技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

アレニウス式加速試験でのプロット作成と測定数値の取り扱い・選定法

医薬品・化粧品・食品分野における

アレニウス式加速試験でのプロット作成と測定数値の取り扱い・選定法

オンライン 開催 演習付き

概要

本セミナーでは、医薬品・化粧品・食品分野における加速試験について取り上げ、試験条件の設定や測定項目選定の応用法、考え方について具体的事例とExcelを用いた演習を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2022年2月16日(水) 9時30分 17時00分

プログラム

第1部. アレニウス式の算出とExcel活用演習

~食品の賞味期限設定の事例を元に~

(2022年2月16日 9:30〜11:30)

 食品では、加速試験試料の分析・評価データから、アレニウス式を使って賞味期限を求めることが行われています。この講演では清涼飲料水の事例を用いて、賞味期限設定の流れの中で、加速試験の方法とアレニウス式の使い方を中心に、お話をします。
 その後、Excelの分析ツールを使って、アレニウス式の使い方の演習を行います。そのためにはExcelでの回帰分析の方法を習得していただく必要がありますので、まずは、予めお渡しするデータを使って、これを学びます。続いて、こちらも予めお渡しする清涼飲料水での加速試験での分析・評価データを使い、アレニウス式を使って賞味期限を算出するという本題を演習します。身近なExcelの使用ですので、馴染みやすいと思います。

  1. 食品の賞味期限設定での加速試験の利用
    1. 食品の期限表示 (消費期限、賞味期限) の概要
    2. 食品期限表示の設定のためのガイドラインの概要
    3. 一般的な食品期限設定の方法
    4. 食品の賞味期限設定での加速試験の考え方
    5. 食品の賞味期限設定事例
  2. 統計解析ソフトの紹介
    1. 統計解析ソフト
  3. 回帰分析でのExcel活用演習
    1. 単回帰分析と重回帰分析
    2. Excelを使ってやってみよう
  4. アレニウス式使用でのExcel活用演習
    1. 果汁飲料での事例
    2. Excelを使ってやってみよう
    • 質疑応答

第2部. 医薬品・化粧品・食品分野における安定性予測とアレニウス・プロットを用いる上での留意点

(2022年2月16日 12:30〜14:00)

 医薬品をはじめ、化粧品や食品成分などの各種化学物質の安定性を予測する場合、アレニウス式を用いた速度論的解析を行うことが一般的であり、この方法論に基づいた安定性予測法が既にいくつか報告されている。
 本講演では、これら化学物質の安定性試験の意義やガイドラインの内容について概説するとともに、これまで報告されてきた安定性の予測法とそれらの問題点を説明する。
 さらに、アレニウス・プロットを用いる上で留意すべき点について解説するとともに、演者らの開発した、微量の試料で簡便・迅速に正確な安定性予測が可能な、熱分析装置と液体クロマトグラフを用いた方法を紹介する。

  1. 安定性試験の意義とその進め方
  2. 安定性試験に関するガイドライン (ICH:Q1A (R2) など)
  3. これまでの安定性予測法とそれらの問題点
  4. アレニウス・プロットとそれを用いる上での留意点
  5. 熱分析装置と液体クロマトグラフを用いる安定性予測法
  6. まとめ
    • 質疑応答

第3部. 化粧品の安定性評価とアレニウス式の活用

(2022年2月16日 14:15〜15:30)

 医薬部外品の場合には、「有効成分」の含量規定 (通常は90~110%) や示性値としてのpH (一般的に±1) の規格が与えられるので、その値が3年間安定であることが求められることになる。化粧品の場合には、「著しい変化の無いこと」が要件であり、具体的な安定性の基準はない。
 一般に化粧品を販売するのに。3年間の経時安定性を確認してから行うことはない。これでは販売機会を逃してしまう。そこで、加速試験結果で室温下での品質保証期間を推定することになる。詳細はICH安定性ガイドラインにある。
 本稿では、FDAの基準に基づいて検討した事例について述べと共に、一般式を用いて、品質保持期限を推定するための知識を習得する

  1. 反応速度定数の温度依存性
  2. 反応速度論の概要
  3. 反応速度論の安定性試験への応用
  4. 開発製品の評価 (OTC-Drugを例に)
    1. 安定性評価
    2. 安定性評価の考え方 – 安定性試験の方法 –
  5. 安定性評価の計算手順 (アレニウスの式を用いた寿命推定の方法)
    • 質疑応答

第4部. アレニウス式の算出とExcel活用演習

~医薬品の品質保証設定の事例を元に~

(2022年2月16日 15:45〜17:00)

 医薬品の品質に影響を及ぼす要因としては、温度、湿度、光、酸素 (空気) などが挙げられるが、それらが影響する程度は、保存条件、医薬品の性質や剤形などにより異なっている。医薬品の開発時に設定した品質を、有効期間を通し全てのロットについて保証するためには、製品開発の過程から安定性に関わる充分な検討を行い、包装形態、貯法、有効期間、及び品質規格などを決定しておくことが重要である。この様な医薬品の安定性については、アレニウス式を用いて算出された安定性を保証する根拠となるデータ、長期保存試験データ、加速試験データ、過酷試験データなどの評価データに基づいて品質保証を行っており、国際的な安定性ガイドラインとして、ICH (医薬品規制調和国際会議) において合意され、日米EUを軸とした全世界の各医薬品規制当局の指導の下で実施されている。
 本講演では、アレニウス式を用いて行われている医薬品の安定性試験 (開発段階、加速試験、長期保存試験など) の事例について紹介し説明する。

  1. 医薬品の安定性ガイドライン
    1. 医薬品の安定性ICHガイドライン、法規制などについての概要
    2. 医薬品開発における安定性試験の概要
    3. 実生産開始後の安定性試験の概要
    4. アレニウス式を用いた安定性データ解析の統計的方法の例、加速試験の考え方
    5. 医薬品の保存・輸送条件の設定と検証、検証事例
  2. バイオ医薬品、注射剤、無菌性剤の設計事例など
    1. アレニウス式による安定性予測
    2. アレニウス式による安定性予測の結果とまとめ、プロセスバリデーションなど
    3. アレニウス式によるバイオ医薬品、凍結乾燥注射剤の特性評価、工程バリデーション (安定性予測) の結果とまとめ、プロセスバリデーションなど
    4. アレニウス式による安定性、品質保証、GMP管理用件などについて
    • 質疑応答

講師

  • 跡部 昌彦
    跡部技術士事務所
    所長
  • 岡本 昌彦
    京都大学 学術研究展開センター 理工系部門
    副部門長
  • 深澤 宏
    株式会社ウテナ
    常務執行役員 (開発統括部長)
  • 芦澤 一英
    厚生労働省
    PMDA 物性試験法専門委員 (ICH、局方関連)

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/8 化粧品基準に基づく成分規制とスキンケア化粧品の成分特性を生かした処方設計・安定性確保 オンライン
2025/1/8 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2025/1/8 薬価申請・原価計算方法の実際と交渉で有効なデータ取得・資料作成のポイント オンライン
2025/1/9 賞味期限設定のためのアレニウス式を用いた加速試験のポイント オンライン
2025/1/9 注射剤の異物検査の方法と基準設定及び異物低減方法 オンライン
2025/1/9 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2025/1/9 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2025/1/9 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/9 実践疲労強度設計 オンライン
2025/1/10 撹拌装置の設計/スケールアップの基礎とトラブルシューティング オンライン
2025/1/10 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/1/10 Pythonを使った時系列データ解析入門 オンライン
2025/1/10 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2025/1/10 品質管理の基礎 (4日間) オンライン
2025/1/10 分析法バリデーションコース (2日間) オンライン
2025/1/10 ICH Q2 (R2) 、Q14をふまえた承認申請時の分析法バリデーションの留意点 オンライン
2025/1/10 品質管理の基礎 (1) オンライン
2025/1/12 分離工学の基礎と装置設計法 オンライン
2025/1/14 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2025/1/14 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン

関連する出版物

発行年月
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発
2017/8/31 きのこの生理機能と応用開発の展望
2017/6/21 体外診断用医薬品開発ノウハウ
2017/5/10 分析法バリデーション実務集
2017/4/25 非GLP試験での効率的な信頼性基準適用と品質過剰の見直し
2015/10/22 FMEA・DRBFMの基礎と効果的実践手法
2014/11/27 3極対応リスクマネジメントプラン策定とEU-GVPが求める記載事項/国内との相違点
2014/11/15 医薬品メーカ20社〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/11/15 医薬品メーカ20社〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/10/27 化粧品に求められる使用感の共有と感性価値の数値化・定量化
2014/7/30 高薬理活性医薬品・封じ込めQ&A集
2014/7/15 化粧品13社〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/7/15 化粧品13社〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/6/10 コンタクトレンズ用装着点眼剤 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/6/10 コンタクトレンズ用装着点眼剤 技術開発実態分析調査報告書
2014/5/15 美容液・化粧水 技術開発実態分析調査報告書
2014/5/15 美容液・化粧水 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2013/10/28 新・機能性表示制度への準備
2013/9/2 原薬・中間体製造プロセスにおける課題と対策
2013/8/28 化粧品・医薬部外品およびその原料の安全性評価と規格・試験法設定