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自社保有技術の棚卸しと「コア技術」の明確な設定&強化手法

自社保有技術の棚卸しと「コア技術」の明確な設定&強化手法

~自社の現状保有技術の棚卸しからコア技術による製品アイデア抽出法 / コア技術を選定・設定・評価する基準とプロセス / 長期的・継続的に収益拡大に寄与する為に顧客視点で考えるコア技術戦略の全貌~
東京都 開催 会場 開催 演習付き

開催日

  • 2016年11月18日(金) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 技術の棚卸
  • コア技術の設定法
  • コア技術の強化法

プログラム

 コア技術設定は自社の技術戦略の要となる、極めて重要な戦略的な意思決定です。また、近年オープンイノベーションに取組む企業が多くなっており、コア技術の設定は、オープンイノベーションの大前提です。しかし、大企業を含めて多くの企業において、個別製品での重要技術の設定にとどまり、長期に渡り自社として新規事業を含め事業の成長の根幹とし今後とも継続的な強化が必要とされるような技術、すなわちコア技術は明確に設定されていません。このような企業においては、1つ1つの技術開発に大きな不確実性を抱え、加えてますます大きな投資が必要となる環境下において、技術戦略が不在もしくは不備と言われてもしかたがありません。
 本セミナーにおいては、コア技術を明確に定義し、その定義に基づきコア技術を設定する方法論、すなわち、どのような評価基準でコア技術を設定するのか、そしてどのようなプロセスでコア技術の設定を行うかを学んでいただきます。前者については、コア技術を長期的かつ継続的に自社の収益拡大に直接的に寄与する視点から、複数のコア技術の選定軸を提示し、コア技術を定義します。後者においては、自社の現状の保有技術の棚卸を最初に行います。技術の棚卸とは、自社が全社として保有する技術はどのようなものなのか、それは自社の他社との相対的な技術水準を含め、どのような特徴を持つのかにより、自社の保有技術を俯瞰的に捉えることを目的として進めるものです。また最後には、どうコア技術を継続的に強化していのかについても、議論をします。他の参加者の方々とグループを編成し、グループ単位で技術の棚卸および評価の演習を共同で行い、理解を深めていただきます。

  1. 最初に
    1. コア技術の定義
    2. コア技術設定の難しさ
      • クレハ・富士フイルムの例
    3. コア技術設定の目的
      • 長期的・継続的収益の拡大
    4. コア技術設定上の注意点
      • 機械的に設定できるものではない
  2. コア技術設定の重要な拠り所:「価値づくり」
    1. コア技術によってどう長期的・継続的に収益拡大を実現
    2. なぜ「価値づくり」か?
    3. ものづくり vs. 価値づくり
    4. 「価値づくり」の定義
    5. 「価値づくり」とコア技術の関係
    6. ものづくりとコア技術戦略の相違
    7. 「価値づくり」のための三位一体の研究開発
  3. コア技術とは
    1. コア技術戦略
    2. 「範囲の経済性」実現手段としてのコア技術戦略
    3. 企業の屋台骨としてのコア技術戦略
    4. コア技術マネジメントの方向性
    5. 技術戦略の根幹
    6. 長期的視点でのコア技術の変更とコア技術間のシナジー追求の必要性
  4. コア技術設定の企業事例
    1. コア技術設定の企業事例
      • 3M
      • クレハ
      • 富士フイルム
      • 東レ
    2. コア技術のその他の定義
  5. コア技術の選定軸
    1. コア技術の選定軸
    2. コア技術の選定軸の背景
    3. 「自社の独自性追求」軸の設定の注意点
  6. コア技術設定の全体プロセスと注意点
    1. コア技術設定の全体プロセス
      • ステップ1:技術棚卸の大分類の設定
      • ステップ2:技術棚卸素案の設定
      • ステップ3:各部門でのマクロ環境分析と技術棚卸素案の修正と評価
      • ステップ4:各部門での追加・評価した技術の統合と全社視点でのマクロ環境分析の補強
      • ステップ5:ステップ4に基づくコア技術の設定
    2. 注意点
      • その1:自社保有技術を広く俯瞰する
      • その2:世の中の技術全体に目を向ける
      • その3:コア技術は未来志向で設定する
      • その4:長期的な全社の継続的成長の視点を持つ
  7. ステップ1:技術棚卸の大分類の設定
    1. 技術の棚卸のための大分類の設定の目的
    2. 技術の棚卸の大分類の設定事例
    3. 技術を「機能」で表現するについて
  8. ステップ2:技術棚卸素案の設定
    1. 技術の棚卸設定のワークシート
    2. ステップ2はあくまで叩き台
  9. ステップ3:各部門でのマクロ環境分析と技術棚卸素案の修正と評価
    1. 技術棚卸素案の各部門での修正と評価
      • 将来の市場から想定し現在自社にない技術も含める
    2. 評価項目の全体像
    3. 評価項目の「コア技術の選定軸」との関係
    4. 評価項目①:顧客提供価値の大きさ
      • その意味
      • 顧客価値の前提となる顧客ニーズ
      • 顧客価値拡大の網羅的視点:VACESモデルの必要性とその説明
    5. 評価項目②:適用範囲の広さ
      • その意味
      • 事業ドメインの必要性
      • 技術の適用範囲を認識する方法:要素技術機能展開法
    6. 評価項目③:公式の技術戦略上の位置付
    7. 評価項目④:技術水準
      • 自社の技術水準を評価する視点
      • 注意点:完全な客観性は求めない
    8. 評価項目⑤:技術成熟度
      • その意味
      • 技術成熟度評価のガイドライン
  10. ステップ4:各部門での追加・評価した技術の統合と全社視点でのマクロ環境分析の補強
    1. 各部門での修正・追加・評価した技術の統合
    2. 各部門で実施したマクロ環境分析の統合と全社視点での再検討
  11. ステップ5:ステップ4に基づくコア技術の設定
    1. コア技術設定の2つのタスク
    2. タスク1:グループ化によるコア技術候補の設定
      • グループ化の意味
      • グループ化の視点:どんな括りでも構わない
      • 未来志向の重要性
      • 技術の重複についての考え方
      • 機械的作業ではない
    3. タスク2:コア技術候補の評価・選択
      • 評価法の例
      • 評価体制
  12. コア技術を利用した製品アイデア抽出法 (参考)
    • 要素技術機能展開法 (抜粋のみ)
  13. コア技術の強化法
    1. コア技術の強化法:発信・取込み・活動・共有化モデル『BIRDS』
    2. 発信
      • ウェブサイト利用
      • 富士フイルムの例:オープンイノベーションハブ
      • ホンダのテクノロジーメールニュース
      • 技術コミュニケーション体制
    3. 取込
      • オープンイノベーション
      • オープンイノベーションで既存コア技術を強化した例 (オリンパス等)
      • 新たなコア技術をオープンイノベーションで構築した例 (コンチネンタル等)
    4. 活動
    5. 共有化
      • 共有化の企業事例 (3M、村田製作所、東レ等)
      • 非公式のネットワークの重要性
  14. (演習) 技術の棚卸と技術の評価:自転車を例に
  15. 最後に
    • 質疑応答

講師

  • 浪江 一公
    ベクター・コンサルティング 株式会社
    代表取締役

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第3講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
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  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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