技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

CO2分離膜の開発と分離・回収プロセスの設計

CO2分離膜の開発と分離・回収プロセスの設計

~ゼオライト、シリカ膜のCO2分離特性と吸着制御、細孔制御技術を解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、大気中のCO2の分離・回収技術を基礎から解説し、低濃度のCO2を回収する最新技術や課題、今後の展望までを詳解いたします。

開催日

  • 2025年6月12日(木) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 膜分離に関心のある方
  • ガスメーカー、各種の化学プロセス・環境プロセスに従事されている方
  • ゼオライト膜やCO2などのガス分離膜に関心のある方

修得知識

  • 膜分離の基礎、特に無機分離膜の種類と構造、分離性能
  • 膜分離を活用した化学プロセス革新の可能性
  • 2050年カーボンニュートラル達成に向けての分離膜技術の貢献
  • 膜分離に関する基礎知識
  • シリカ系多孔膜の技術背景・特徴
  • ガス透過法によるサブナノ細孔径評価技術
  • シリカ系多孔膜の細孔径制御技術
  • CO2分離特性の研究動向
  • CHA型ゼオライト膜の合成技術
  • CHA型ゼオライト膜のCO2分離・回収への応用展開

プログラム

第1部 膜分離プロセスの基礎とCO2分離に向けた最新動向・将来展望

(2025年6月12日 10:30〜12:00)

 2050年カーボンニュートラル達成に向けては、エネルギー・化学産業における二酸化炭素・バイオマスなどへの原料転換に対応する新規プロセス技術開発が必要とされており、なかでもプロセスの省エネルギー化には分離技術の革新は必須です。特に、分離膜はその省エネ性において他の技術とは一線を画した効果があります。
 ここでは分離膜の基礎からはじめ、分離膜技術開発の必要性、効果について、また無機分離膜を中心に最先端のプロセス開発の提案までを概観します。

  1. 膜分離技術とは?
  2. 分離膜の基礎
    1. 分離膜の概要
    2. 液相系の膜分離の基礎
    3. 気相系の膜分離の基礎
  3. 無機分離膜の種類と基本的な機能
  4. ゼオライト分離膜の基礎
    1. ゼオライトとは?
    2. 様々なゼオライトの構造
    3. ゼオライトの物理化学的特性
    4. ゼオライト分離膜のこれまでの研究の経緯
  5. ゼオライト分離膜を利用したCO2分離・回収プロセスの開発状況
  6. 分離膜を用いたプロセスの構築
    1. オレフィン分離精製プロセス
    2. 膜反応器 (メンブレンリアクター)
  7. その他の分離膜の最新動向
    • 質疑応答

第2部 シリカ系材料によるCO2分離膜の設計と透過特性評価

(2025年6月12日 13:00〜14:30)

 地球レベルでの環境負荷が問題となる現在では、持続可能な社会を構築するためにどのような貢献ができるかが重要です。膜分離工学は、化学や医薬などすべての工業プロセスで重要な役割を果たし、水処理や水素・CO2分離のような環境問題の解決においてもキーテクノロジーとなるため、国連が定めた、Sustainable Development Goals (SDGs、持続可能な開発目標) への貢献が大きい技術です。当研究室では、シリカ、チタニアなどの無機材料、および有機・無機ハイブリッド材料に着目し、製膜・評価技術の確立、透過・分離特性の検討を通じてあらゆる膜分離プロセスについて基礎から実用レベルの研究を行っています。
 本講演では、シリカ系多孔膜の技術背景を踏まえた上で、CO2分離のためにアモルファスシリカの細孔径制御に着目した研究成果を紹介します。また、CO2と膜との親和性 (吸着性) を制御するために、ネットワーク構造にアルキルアミノ基を導入したアミノシリカ、有機キレートを炭化した膜のCO2吸着特性などの研究成果についても紹介します。

  1. はじめに
    1. カーボンリサイクルにおけるCO2分離回収技術
    2. CO2分離回収技術の概要
    3. 膜分離工学によるプロセス強化
    4. 膜分離法の種類と分離対象
    5. 膜分離によるCO2分離の概要
    6. 膜分離工学のイノベーション (代表的な膜材料と膜構造)
  2. シリカ系材料を用いたガス分離膜の作製・ガス透過性評価手法
    1. ゾル-ゲル法によるシリカ多孔膜
      • ゾル調製
      • 製膜法
    2. サブナノレベルの細孔径評価技術 (ガス透過法)
    3. ガス性能評価
      • 透過率と透過係数
      • トレードオフカーブ
    4. ガス透過率の測定
      • 装置概要
      • 透過率の算出法
        • 擬定常法
        • 容積法
    5. 2成分混合ガスの分離
      • 分離予想線と分離限界線
  3. シリカ系多孔膜によるCO2分離
    1. シリカ多孔膜の技術背景・特徴
    2. シリカ系材料によるCO2分離膜の設計指針
    3. 分子ふるい制御型
      1. オルガノシリカによる細孔径制御
        • テンプレート法
        • スペーサー法
    4. CO2吸着性制御型
      1. アミン系シリカによる細孔構造制御、表面改質 (グラフト化)
      2. 第1〜3級アミンの吸着力がCO2透過性に及ぼす影響
      3. TFAを用いたアミン形態、多孔性制御
      4. オルガノシリカ+アルキルアミンによるDual-Network構造
  4. Carbon-SiO2-ZrO2複合酸化物によるCO2分離 (CO2トラッピング)
    1. 有機キレートを用いたSiO2-ZrO2マイクロポーラス構造制御
    2. C-SiO2-ZrO2におけるCO2の吸着特性
  5. 総括
    • 質疑応答

第3部 CHA型ゼオライト膜の合成技術とCO2分離・回収への応用展開

(2025年6月12日 14:45〜16:15)

 ゼオライトは結晶性のアルミノ珪酸塩の総称であり、規則的な細孔径と高い細孔容積を持ち、触媒、吸着剤、膜材料などに用いられている。特にCHA型ゼオライトは0.38nmの細孔径と三次元的に連結した細孔構造を持ち、二酸化炭素の高選択性かつ高い透過性を示す膜分離材料として期待されている。本講演では、ゼオライト膜の概説から我々がこれまで開発を行ってきたCHA型ゼオライト膜について最新の研究成果を含めて紹介する。

  1. はじめに
    1. ゼオライトについて
    2. ゼオライト膜について
    3. ゼオライト膜の分離プロセスへの応用
  2. ゼオライト膜の製膜
    1. ゼオライト膜に用いられる支持体について
    2. CHA型ゼオライト膜の製膜方法
  3. CHA型ゼオライト膜のガス分離について
    1. ゼオライト膜の二酸化炭素分離への展開
    2. ゼオライト膜の高耐久化
    3. 表面修飾による微細細孔制御
  4. 今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 松方 正彦
    早稲田大学 先進理工学研究科 応用化学専攻
    教授
  • 金指 正言
    広島大学 大学院 先進理工系科学研究科
    教授
  • 荒木 貞夫
    関西大学 環境都市工学部 エネルギー・環境工学科
    准教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/4/23 分離膜の基礎と分離技術への展開およびゼオライトを用いたCO2分離技術の展望 オンライン
2025/4/24 脱炭素燃料の現状と将来、バイオ燃料の最新動向とCO2排出量削減効果 オンライン
2025/4/25 大気中CO2の直接回収技術 オンライン
2025/4/25 CO2回収・利用・貯留 (CCUS) の現状と技術 オンライン
2025/4/25 海洋バイオマスを利用したCO2削減・利活用の研究動向、課題と今後の展望 オンライン
2025/4/28 ゾル-ゲル法の基礎と材料合成、(新規) 材料開発で活用するための実用的な総合知識 オンライン
2025/4/30 カーボンニュートラル (CN) 社会におけるCO2回収・利用・貯留 (CCUS) の現状とその技術 オンライン
2025/5/13 CO2を利用した化学品製造の技術体系・世界動向と触媒技術の最前線 オンライン
2025/5/16 油水分離膜の作製とその特性、性能評価 オンライン
2025/5/19 カーボンフットプリント (CFP) 算定手法・演習と削減の考え方 オンライン
2025/5/26 ゼオライトの合成、解析方法と応用技術 オンライン
2025/5/30 カーボンリサイクル技術の最新研究動向 オンライン
2025/6/6 無機ナノ粒子の粒子径、形状制御と表面処理、分散性向上 オンライン
2025/6/10 吸着分離技術の基礎と応用技術 オンライン
2025/6/13 水素酸化細菌によるバイオモノづくりのポテンシャルと社会実装に向けた課題と展望 オンライン
2025/6/17 無機ナノ粒子の粒子径、形状制御と表面処理、分散性向上 オンライン