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粘弾性挙動のマスターカーブ作成とその活用

粘弾性挙動のマスターカーブ作成とその活用

~材料特性や寿命の評価、加工トラブルの原因把握~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年10月17日(月) 10時00分17時00分

受講対象者

  • プラスチック製品の設計担当者
  • プラスチック製品の品質保証担当者
  • プラスチック関連の技術開発者

修得知識

  • プラスチックの基本特性である粘弾性挙動の基礎
  • 成形不良の要因となる粘弾性挙動の影響
  • 粘弾性挙動の時間-温度換算則の基礎
  • 粘弾性挙動のマスター曲線の作成
  • マスター曲線を用いた強度、変形の長期予測法

プログラム

第1部 粘弾性挙動のマスター曲線の作成方法と活用方法

(2016年10月17日 10:00〜14:45)

 高分子材料は、力学的挙動に時間並びに温度依存性つまり粘弾性挙動を示すことから、使用中に強度低下や変形が経時的に 進行し、これに伴って不具合を生ずることが多く見受けられます。プラスチック製ネジを使用し、任意のトルクで締結した状態で放置した場合に応力緩和挙動に伴って使用後にゆるみが生ずる現象や、任意の錘を支えるような使用の場合にクリープ挙動に伴って変形が進行するといった現象は良くある事例で、これらの現象は粘弾性挙動によるものです。
 高分子の力学的挙動の時間依存性と温度依存性の間には、素材によって範囲は異なるが、時間-温度換算則という等価性 (粘弾性挙動のマスター曲線が得られること) が成立します。この粘弾性挙動のマスター曲線を用いることで、加速試験の条件や変形・強度並びに残留応力や残留ひずみの経時的な変化を予測することが可能となります。
 ここでは、高分子材料の力学的挙動に成立する時間-温度換算則の基礎概念を説明するとともに、粘弾性挙動のマスター曲線の具体的な作成方法並びにこのマスター曲線を用いた変形・強度の経時的な変化を予測する手法を平易に説明します。

  1. 粘弾性挙動の基礎とその解釈
    1. 粘弾性と力学モデル
    2. 粘弾性挙動
  2. 粘弾性挙動に伴う特異現象
    1. クリープ変形挙動
    2. 応力緩和挙動
  3. 時間-温度換算則とその解釈
    1. 時間-温度換算則の基礎概念
    2. 粘弾性挙動のマスター曲線の作成方法とその活用方法
  4. マスター曲線を用いたひずみ・応力の経時的変化の予測方法
    • 質疑応答

第2部 粘弾性測定のポイントとマスターカーブの解析

(2016年10月17日 15:00〜17:00)

 レオロジーは、物質の変形や流動を取り扱う比較的新しい科学分野です。原材料から最終製品、石油化学から食品や医薬品など、物質が関与するあらゆるサイエンスやエンジニアリングを横断的にカバーする一般的な概念といえます。使いこなせればレオロジーほど万能で心強い武器はありませんが、一方で専門書には数式が多く、難しく見えて手が出せないという声や、思い切って測定してもデータの妥当性や考察に迷うという意見をしばしば耳にします。
 本講演では数式を極力抑えた上で、講師がメーカーの技術者として経験してきたノウハウや事例を多数示し、即戦力レオロジストの育成を目指します。

  1. はじめに
    1. 実は身近なレオロジー
    2. フロー、静的測定、動的測定の理解
    3. レオメータの仕組みと冶具の使い分け
  2. フロー測定
    1. 様々なフローカーブ
    2. 降伏値の求め方
    3. チクソトロピックループとステップフロー
  3. 熱硬化性樹脂
    1. 典型的な硬化挙動における最低溶融粘度とゲル化点
    2. プロセスウインドウの考え方
  4. 粘着剤
    1. 設計と物性評価の考え方
    2. 温度依存性測定のコツと事例
  5. 熱可塑性樹脂
    1. 平均分子量、分子量分布と周波数依存性の関係
    2. Cox-Merz則とは
  6. その他
    • UV硬化
    • 界面レオロジー
    • マスターカーブなど
    • 質疑応答

講師

  • 新保 實
    株式会社SMS
    代表取締役
  • 髙野 雅嘉 (高野 雅嘉)
    ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社 アプリケーション課
    ケミスト

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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