技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

注射剤の異物検査手法とその検査員教育及び異物低減指導

注射剤の異物検査手法とその検査員教育及び異物低減指導

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、異物対策、異物低減について取り上げ、異物検査の評価方法、官能検査、異物の非破壊での測定、異物の同定、海外製造所での改善ノウハウについて事例を交えて解説いたします。

開催日

  • 2022年5月10日(火) 10時30分 16時30分

プログラム

 注射剤の製品回収が多くなる原因の一つは異物混入です。特に海外において製造された製品は回収のリスクが高くなります。日本においてもいまだにガラス異物等による製品回収が時々報告されています。これらの製品回収は防げます。
 本セミナーでは、異物低減の対策事例を紹介します。また、異物低減を行うためには、異物検査の評価方法を確実にすることが必須であり、QCの検査方法と製造での全数目視選別の方法を紹介します。さらに、目視検査では観察機を使った方法についても紹介します。人による検査は官能検査であり、訓練と認定が重要になります。その方法についても説明します。また、異物の非破壊での形状測定と取り出して同定する方法についても紹介します。一方、海外製造所においては、日本で問題とされる異物が問題視されません。また、「異物を削減してください」と伝えるだけでは改善されないばかりか、そもそも問題だとの認識もなく、かつ異物低減のノウハウも持っていません。そういう状況でどのように実際に異物低減を行って改善したかの多数の事例とノウハウを紹介します。

  1. 注射剤の異物対策の難しさ
    1. 欧米の異物検査と日本薬局方の異物検査の違い
      • 目に見える粒子:規制とコンペンディアルの要件
      • 可視異物とは? (PDA)
      • ナップテストと手動検査
    2. たやすく/明らかに検出できる異物の大きさとは (17局の改訂)
    3. 官能検査の観点から検査員のバラツキと評価
    4. なぜ、海外の製造所では注射剤の異物が問題にならないか
    5. 異物による製品 (海外製造所/国内販売品) 回収
    6. 異物検出の確率と母不良率との関係
    7. 自動異物検査機検出力と目視検出力との関係
    8. 不溶性異物/微粒子への健康への影響
    9. 海外製造所の注射剤の保存サンプル (不溶性異物) を取る場合の注意点
    10. コロナワクチン モデルナ製品の異物問題
  2. 注射剤の異物検査
    1. 不溶性異物
      • 非破壊による異物のサイズ/形状測定
      • 限度見本の設定
      • 標準見本/限度内見本/限度外見本の違い
      • 標準粒子と実際の異物を用いる場合の違い
      • 官能検査の手法による標準見本の設定
      • QC試験方法
      • 目視による方法 (観察方法と観察時間)
      • 目視で見える異物の大きさ (時間と明るさ)
      • 観察機を用いる方法
      • 判定基準 (n数と欠点数Cの設定)
      • 凍結乾燥製品 (ゴム栓) の溶解
      • 凍結乾燥製品 (アンプル) の溶解 (ホールバーニング)
      • 検査者の評価/訓練/認定
      • αとβの誤りの両面から
      • 製造の目視による全数選別
      • 凍結乾燥製剤
      • 溶液
      • バック製剤の不溶性異物検査 (製造とQC)
      • 最新の全数検査機の特徴
      • SOPに違反した不溶性異物試験の実施
    2. 不溶性微粒子
      • 濾過試験方法
      • 光遮蔽 (HIAC) 測定方法
      • 観察機を用いる方法
    3. 異物の同定方法
      • 異物の取り出す時の注意事項
      • 顕微鏡FTIRの特徴と測定結果の解釈
      • 電子顕微鏡X線マイクロアナライザーの特徴と測定方法/解釈
      • ラマン分光
    4. 目視可能な粒子に対する注射剤の検査 産業界向けガイダンス (FDA)
  3. 改善/指導事例
    1. 繊維低減 (輸液剤など)
    2. アンプル成形時の異物対策
    3. グラスファイバー混入改善
    4. フレークス発生原因とその改善
    5. 処方成分によるフレークスの発生 (リン酸塩)
    6. 不溶性微粒子の改善I (シリコン塗布ゴム栓、シリンジ)
    7. 不溶性微粒子の改善II (輸液の経年での増加)
    8. 導入品の異物低減 (プラスチックアンプル)
    9. 不溶性異物の経年での増加 (原薬の出発物質の変更)
    10. 資材からの影響 (ポリ袋)
    11. 高額な製品の異物対策 (ガラス溶着している異物の除去)
    12. 開発段階の取組みI (海外製造品 イタリア編)
    13. 開発段階の取組みII (海外製造品 米国編)
    14. 開発段階の取組みIII (海外製造品 ベルギー編)
    15. 間違った改善事例の取組み (委託先との協同)
    16. 粉末充填品 (海外製造) の不溶性異物試験不適合時の対策方法
    17. ガラス異物対策
    18. 生物学的製剤のたんぱく由来異物の対応
  4. 海外製造所の異物低減の指導方法
    1. 開発段階品の評価 (製造品と安定性試験品)
    2. 海外製造所への訪問
    3. 現状の理解
    4. 協力の取付け
  5. 注射剤の異物の変更管理時の注意事項
    1. 原薬の製造方法変更
    2. 直接容器の変更
    3. 製造方法の変更
  6. 注射剤の異物苦情を受けた時の対応
    1. どの段階で異物を認めたか
    2. コアリング
    3. 異物の同定
    4. 広がりの調査
    5. 製品回収の有無の判断
  7. まとめ
    1. 異物のモニターとして異物検査
    2. 注射剤の異物に対する正しい知識の重要性
    3. 正しく評価すれば、必ず異物は低減可能 (QCによる客観的なデータ提供)
  8. 人が創る品質
    • 質疑応答

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/18 コンピュータシステムバリデーション (CSV) で要求される各規制・ガイドラインの理解 オンライン
2024/12/18 医薬品開発におけるマーケティングリサーチ手法およびデータの捉え方・活用のポイント オンライン
2024/12/18 薬価申請・原価計算方法の実際と交渉で有効なデータ取得・資料作成のポイント オンライン
2024/12/18 標準品の品質試験法設定の基礎と注意点 オンライン
2024/12/18 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/19 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2024/12/19 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2024/12/19 失敗成功事例から学ぶ原薬の各ステージでのスケールアップ製造のポイント オンライン
2024/12/19 造粒・打錠・コーティング製造技術とスケールアップ/打錠障害・品質異変の防止・対策 オンライン
2024/12/19 医薬品製造施設 (バイオ、合成原薬、固形製剤、無菌製剤) の構造設備に関わるGMP講座 オンライン
2024/12/20 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2024/12/20 ソーシャルリスニングからの患者さんの声の事例紹介と活用のためのワークショップ体験 東京都 会場
2024/12/20 QA業務 (GMP監査・自己点検) 入門講座 オンライン
2024/12/20 医薬品開発段階での処方・製法変更におけるBE試験の考え方と生物学的同等性確保のための開発戦略 オンライン
2024/12/20 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/23 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2024/12/23 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2024/12/23 PIC/Sを踏まえた治験薬GMPガイドラインと運用上の注意点および三極 (日米欧) 規制の解説 オンライン
2024/12/23 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2024/12/23 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/10/30 クリーンルームの微小異物・汚染物対策と作業員教育
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/31 異物分析の基礎と応用事例集
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装