技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

はんだ接合部の信頼性向上と評価技術

はんだ接合部の信頼性向上と評価技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、はんだ接合についての基礎から解説し、疲労故障の原因と対策、クラック・イオンマイグレーション・腐食対策を詳解いたします。

開催日

  • 2023年5月23日(火) 10時45分 16時00分

受講対象者

  • 鉛フリーはんだ接続に携わっている方
    • 電子部品
    • 電子機器など
  • エレクトロケミカルマイグレーションに関心のある方
  • 鉛フリー化で高温/高電流回路を扱う方
  • エレクトロニクス実装技術者・関連業務従事者
  • 電子機器および部品の研究開発・設計・製造および生産技術・信頼性評価に関わる方
  • 電子材料の研究開発に関わる方

修得知識

  • はんだ付け部の信頼性
  • 各種信頼性試験方法
  • エレクトロケミカルマイグレーションの物理化学的なメカニズム
  • 適切な評価試験の実施/対策技術
  • エレクトロニクス実装用はんだ材料に関する知識
  • はんだ接合部の信頼性評価手法

プログラム

第1部 はんだ付け部の信頼性と対策

(2023年5月23日 10:45〜12:15)

 信頼性は「物理的,化学的要因で複合ストレスが、順列的もしくは同時に進み、劣化が製品耐力を越えた時点で故障に至る。」とされます。はんだ付け部では、「はんだクラック」「エレクトロケミカルマイグレーション (イオンマイグレーション) 」「金属間化合物層の成長」「腐食」が故障に至る主な原因になります。また、近年注目されている高電圧,高電流のパワーエレクトロニクス製品では、はんだ付け部が高温になることで、「エレクトロマイグレーション」「サーモマイグレーション」等の新たな懸念も高まっています。
 本講座では、これらの現象を概説するとともに、はんだ疲労故障で最も問題となるクラックについて、新たな測定,解析方法を交え詳しく説明します。

  1. 現状のはんだ付け部の疲労故障原因
  2. はんだクラック
    1. 試験方法と判定
    2. クラック面情報の重要性 (深層学習を利用した非破壊クラック三次元測定)
    3. 結晶方位解析 (EBSD法)
  3. 高温、高電圧、高電流環境でのはんだ付け部の疲労故障
    1. エレクトロマイグレーション
    2. サーモマイグレーション
    3. 高電圧下でのエレクトロケミカルマイグレーション (イオンマイグレーション)
    4. 高温環境でのエレクトロケミカルマイグレーション (イオンマイグレーション)
  4. 反り・変形測定の重要性と測定方法
  5. 試験時間 (信頼性) 短縮の可能性
    • 質疑応答

第2部 エレクトロ ケミカル マイグレーション (ECM) の生成メカニズムと試験方法 (高湿ECMと高温ECM)

(2023年5月23日 13:15〜14:15)

 エレクトロケミカルマイグレーションと云えば高湿下で発生する現象として事例が紹介され、その発生要因やメカニズムが議論されてきた. そのため水分と云うものがそのメカニズムに必要であった.しかし湿度の影響がない高温でも発生することが分かったのでそのままのメカニズムでは説明できないことになる. ここでは高湿マイグレーションのメカニズムを再確認し、再整理して生成メカニズム/評価試験を説明した後、高温マイグレーションでの物理化学を整理し、そのメカニズム/評価試験を示す。
 鉛フリー化のもとで進む軽薄短小化/高温化/高電流化で対応しなければならないテーマである。

  1. 高湿エレクトロケミカルマイグレーション
    1. 電解腐食とガルバニック腐食の違い
    2. エレクトロケミカルマイグレーションは電解腐食の一つ
    3. 電気めっきとエレクトロケミカルマイグレーションの関係
    4. 高湿エレクトロケミカルマイグレーションの生成要因
    5. 結露の生成要因 (露点、毛細管凝縮、化学凝縮) と環境変化
    6. 単純に85°C85%を加速環境と考えてはならない理由
    7. エレクトロケミカルマイグレーションの発生し易い/し難い金属の見分け方
    8. エレクトロケミカルマイグレーションの発生する電流条件とは
    9. 高湿エレクトロケミカルマイグレーションの評価試験
  2. 高温エレクトロケミカルマイグレーション
    1. 水分がないのになぜマイグレーションが起きるのか
    2. 電気伝導体とは
    3. 高湿エレクトロケミカルマイグレーションの水の役割
    4. 化学結合の呼称「親水基と疎水基」の本質は
    5. フラックスの温度と抵抗の関係
    6. 高温エレクトロケミカルマイグレーションの評価試験
    • 質疑応答

第3部 エレクトロニクス実装用鉛フリーはんだ接合部の信頼性評価

(2023年5月23日 14:30〜16:00)

 本セミナーでは、エレクトロニクス実装に使用される鉛フリーはんだの概要からはんだ接合部の信頼性評価手法を説明します。信頼性評価に関しては、はんだ接合部の信頼性因子を解説し、特に重要となる熱疲労寿命評価方法について詳説します。また、パワー半導体チップのダイボンド接合への応用が期待される高温鉛フリーはんだの評価例を紹介します。

  1. エレクトロニクス実装におけるはんだ接合の動向
  2. 鉛フリーはんだの特徴
  3. はんだ接合部の信頼性評価法
    1. 信頼性因子と評価式
    2. コフィン・マンソンの修正式を用いた熱疲労寿命評価
    3. 有限要素解析による接合部の応力-ひずみ解析
  4. エレクトロニクス実装用高温鉛フリーはんだの評価例
    • 質疑応答

講師

  • 高橋 政典
    株式会社クオルテック 実装技術課
  • 伊藤 貞則
    イトケン事務所
    代表
  • 荘司 郁夫
    群馬大学 理工学研究院 知能機械創製部門
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/13 ソルダーペーストの劣化状態から考えるペーストの選定 東京都 会場・オンライン
2024/11/13 TIM (サーマルインターフェースマテリアル) の選定、活用方法と各種機器での使われ方 オンライン
2024/11/14 ヒートシールの基礎、接合のメカニズムと品質管理・不具合対策 オンライン
2024/12/4 はんだ実装技術と周辺技術のおさえどころと主要な故障・対策 東京都 会場・オンライン
2024/12/12 レーザ溶接・接合のメカニズム、トラブル防止策と最新技術動向 オンライン
2024/12/12 接着接合部の力学の基礎から強度測定方法 オンライン
2024/12/13 炭素繊維強化複合材料の疲労・破壊特性の基礎と寿命・信頼性評価および異種接合評価・損傷観察技術 オンライン
2024/12/20 電子機器・部品・材料の腐食・劣化の評価技術と対策技術 東京都 会場・オンライン
2024/12/25 プリント基板と電子部品の種類と特徴 東京都 会場・オンライン
2025/1/7 電子部品の特性とノウハウ (2日間) オンライン
2025/1/7 電子部品の特性とノウハウ (1) オンライン
2025/1/14 電子機器防水構造の基礎と設計技術 オンライン
2025/1/14 電子部品の特性とノウハウ (2) オンライン
2025/1/16 各種電子部品の故障メカニズムとその特定・解析、不良対策 オンライン
2025/1/17 電子機器における実践的な熱設計・熱対策技術 オンライン
2025/3/26 電子機器における防水設計の基礎と実践技術・テクニック 2日間 オンライン
2025/3/26 電子機器における防水設計の基礎と実践技術・不具合対策 (初級編・中級編) オンライン
2025/4/16 電子機器における防水設計の実践テクニック (上級編) オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/8/30 次世代パワーデバイスに向けた高耐熱・高放熱材料の開発と熱対策
2024/6/19 半導体・磁性体・電池の固/固界面制御と接合・積層技術
2022/9/20 金属の接合と異種金属接合への応用
2016/6/28 異種材料接着・接合技術
2014/10/8 レーザ溶接の基礎と溶接欠陥の防止策および異材接合への展開
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/2/15 3M〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/25 電子ブック〔2013年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/5/20 エレクトロニクス分野へのダイヤモンド応用技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/5/20 エレクトロニクス分野へのダイヤモンド応用技術 技術開発実態分析調査報告書
2012/1/30 異種材料一体化のための最新技術
2011/10/3 '12 コンデンサ業界の実態と将来展望
2010/10/1 '11 コンデンサ業界の実態と将来展望
2009/6/25 携帯端末 技術開発実態分析調査報告書
2009/6/25 携帯端末 技術開発実態分析調査報告書 (PDF版)
2009/5/20 日本電気と富士通2社分析 技術開発実態分析調査報告書 (PDF版)
2009/5/20 日本電気と富士通2社分析 技術開発実態分析調査報告書
2006/6/16 電気・電子機器の振動と温・湿度複合環境試験
2005/5/13 BGA・CSP・フリップチップはんだ接合部の加速試験と信頼性評価法