技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

基板放熱を利用した熱設計技術

基板放熱を利用した熱設計技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、基板放熱を活用した放熱対策と熱設計手法について解説いたします。

開催日

  • 2025年12月12日(金) 10時00分17時00分

受講対象者

  • 基板設計者
  • 回路設計者
  • 筐体設計者
  • 信頼性の評価に携わる方
  • 放熱材料・基板材料を開発する技術者
  • 放熱材料・基板材料を用いた熱設計を行う技術者
  • 電子機器の設計者 (回路設計者、基板設計者)
  • 電子部品の温度上昇にお悩みの方
  • 基板の放熱設計について基礎的な考え方と実例の両方について知りたい方

修得知識

  • プリント基板の設計手順
  • 各種熱対策方法、定石
  • 複合材料の熱伝導率の考え方、微視構造と熱伝導率の関連性
  • 複合材料の熱伝導率を正しく評価する手法
  • 複合材料の熱伝導率を予測するための有限要素解析技術
  • 基板放熱性能の評価方法
  • サーマルビアや内層パターンを用いて基板の放熱性能を効果的に上げるためのヒント
  • 基板の放熱設計について基本的な考え方
  • 熱抵抗を用いた熱設計の考え方
  • 基板上・筐体を用いた放熱対策の基本的な考え方

プログラム

第1部 基板放熱を活用した放熱対策と熱設計手法

(2025年12月12日 10:00〜11:30)

 熱対策はヒートシンクやファンなどの冷却部品を使って、特定の高発熱デバイスを冷やすことを中心に進められてきた。しかし、部品の小型化や基板の高密度化が進み、配線ジュール発熱も増加し、今や熱対策のウエイトはプリント基板に移っている。
 プリント基板は多数の熱源がカップリングするためその温度予測が難しい。このため、熱流体シミュレーションに頼った設計になり、上流での設計手法が確立されていない。ここではプリント基板の熱設計の進め方、定石などについて解説する。

  1. 部品の小型化と熱設計のトレンド
    1. 体の進歩と熱問題
    2. 基板熱設計が重要となった背景
  2. 電子機器の放熱経路と熱対策
    1. 基板の放熱が果たす役割
    2. 部品の内部熱抵抗と注意点
  3. プリント基板の熱設計の考え方
    1. 熱流束で厳しさを評価する
    2. 熱抵抗を使った部品の評価
    3. 目標熱抵抗と単体熱抵抗で部品を仕分けする
    4. 部品仕分用Excelツールと事例
  4. 部品温度を下げるための対策
    1. 配線パターンの放熱利用
    2. グランドプレーンの放熱利用
    3. サーマルビアの設け方
    4. 部品の相互影響は重ね合わせで考える
  5. 基板実装部品をTIMで冷却する
    1. TIMを使った基板放熱方法
    2. TIMの種類と使い方事例
    • 質疑応答

第2部 複合材料の熱伝導率の考え方と測定・解析技術

(2025年12月12日 12:10〜13:40)

 近年、電子機器の小型化・高性能化が加速的に進み、放熱設計が非常に重要になっている。また、電子機器には、TIMや基板等、多くの複合材料が用いられており、これらの熱伝導率を正確に評価することは、精度の高い放熱設計を実現する上で不可欠である。
 本セミナーでは、複合材料の熱伝導率の考え方、熱伝導率測定方法、熱伝導率の評価式、熱伝導率に関する有限要素解析事例について解説する。

  1. 複合材料の熱伝導率の考え方
    1. 不均質材料の熱伝導の考え方
    2. 熱伝導率と微視構造の関連性
    3. 熱伝導率におけるパーコレーション現象
  2. 熱伝導率測定方法の原理
    1. 試験規格の分類
    2. 定常法
    3. 非定常法 (過渡法)
  3. 複合材料の熱伝導率評価
    1. 粒子分散複合材料の評価式
    2. 織物複合材料の評価式
  4. 代表体積要素 (RVE) モデルを用いた複合材料の熱伝導率に関する有限要素解析
    1. 粒子分散複合材料の解析事例
    2. 織物複合材料の解析事例
    • 質疑応答

第3部 サーマルビアを利用した基板の放熱性能の向上と基板の放熱性評価技術

(2025年12月12日 13:50〜15:20)

 プリント配線基板の放熱性能の評価方法、サーマルビアを効果的に利用するための工夫、サーマルビアと内層パターンの接続性が基板の放熱性能に与える影響について解説します。

  1. はじめに
    1. 基板放熱の重要性
    2. サーマルビアと内層パターンの放熱への期待
  2. 基板の放熱性能評価方法
    1. 実測による評価
      1. 一般的な評価方法
      2. JPCA法
      3. 高熱伝導基板用定常法熱抵抗計測
    2. 解析による評価 (熱伝導解析)
    3. 解析による評価 (熱回路網法)
  3. サーマルビアの放熱性能評価
    1. 実験による評価
    2. 熱回路網法による評価
  4. 内層パターンの放熱性能評価
    1. 熱伝導解析による評価
    2. 熱回路網法による評価
    • 質疑応答

第4部 小形チップ部品のための基板放熱設計の基本と対策事例

(2025年12月12日 15:30〜17:00)

 近年、小型化・高機能化が進む電子機器では基板放熱を活用した熱設計の重要性が増しています。半導体などの高発熱部品に限らず、チップ抵抗器のような1W未満ながら熱密度の高い小型チップ部品では、基板放熱の不足による温度上昇トラブルのリスクが高まっています。
 本講演では、基板放熱設計の基本的な考え方を基に、小形チップ部品の実装面積を抑えつつ放熱性を確保するためのポイントについて、シミュレーションや実験結果を交えて解説します。また、基板熱設計に役立つ文献、ツールについてもご紹介します。

  1. 電子機器の小形化と小形チップ部品の熱問題
    1. 部品の小形化と高電力化の推移
    2. 汎用チップ抵抗器と高定格電力チップ抵抗器での基板温度上昇の違い
    3. 表面実装抵抗器の端子部温度規定とは?
  2. 基板放熱設計の指針
    1. 部品の小形化・高電力化で基板を小型化できる?
    2. 熱設計の重要な指標 “熱抵抗”
    3. 部品の仕分け方 目標熱抵抗と単体熱抵抗
  3. 基板放熱対策事例 シミュレーションと実験による確認
    1. 基板放熱対策事例
      • シミュレーションによる検討
    2. 片面基板の場合
      • 表層パターン
      • 部品レイアウトの影響
    3. 多層基板の場合
      • 内層ベタパターンの影響
    4. 基板放熱対策事例
      • 実験による検討
    5. 基板放熱の事例
    6. 筺体放熱の事例
  4. 基板熱設計に利用可能なツールの紹介
    1. プリント基板熱設計ガイドライン JEITA ETR-7034
    2. 部品温度の概算ツール: 抵抗器温度分布シミュレータ
    3. チップ抵抗器基板熱抵抗データ
    • 質疑応答

講師

  • 国峯 尚樹
    株式会社 サーマル・デザイン・ラボ
    代表取締役
  • 真田 和昭
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    教授
  • 畠山 友行
    富山県立大学 工学部 機械システム工学科
    准教授
  • 有賀 善紀
    KOA株式会社 技術イニシアティブ 研究開発センター

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/10/6 AI時代におけるデータセンターの放熱・冷却技術とその課題 オンライン
2025/10/8 伝熱の基礎とExcelによる熱計算演習講座 オンライン
2025/10/15 5G/6Gに対応するフレキシブル基材とFPC形成技術 オンライン
2025/10/16 温度計測の基礎と実践 オンライン
2025/10/17 電気・電子部品の故障・事故の対策技術と未然防止のテクニック オンライン
2025/10/17 伝熱、熱抵抗の基礎と熱計算・温度計測のポイント オンライン
2025/10/17 温度計測の基礎と実践 オンライン
2025/10/21 Excelでできる熱伝導のシミュレーション 東京都 会場・オンライン
2025/10/22 ものづくり・問題解決のための機器分析の選択と進め方 オンライン
2025/10/22 製造側から見た基板要求仕様設計 オンライン
2025/10/24 液浸冷却 (浸漬冷却) 用材料開発における最新動向 オンライン
2025/10/24 製造側から見た基板要求仕様設計 オンライン
2025/10/24 電子部品の特性とノウハウ (2日間) オンライン
2025/10/24 電子部品の特性とノウハウ (1) オンライン
2025/10/28 TIM (Thermal Interface Material) 活用のための基礎知識と実際の使用例 オンライン
2025/10/29 EV、EVバッテリーの難燃化技術と熱マネジメント技術の展望 オンライン
2025/10/29 電子部品の特性とノウハウ (2) オンライン
2025/10/31 変動性再生可能エネルギーの安定利用を支える蓄熱技術の研究開発動向 オンライン
2025/11/5 プリント基板・電子部品の種類と特徴及びソルダ材料 東京都 会場・オンライン
2025/11/12 FPC (フレキシブル配線板) の市場動向と技術トレンド オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/7/18 世界のAIデータセンター用冷却技術・材料 最新業界レポート
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/6/9 熱交換器〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/5/30 熱、排熱利用に向けた材料・熱変換技術の開発と活用事例
2024/12/27 次世代高速・高周波伝送部材の開発動向
2024/11/29 パワーデバイスの最新開発動向と高温対策および利用技術
2024/9/13 世界のAIデータセンターを支える材料・デバイス 最新業界レポート
2022/6/29 高周波対応基板の材料・要素技術の開発動向
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例
2021/7/30 電子機器の放熱・冷却技術と部材の開発
2021/2/26 高速・高周波対応部材の最新開発動向
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/2/28 伝熱工学の基礎と熱物性測定・熱対策事例集
2018/3/30 熱利用技術の基礎と最新動向
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/3/21 目からウロコの熱伝導性組成物 設計指南
2012/9/27 熱膨張・収縮の低減化とトラブル対策