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セラミックス材料を扱うための実践的な総合知識

セラミックス材料を扱うための実践的な総合知識

~積層セラミック電子部品の開発のために / セラミックスに関する基礎知識 / 電気伝導、長期信頼性、焼成雰囲気制御 / セラミックスラリーの作成・焼成・乾燥等のノウハウ / 積層セラミック製造プロセスの基礎知識~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、セラミックス材料を扱うに際して、特に積層セラミック電子部品の開発に必要なセラミックスの基礎知識から重要な工程のプロセス技術まで、セラミックス材料の総合的な知識を提供いたします。

開催日

  • 2023年2月28日(火) 13時00分 16時30分

受講対象者

  • 積層セラミック電子部品に使用される材料の研究開発、生産・製造、品質管理、故障解析に係わる技術者
    • セラミックス材料
    • 電極材料
    • バインダーなど有機材料 など

修得知識

  • セラミックスに関する基礎知識
    • 相図
    • 焼結
    • 金属の酸化
    • 酸化物の還元
    • 酸化還元の熱力学
    • 格子欠陥制御
    • 粒成長
  • 積層セラミック製造プロセスの基礎知識
    • スラリー組成設計
    • 分散性
    • スラリーの乾燥
    • 内部電極の組成
    • 金属粉末性状
    • 内部電極形成
    • 焼結性
    • 積層工程
    • 焼成雰囲気制御
  • セラミックスラリーの作成・焼成工程等のノウハウ

プログラム

 積層セラミックコンデンサ (MLCC) に代表される積層セラミック電子部品は小型化、高性能化が進んでいます。スマートフォーンなどの小型電子機器から、自動車のEV化、自動運転化、また、5G、IoTの進展に伴い、生活のあらゆる分野で、その需要の大幅な増大が見込まれています。積層セラミック電子部品の小型化、高性能化は用いるセラミックス材料の材料設計、製造プロセスに負うところが大きく、また、スラリーの分散、シート成形、焼成工程などセラミックス製造プロセス技術の高度化によるところも大きいのですが、実はノウハウの世界が多くあり、開発の中で、躓いてしまう、教科書では学べない世界でもあります。
 本セミナーでは、積層セラミック電子部品の生産や開発に直接に携わる技術者、研究者の方、およびセラミック材料、電極材料、有機バインダー材料、有機溶剤など積層セラミック電子部品に関係する素材の技術者、研究者の方にMLCCの材料設計やプロセス技術を例にし、材料に必要な要素技術、積層セラミック製造プロセス技術を概説します。電子セラミックスの設計指針として、相図、格子欠陥の生成、異種元素置換による格子欠陥制御など、材料組成開発に係わる組成設計を熱力学的考察を踏まえて説明します。積層セラミック製造プロセス技術では、セラミックスラリー作成から、内部電極ペースト、電極印刷、積層、脱バインダー/焼成工程など、最近の技術動向を踏まえて、プロセス上のポイントを学習できるようにしています。
 以上、積層セラミック電子部品の開発に必要な材料の基礎知識から重要な積層セラミック製造工程まで、トータルな視点で理解することで、個々の担当技術課題が明らかになると考えています。このセミナーで全体像を理解して頂き、積層セラミック電子部品に直接ないし間接的に係わる技術者の日々の技術的な課題に対して、ご参考になれば幸甚です。

前半部

積層セラミック電子部品に用いられる内部電極種に対応した酸化物セラミックス原料の酸化物としての性質、安定性、格子欠陥の生成・制御、セラミックスの構造的特徴を説明し、積層セラミック電子部品を製造する場合に気を付けておくべき材料的な視点を概説します。
  1. 積層セラミックス電子部品の概要
    • 電子セラミックスの種類、組成、チップ形状変遷、将来技術動向
  2. セラミックスの基礎知識
    • セラミックスの微構造、結晶構造、粒界構造、単位格子、サイト
    • セラミックスの焼結現象、表面拡散、体積拡散、粒成長
    • 相平衡と状態図、固溶体、共晶系、包晶系、焼結助材 液相形成
  3. 金属酸化物の熱力学的安定性と格子欠陥
    • 金属の酸化と酸化物の還元、ギブス生成自由エネルギー、平衡酸素分圧、酸化物の安定性
    • CuあるいはNi内部電極可能な酸素分圧
    • 代表的酸化物の酸化還元の安定性
    • 格子欠陥表記、酸素空孔、酸素分圧依存性
    • 元素置換型格子欠陥、アクセプター元素、ドナー元素
  4. 電子セラミックスの原料粉合成 (MLCC用BaTiO3原料を例に)
    • 主成分原料の微細化、固相法、水熱合成法、シュウ酸法
    • セラミックス原料の設計指針
    • セラミックス原料の製造工程、添加元素の添加方法
    • 添加元素の分散性
  5. 電子セラミックスの焼結現象 (MLCC用BaTiO3を例に)
    • コアシェル構造、粒界、偏析
    • 焼結時の粒成長と歪
    • 粒界の制御、酸素拡散、微量添加物の偏在
  6. 酸化物セラミックスの電気伝導
    • バンド図、バンドギャップ、欠陥準位
    • バンド伝導、空間電荷制限電流、プールフレンケル放出電流、ショットキー放出電流
  7. 長期信頼性の材料設計 (MLCC用BaTiO3を例に)
    • 高温寿命、酸素空孔、加速評価
    • 酸素空孔、偏在、分析、分子動力学計算
    • 酸素空孔移動抑制、信頼性向上

後半部

 積層セラミック電子部品を製造する際に、製品の品質、および長期信頼性に影響する主な製造プロセスでの技術ポイントを取り上げ、各製造プロセスで用いられる各種材料、製造技術の中で、どのような技術課題があって、どのように対応しているかを概説します。

  1. 積層セラミック電子部品の製造プロセス概要
    • 積層コンデンサ (MLCC) 、不具合例;内部欠陥、クラック、マイグレーション
    • 積層インダクタ
    • 積層サーミスタ
    • 積層圧電体
    • 電池 リチウム二次電池、全固体電池
  2. シート成形用スラリーの設計
    • シート剥離機構
    • シート組成、スラリー作成プロセス、バインダー/可塑剤比、バインダー強度
    • 分散材の酸点、塩基点、 分散材添加量、 チクソ性
  3. スラリーの分散プロセス
    • 分散方法 ボールミル、回転速度、ビーズミル、ビーズ径、周速
    • スラリーの分散性評価、沈降体積
    • 粒度分布、メディアン径、分散不良による初期故障
  4. シート品質
    • 恒率乾燥、シート品質
    • シート表面粗さ、添加物の分散性、信頼性の影響
  5. 内部電極ペーストの設計
    • 内部電極の薄層化、焼結性、収縮、カバレッジ
    • 微粒金属粉 CVD法、液相法
    • Niペースト組成、内部電極印刷、塗布形状 ネガパターン印刷
    • 内部電極収縮、共材の効果、異物の影響
    • 内部電極組成と信頼性
  6. 脱バインダーおよび焼成での留意点
    • 焼成雰囲気調整ガス、バインダーの熱分解、残留炭素
    • エリンガム図、雰囲気制御ガス
    • アニール、酸素拡散、非平衡
  7. 外部電極形成の例
    • バレル研磨、焼成前バレル、焼成後バレル、強度劣化
    • 塗布方法、浸漬法、
  8. 長期信頼性 (MLCC、BaTiO3を例に)
    • 信頼性試験の例、試験方法
    • バスタブ曲線、初期故障、高温寿命、加速評価
  9. 積層セラミック電子部品の故障要因
    • ボイド、剥離、クラック
    • 樹脂電極、金属端子
    • マイグレーション、耐湿不良
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 22,000円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 20,000円(税別) / 22,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

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