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低誘電性樹脂の開発と伝送損失の低減、高速・高周波通信への対応

低誘電性樹脂の開発と伝送損失の低減、高速・高周波通信への対応

~高速通信材の要求特性、開発動向 / 低誘電と放熱との両立~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、低誘電性樹脂について取り上げ、5G/6Gに対応するコンポジット材料の開発動向、低誘電化に着目した液晶ポリマー (LCP) の開発動向、アルカリ性水溶液で加工できる低誘電率ポリマーの設計とその特性、高周波基板向けビニル系低誘電損失材料の構造と特性について詳解いたします。

開催日

  • 2025年4月17日(木) 11時00分 16時10分

プログラム

第1部 5G/6Gに対応するコンポジット材料の開発動向

(2025年4月17日 11:00〜12:00)

 2019年のFPC世界市場は、約170億ドルまで達した。10年前の約2倍規模まで拡大してきており、基板全体でも約25%占有するまでになっている。この背景には4Gスマホ市場や電子車載市場への採用拡大があった。今後は、5G更に10年後に向けてのFPC新市場への展開はビックチャンスと見られている。但し、その実現には、FPCの新技術開発・新材料開発が最重要だ。
 本講演では、それらの技術開発課題とそのソリューションに関して詳解する。

  • 5G/6G時代で激変する最新電子市場
  • 高速次世代無線通信での高周波応用
  • 高周波対応材料開発動向
  • 高周波材料の測定試験
  • 高周波コンポジット基板材料開発
  • 高周波対応銅箔開発動向
  • まとめ
  • 質疑応答

第2部 低誘電化に着目した液晶ポリマー (LCP) の開発動向

(2025年4月17日 13:00〜14:00)

 安全・安定な高速通信の実現には回路基板の伝送損失低減が必要であり、その手段として絶縁材料の低誘電化、特に低誘電正接化は効果的である。
 液晶ポリマー (LCP) は分子配向に由来する高次構造により、工業材料のなかでも比誘電率と誘電正接が小さく、高周波対応の絶縁材として注目されている。
 さらなる低誘電正接化の要求から、ギガヘルツ帯での誘電正接を汎用LCPに比べ半減以下にさせた低誘電正接LCPが開発されている。
 本講演では低誘電材料の開発動向とそのなかでのLCPの開発動向について紹介する。また、液晶性を示すことに起因するLCPの、他のポリマー材料と比べた特性についても解説する。

  • はじめに
  • 低誘電化の背景と材料開発の現状
  • 液晶ポリマーの特性と用途
  • LCPの低誘電率化・低誘電正接化設計
  • 低誘電正接LCPの詳細特性と用途展開
  • まとめ
  • 質疑応答

第3部 アルカリ性水溶液で加工できる低誘電率ポリマーの設計とその特性

(2025年4月17日 14:15〜14:55)

 感光性樹脂のベース樹脂として適用可能な、β-ケト酸を含むポリマーを提案した。ポリマーに含まれるカルボキシル基によって良好な現像特性を示すとともに、カルボキシル基の加熱による脱炭酸でポリマーのDfが下がると考えた。
 本講演では、β-ケト酸を含むポリマーを加熱することでDfが下がることを実験的に検証した結果について紹介する。

  • 高速移動通信システムおよびプリント配線板の動向
  • 感光性層間絶縁フィルムの開発状況
  • アルカリ性水溶液を現像液に用いたネガ型感光性絶縁材料と誘電特性
  • β-ケト酸を含むポリマーの設計
  • β-ケト酸を含むポリマーの熱誘起脱炭酸反応
  • β-ケト酸を含むポリマーの誘電特性
  • β-ケト酸を含むポリマーのアルカリ性水溶液に対する溶解性
  • 質疑応答

第4部 高周波基板向けビニル系低誘電損失材料の構造と特性

(2025年4月17日 15:10〜16:10)

 次世代高周波通信や躍進している生成AIの領域で使用される銅張積層板 (CCL) は、これまでより一段高いレベルの特性が求められる。しかしながら、 (1) 低誘電特性の追求は、 (2) 銅箔密着性、 (3) 耐熱性、 (4) 難燃性の追求とトレードオフの関係にあり、これまで有望な材料が開発されてこなかった。これは、低誘電構造ユニット、材料の相溶性に起因することが多く、それを解決する手段として、リビングアニオン重合法が提案されている。
 本講演において、低誘電における特性ー材料構造の相関及び、その材料評価レイを解説する。

  1. 低誘電機能と材料構造相関の解説
    1. 低誘電発生機構
    2. CCLに求められる機能性ユニット
  2. 低誘電材料の設計と合成
    1. リビングアニオン重合による機能性ユニット付与
  3. 耐熱性
    1. Tgに影響を及ぼす化学構造要素
    2. ポリマー側鎖の影響
    3. 主差の影響
  4. 難燃性
    1. 難燃性発現
    2. 難燃性ユニット付与
    • 質疑応答

講師

  • 松本 博文
    フレックスリンク・テクノロジー株式会社
    代表取締役
  • 鷲野 豪介
    株式会社ENEOSマテリアル 研究開発本部 高機能化学品開発部 第四グループ
  • 松谷 寛
    株式会社レゾナック 先端融合研究所
    シニアプロフェッショナル
  • 橋本 裕輝 (日本曹達)
    日本曹達株式会社 化学品事業部 新規事業開発部
    部長

主催

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: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
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複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
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