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ゼオライト分離膜の作製、性能評価とガス分離への応用

ゼオライト分離膜の作製、性能評価とガス分離への応用

~膜の構造、分離機構、性能の支配因子、そしてCO2分離への応用可能性~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年8月1日(火) 10時30分 16時15分

修得知識

  • ゼオライト膜が可能とする分離技術
  • ゼオライト分離膜の作製方法
  • 膜分離特性の評価方法
  • 水の分離方法、ガスの分離方法
  • カーボンニュートラルに向けた分離膜の活用方法
  • 膜と触媒を組み合わせた膜反応器とその効能
  • カーボンニュートラルへ向けての方策の一つとしてのゼオライトの可能性
  • 種々のゼオライト膜のなかにおける高シリカCHA膜の特徴
  • 高シリカCHA膜の省エネ材料、ガス分離材料としての有用性
  • ゼオライト膜の透過機構の基礎
  • 膜透過の分子シミュレーション
  • ゼオライト膜の理想分離係数の予測方法
  • 粒界構造と分離特性への影響に関する分子レベルの理解
  • CHA型ゼオライト膜による二酸化炭素の分離機構に関する分子レベルの理解

プログラム

第1部 ゼオライト分離膜の構造、特性と分離プロセスの開発状況

(2023年8月1日 10:30〜12:00)

 カーボンニュートラルの実現に向けて、製造工程の40%のエネルギーを消費しているといわれる分離技術の革新は避けて通ることができません。
 本講座では、これらに資することが有望なゼオライト分離膜について、作製方法から分離機能、分離プロセスの実際から今後の新プロセス開発への期待までお話しします。

  1. 膜分離の概要
    1. 膜分離とは
    2. 無機分離膜の概要
      1. 無孔質 (緻密) 膜
      2. 多孔質膜
  2. ゼオライト分離膜研究開発の進展
    1. ゼオライト分離膜の概要
      1. ゼオライトとは
      2. ゼオライト膜の誕生と発展
    2. ゼオライト膜の作製方法
      1. 一般的な合成レシピ
      2. 膜の構造と性能の支配因子
      3. 構造、透過分離性能の評価方法
  3. ゼオライト膜による分離技術
    1. 脱水技術
      1. 浸透気化分離:バイオエタノール、イソプロピルアルコール
      2. 正浸透法:水からの微量有害金属等の除去
    2. ガス分離
      1. プロピレン等オレフィンの分離精製
      2. 芳香族炭化水素などの炭化水素分離
      3. 空気分離
  4. 膜反応器 (メンブレンリアクター)
    1. 膜反応器とは
    2. 液相反応への適用例:エステル化
    3. カーボンニュートラル技術する膜反応器の期待
      1. メタノール合成
      2. 逆シフト反応
      3. フィッシャー・トロプシュ合成
    • 質疑応答

第2部 高シリカCHA型ゼオライト膜の特性、性能とガス分離への応用

(2023年8月1日 13:00〜14:30)

 気候変動に関する政府間パネルの第6次統合報告書が提出され、日本においても2050年カーボンニュートラル宣言が出されており、様々な施策が行われている。カーボンニュートラル社会を実現するためには、多くの技術の開発、組み合わせが重要である。ゼオライトもその多様な機能を活かして、カーボンニュートラル社会実現のために貢献できると考えられる。
 本講座では、CO2のリサイクル社会実現のためのゼオライトの果たすべき具体的な役割について概説した後、筆者らが行っている、高シリカCHA型ゼオライト膜のガス分離への応用など、CO2削減にかかわる研究について紹介する。また最近の海外における高シリカCHA膜の研究動向についても簡単に紹介する。これらを通じて、参加者にCO2削減とその対策についての問題意識を持っていただき、各分野における様々な挑戦を促したい。

  1. カーボンニュートラルに向けたゼオライトの貢献可能性
    1. カーボンニュートラルに向けての現状認識についての概観
    2. CO2循環社会におけるゼオライトの役割
  2. 高シリカCHA型ゼオライト膜
    1. 高シリカCHA膜、ZEBREXTM
    2. 高シリカCHA膜の特性
    3. 高シリカCHA膜のガス分離への応用
      1. CO2分離
      2. H2分離
    4. その他の高シリカCHA膜の最近の研究動向
    • 質疑応答

第3部 ゼオライト膜の分離機構と分子シミュレーションによる理想分離性評価

(2023年8月1日 14:45〜16:15)

 本講座では、ゼオライト分離膜の分離機構に関して、透過理論と分子シミュレーションによる検討例を紹介します。分子レベルでの膜透過性の理解は、多様な分離系への応用において重要です。ゼオライト膜の基礎的な透過理論であるMaxwell – Stefanモデル、そして分子シミュレーションと組み合わせた理想分離係数の評価方法について解説します。また、多結晶体であるゼオライト膜では、粒界構造が分離特性に大きく影響します。
 本講座では、ゼオライト膜の粒界構造が膜分離性能に与える影響について、CHA型ゼオライト膜による二酸化炭素分離を例にとり、分子レベルの観点から解説します。

  1. ゼオライト膜の分離機構
    1. 概要
    2. 単成分の透過機構
    3. 多成分系の透過機構
    4. 多結晶構造 (粒界) の影響
  2. 理想分離係数の予測
    1. 透過理論による予測
    2. 分子シミュレーションによる予測
  3. CHA型ゼオライト膜による二酸化炭素分離シミュレーション
    1. 分離特性への圧力の影響
    2. 分離特性への粒界の影響
  4. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 松方 正彦
    早稲田大学 先進理工学研究科 応用化学専攻
    教授
  • 武脇 隆彦
    三菱ケミカル株式会社 Science & Innovation Center
    フェロー
  • 高羽 洋充
    工学院大学 先進工学部 環境化学科
    教授

主催

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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
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  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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