技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

Z軸 (厚み) 方向、異方性の熱伝導率に優れた放熱材料の設計、応用、熱伝導性評価

Z軸 (厚み) 方向、異方性の熱伝導率に優れた放熱材料の設計、応用、熱伝導性評価

~チップや基板の薄型化や三次元実装への対応、反りや熱膨張の低減、絶縁と放熱の両立 / フィラーの配向性の制御、界面熱抵抗が増大するリスク、熱伝導性評価や可視化の難しさ~
オンライン 開催

開催日

  • 2025年6月18日(水) 10時00分17時10分

受講対象者

  • 機構設計の担当者、管理者
  • 熱設計に携わる方
  • これから熱設計に携わる方

修得知識

  • TIMを選定する上で重要な指標である熱伝導率をどのように捉えるか
  • TIMの熱的挙動に影響が大きい拡がり熱抵抗の概念
  • TIMの熱伝導率に異方性がある場合の使いこなし方
  • Z軸方向性熱伝導材料および熱等方性熱伝導材料の開発
  • 高熱伝導セラミックスフィラーから見た放熱材料の熱伝導異方性制御
  • 熱伝導性CNF材料の開発と放熱用途への展開
  • 放熱材料、熱伝導性材料におけるZ軸方向 (厚み方向)
  • 異方性の熱伝導率測定

プログラム

第1部 熱伝導性材料の概要と熱伝導率の異方性による影響

(2025年6月18日 10:00〜11:30)

 電気・電子機器の消費電力上昇に伴い、幅広い製品にTIM (Thermal Interface Material) が使われるようになってきた。各種用途に応じた多種多様なTIMが市販されているが、その中でも高性能化を図るため、熱伝導率に大きな異方性が存在するTIMの開発が進められている。
 TIMの熱伝導率異方性が、最終的にTIMの熱伝導材料特性に、どのような影響を与えるかを把握することが本講座の目的である。まずはTIMの特性を理解する上での基本的な概要をご理解いただいた上で、実際の製品開発において何に注意して使うべきかを解説する予定である。

  1. TIMをより理解するための伝熱の基礎
    1. 放熱の基本となる熱移動の3要素
    2. 熱伝導とは
    3. 熱抵抗とは
    4. 熱抵抗の直列と並列
  2. TIMの熱的特性
    1. TIMの熱伝導率
    2. TIMの拡がり熱抵抗とは
    3. TIMの拡がり熱抵抗の算出
  3. TIMの熱伝導率異方性をどのように使いこなすか
    1. 異方性がTIMの性能に及ぼす影響
    2. 異方性を活かした使い方
    3. 異方性のあるTIM商品
    • 質疑応答

第2部 Z軸方向性熱伝導材料および熱等方性熱伝導材料の開発とその可能性について

(2025年6月18日 11:40〜12:40)

 半導体の高性能化が進む中、放熱材への期待は増大し、その使用法、施工法を含む要求特性は高いハードルとなっている。 ICチップを基板に取り付ける放熱接着剤が、TIMとして注目されている、本稿では、TIMに適した熱移動に方向性を持った放熱材について解説する。

  1. 開発の経緯
  2. Z軸方向性熱伝導材料および熱等方性熱伝導材料について
  3. 今後の展望、可能性
    • 質疑応答

第3部 高熱伝導セラミックスフィラーから見た放熱材料の熱伝導異方性制御について

(2025年6月18日 13:30〜14:30)

 各種エレクトロニクスデバイスの高性能化に伴って放熱対策が必須となっており、放熱材料へのニーズも増大しているが、放熱材料の熱伝導の異方性があると、その効果に大きく影響する。本講座では、放熱シートや放熱パッドの形で使用される有機/無機コンポジット放熱材料の異方性とその制御技術について解説する。

  1. 各種放熱材料概要
    1. 各種放熱材料の特徴と用途
    2. 有機/無機コンポジット放熱材料について
    3. 高熱伝導セラミックスフィラーについて
  2. 放熱材料における熱伝導異方性制御
    1. セラミックスフィラーの異方性
    2. 放熱材料としての異方性発現
    3. 異方性制御技術
    4. 放熱特性評価方法
    • 質疑応答

第4部 熱伝導性CNF材料の開発と放熱用途への展開

(2025年6月18日 14:40〜15:40)

  1. セルロースナノ材料の伝熱の特徴
    1. 繊維幅に依存する熱伝導性
    2. 集積構造に依存する熱伝導性
  2. 伝熱異方性を持たせたCNF紙材料
    1. 一軸配向による熱伝導異方性
    2. 熱流方向を規定するデザイン
  3. CNF紙の伝熱を制御する因子
    1. 湿度と吸湿の効果
    2. 金属イオンの添加による効果
  4. 切り紙加工による新奇放熱機構
    1. CNF紙のレーザー加工
    2. 切り紙による放熱効果
  5. 炭素繊維を複合した異方的熱拡散フィルム
    1. 3Dパターニング技術
    2. 近接2熱源の熱干渉を防ぐ
    • 質疑応答

第5部 放熱材料、熱伝導性材料におけるZ軸方向 (厚み方向) 及び 異方性の熱伝導率測定について

(2025年6月18日 15:50〜17:10)

 各種の熱伝導率測定方法について概説するとともに、近年増加している熱伝導率の異方性を持つ材料の熱伝導率測定のコツや注意点について解説する。 また、異方性を持つ材料は微細構造をともなうことが多いため、微小領域の熱伝導率を把握するための測定手法についても解説する。

  1. 背景 〜「熱問題」が重要!〜
    1. 熱問題が重要に
    2. 熱移動の三態
      • 伝導
      • 対流
      • 放射
    3. 実際の機器の熱移動形態
  2. 熱伝導率とは何か?
    1. 熱伝導材料が複雑化している
    2. 熱物性値の関係式
      • 熱伝導率
      • 熱拡散率
      • 熱浸透率
    3. 各種の熱伝導材料
  3. 熱伝導率の各種測定方法
    1. 定常法と非定常法
    2. 周期加熱法と熱拡散長
    3. 測定方法を分類する
    4. 各種の測定方法
    5. 参照試料
  4. シート状材料や異方性材料の測定
    1. シート状材料や異方性材料に適した測定方法
    2. 測定事例
    3. 測定方法によって測定結果が変わる?!
  5. 薄膜・微小領域の測定
    1. 薄膜・微小領域に適した測定方法
    2. 測定事例
    3. 薄膜測定の解析方法
    • 質疑応答

講師

  • 柴田 博一
    株式会社ザズーデザイン
    代表取締役
  • 林 裕之
    株式会社KRI スマートマテリアル研究センター ハイブリッドマテリアル研究室
    主任研究員
  • 岡田 拓也 (デンカ)
    デンカ株式会社 電子・先端プロダクツ部門 セラミックス研究部
  • 上谷 幸治郎
    大阪大学 産業科学研究所 自然材料機能化研究分野
    助教
  • 羽鳥 仁人
    株式会社ベテル ハドソン研究所
    副所長

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/6/9 P&IDの作成方法及び、作成時の注意点・記載すべき情報 オンライン
2025/6/11 半導体の封止プロセスと封止材料の基本技術およびアドバンスドパッケージにおける封止技術の動向 オンライン
2025/6/17 放熱ギャップフィラーの特性、選定方法と効果的な使い方 オンライン
2025/6/17 電子機器における防水設計手法 初級編・中級編 2日セミナー オンライン
2025/6/17 電子機器における防水設計手法 (中級編) オンライン
2025/6/19 Excelを用いて体験する伝熱工学 オンライン
2025/6/23 EV / HEV用 主機モータとPCUの冷却・放熱技術 会場
2025/6/24 電子機器・部品の未然防止と故障解析 オンライン
2025/6/24 Excelを用いて体験する伝熱工学 オンライン
2025/6/26 半導体パッケージの伝熱経路、熱モデルと熱設計・シミュレーション技術 オンライン
2025/6/27 放熱/冷却技術の最新動向 オンライン
2025/6/27 半導体パッケージの伝熱経路、熱モデルと熱設計・シミュレーション技術 オンライン
2025/6/30 防水設計手法 (上級編) オンライン
2025/7/3 はんだ接合部の疲労故障および信頼性向上 オンライン
2025/7/7 ヒートパイプ・液冷の技術動向と応用事例 オンライン
2025/7/10 伝熱の基礎と温度計測の留意点 オンライン
2025/7/10 車載電子機器の放熱性を確保するための各種熱設計と封止技術 オンライン
2025/7/11 車載電子機器の放熱性を確保するための各種熱設計と封止技術 オンライン
2025/7/14 伝熱の基礎と温度計測の留意点 オンライン
2025/7/16 電子機器の故障メカニズムと未然防止・故障解析のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/11/29 パワーデバイスの最新開発動向と高温対策および利用技術
2024/9/13 世界のAIデータセンターを支える材料・デバイス 最新業界レポート
2024/8/30 次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例
2021/7/30 電子機器の放熱・冷却技術と部材の開発
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/2/28 伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集
2018/3/30 熱利用技術の基礎と最新動向
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/3/21 目からウロコの熱伝導性組成物 設計指南
2012/9/27 熱膨張・収縮の低減化とトラブル対策
2012/5/20 エレクトロニクス分野へのダイヤモンド応用技術 技術開発実態分析調査報告書
2012/5/20 エレクトロニクス分野へのダイヤモンド応用技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2011/10/3 '12 コンデンサ業界の実態と将来展望
2010/10/1 '11 コンデンサ業界の実態と将来展望
2009/10/10 ヒートポンプ 技術開発実態分析調査報告書 (PDF版)