開発

大気中CO2の直接回収技術 (DAC) とその材料、プロセス開発

~大気中のCO2を直接分離、回収する注目技術 / 低濃度のCO2を回収する最新技術や課題、今後の展望までを詳解する~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、大気中のCO2の分離・回収技術を基礎から解説し、低濃度のCO2を回収する最新技術や課題、今後の展望までを詳解いたします。

開催日

  • 2021年12月23日(木) 10時30分 17時00分

プログラム

第1部 CO2分離回収技術の研究動向と空気中CO2回収技術の展望

(2021年12月23日 10:30〜11:50)

 これまでCO2分離・回収の対象は火力発電所からの排ガスが中心であったが、最近注目・期待されているのが空気中のCO2の直接回収技術 (DAC) である。400 ppmという低濃度のCO2を空気中から回収するには、吸収力の大きいアミン系化合物が最適であり、アミン系液体、固体による回収技術が開発されている。DAC技術の基礎と現状を解説する。

  1. CO2分離回収技術の開発動向
    1. 各種CO2分離法の特徴と適用範囲
    2. 吸収法
    3. 吸着法
    4. 膜分離法
  2. CO2分離回収のためのアミン系物質の性能
  3. 空気中のCO2回収技術 (DAC) の展望
    1. アミン系固体吸収材による濃縮・回収技術
    2. アミン系液体膜によるCO2濃縮空気供給装置
    • 質疑応答

第2部 アミン系化合物による大気中CO2の選択的吸収剤の開発

(2021年12月23日 12:40〜14:00)

 CO2削減技術として、大気中のCO2を回収するDAC技術に注目が集まっている。CO2回収方法としては、アミンを用いた化学吸収法がある。従来、アミンは親水性基、炭酸水に代表されるようにCO2は水溶性のため、アミンとCO2における反応では含水することが常識であった。しかしながら、含水は、CO2の加熱放出時に水加熱分の余分な熱エネルギーを必要とし、ボトルネック課題であった。以上の背景の元、我々は、大気中の水分を含まずCO2を選択的に回収する技術を開発するに至った。本技術により、水加熱分の余分なエネルギーの削減が可能である。また、条件によってはCO2のみを回収することができるため、放出時には高純度のCO2を得られる。本発表ではその経緯を含め、我々の技術について紹介する。

  1. CO2回収技術
    1. CCSDAC 技術について
    2. CCSとDACの違い、メリットとデメリット
  2. 低分子アミンを利用したDAC手法の開発
    1. 開発経緯
    2. 化学吸収法の課題抽出
  3. 水分を分離可能なDAC技術の開発
    1. 概念技術の獲得経緯
    2. 応用技術の最新情報について
    • 質疑応答

第3部 冷熱を利用した大気中CO2直接回収技術

(2021年12月23日 14:10〜15:30)

 燃焼排ガス中のCO2分離回収技術として、排ガスを冷却しCO2を液化あるいは固化して、他の成分と分離する方法が有る。これまで様々なプロセスが提案されているが、これらに共通するのは、分離対象ガス全体を冷却して、CO2をドライアイスあるいは液化炭酸として分離する方法である。これらは、投入する冷熱を有効利用する視点からは、集めたいCO2以外の成分 (窒素など) にも冷熱を与えなければならず、非効率的と思われる。
 本講演では、まず、従来型の分離対象ガス全体を冷却するCO2回収システム開発のうち、実用化に向けて開発が進んでいる有望な技術を選び解説する。次いで、名古屋大学が提案する排ガス中や大気中のCO2を、化学吸収法により吸収液に濃縮し、そこからCO2を回収する過程においてLNGの排冷熱を活用する新しい省エネルギーCO2分離回収システムについて解説したい。

  1. CCC (Cryogenic Carbon Capture)プロセス
  2. クライオジェニックポンピングによる圧力スイング型化学吸収法による低濃度CO2の分離回収
    1. プロセスの概要
    2. 燃焼排ガスを対象とするCryo-Capture
    3. 冷熱を利用する大気中CO2直接回収 Cryo-DAC
    4. Cryo-DACを想定した大気中CO2吸収塔の概念設計
    • 質疑応答

第4部 DAC技術への応用に向けたCO2吸収セラミックス

(2021年12月23日 15:40〜17:00)

 本講演では,熱に強いセラミックスならではの中温~高温域でのCO2吸収特性をまずは取り上げつつ,いくつかのセラミックス材料の室温におけるCO2吸収特性に及ぼす因子に焦点をあてた研究例を紹介する。また,CO2吸収反応を利用したセラミックス材料の機能化について紹介する。

  1. ケイ酸塩化合物のCO2吸収
    1. 高温域でのケイ酸塩化合物のCO2吸収
    2. ケイ酸塩化合物の室温CO2吸収
  2. 金属酸化物のCO2吸収
    1. 中温域での金属酸化物のCO2吸収
    2. 金属酸化物の室温CO2吸収
  3. 層状複水酸化物のCO2吸収
    1. 層状複水酸化物の室温CO2吸収
    2. CO2吸収による層状複水酸化物の発光特性
  4. CO2を利用したセラミックス微粉末の合成
    1. CO2吸収から得られる金属酸化物微粒子
    2. CO2吸収から得られる金属炭酸塩と発光特性
    • 質疑応答

講師

  • 伊東 章
    東京工業大学
    名誉教授
  • 稲垣 冬彦
    神戸学院大学 薬学部
    教授
  • 則永 行庸
    名古屋大学 大学院 工学研究科 化学システム工学専攻
    教授
  • 柳瀬 郁夫
    埼玉大学 大学院 理工学研究科
    准教授

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

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    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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