法規・ガイドラインには洗浄バリデーションの「What do (何をすべきか) 」は記載されているが、「How to do (どうやってするか) 」の記載はほとんどない。
洗浄バリデーションで求められる資料・データの作成・収集方法と留意点について、演者の実務経験に基づいて具体的に解説する。
- 洗浄は交叉汚染対策の一手段でしかない
- 洗浄対象は前ロットの有効成分と限らない
- 非日常的作業後の洗浄にも留意
- ダーティホールドタイム (DHT) 、クリーンホールドタイム (CHT) の設定
- DHT・CHT中の留意点
- 床、壁の残留許容量はどう考えるか
- 洗浄バリデーション業務の進め方
- オンラインモニタリングの方向へ
- 残留許容値の設定
- 投与量基準から毒性発現量基準へ
- 1日許容暴露量 (PDE) の算出法
- 不純物の残留許容値 (ICH – Q3とICH – M7ガイドライン)
- 洗浄バリデーションに先立つ適格性評価
- 洗浄方法の留意点
- 洗浄剤の留意点
- サンプリング方法の留意点
- サンプリング箇所の設定
- 回収率試験の例
- 分析の留意点
- GMP査察での指摘事例
- 付録
- GMP事例集
- 原薬GMPガイドライン
- PIC/Sの推奨事項の記載
今後のマルチパーパス設備の洗浄バリデーションでは、ハザードレベルによる一般医薬品、高薬理医薬品という区分に関わらず、「毒性学的な評価」によることが、GMPガイドラインに明記されている (例:PIC/S-GMP) 。このため、具体的なツールである健康ベース曝露限界値を基にして、科学的に対処していく必要がある。
本セミナーでは、PIC/S-GMPガイドラインの現状と今後の改訂、健康ベース曝露限界値の設定と課題、洗浄残留限度値の設定とその意味合い、具体的な数値による洗浄シミュレーション、今後の洗浄バリデーションの流れ、従来の基準の取扱い、基準外となるリスクを低減する方策、洗浄しやすい設備設計について、紹介する。
- マルチパーパスプラントの洗浄を巡る課題
- 最近の規制改正の動きとその背景
- 今後の洗浄実務に要求されること
- 洗浄にかかわる最新規制の概要
- PIC/S-GMP 専用化要件 (Chapter 3 ) /交叉汚染防止要件 (Chapter 5 )
- PIC/S-GMP Annex 15 Qualification and Validation
- PIC/S-GMP 見直し改訂の動き
- EU-GMP Chapter 3 / Chapter5
- EU-GMP Annex15 (洗浄バリデーション)
- EMAガイドライン ( PDE設定 )
- 健康ベース曝露限界値の設定
- 健康ベース曝露限界値を理解するための毒性学基礎知識
- 健康ベース曝露限界値の定義
- 健康ベース曝露限界値の計算式
- 不確実係数について
- 健康ベース曝露限界値を適用する時の留意事項
- 健康ベース曝露限界値データを巡る今後の課題
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄残留限界値の設定
- 持ち越し量閾値STVの計算式
- その意味合い
- STVと目視限界、検出限界との関係 (専用化)
- 健康ベース曝露限界値を用いた洗浄評価シミュレーション事例
- PDE (ADE) 基準/従来基準による許容残滓限界の比較
- 目視限界との比較
- その結果と考察
- PIC/S時代の洗浄実務
- 洗浄バリデーションの流れ
- 従来の0.1%基準・10ppm基準の取扱い
- 洗浄の目標設定について
- 基準外とならないための方策
- 洗浄しやすいマルチパーパス設備の設計
- リスクアセスメント~洗いにくい箇所
- 洗いやすい設備設計の事例
- 洗浄負荷を軽減するための方策
- 付録
- 毒性学の基礎的な用語
- 医薬品開発の各ステージにおけるリスクアセスメントツール (OEB、OELの設定時期)
- 封じ込めプロジェクトにおける曝露リスクアセスメントツール
- 従来の洗浄評価基準の問題点
- イーライリリー社の評価基準の問題点
- 洗浄評価基準を巡るいろいろな意見