技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

研究開発部門が考えて作り出す高収益ビジネスモデル

成功事例に学ぶ

研究開発部門が考えて作り出す高収益ビジネスモデル

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高収益がどのようなメカニズムで創出されるのかについて学んでいただき、その後そのメカニズムを構成する各要素では、どのようにその実現に向けて考え、行動していかなければならないかについて、具体的な施策を様々な企業の事例を挙げながら説明いたします。

開催日

  • 2023年1月27日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

 日本企業は、これまで研究開発部門においては、革新的な技術の実現を目指し研究開発に大きな資源投入を行い、またその一方では日々目の前の顧客の要求に誠心誠意、一所懸命対応をしてきました。また生産現場に おいては、コスト低減に向けて日々血のにじむような取組をしてきました。しかし、そのような努力にもかかわらず、日本企業は過去数十年間にもわたり、低収益に甘んじてきました。この点は、諸外国企業との様々な業界における利益率比較において明らかです。
 日本企業に欠けていたことは何か?それは、高収益を継続して実現しようとするマネジメントの強い意志と、そのための組織上の仕組み、すなわちビジネスモデルの不在です。特に後者に関しては、研究開発部門は、新製品や新規事業の創出において重責を担っているわけですが、そこで決定的に欠けていたことが、研究開発は最終的に高収益を実現するための活動であるという極めて重要な前提の認識と、そのための工夫、そしてそこに基づく活動です。
 幸いなことに、この数年「価値づくり」という概念が普及し始め、多くの企業がそのための活動を開始しています。しかし、「価値づくり」のための活動は極めて重要な活動である一方、更に一歩上の高収益を継続的に実現するには、追加的な概念を付加していくことが必要です。そこでは、明確に「価値づくり」を高収益に結び付けるメカニズムを認識しそこに基づき継続的な活動を行っていかなければなりません。
 本セミナーでは、高収益がどのようなメカニズムで創出されるのかについて学んでいただき、その後そのメカニズムを構成する各要素では、どのようにその実現に向けて考え、行動していかなければならないかについて、具体的な施策を様々な企業の事例を挙げながら説明をします。また、最後にはこの考え方に基づき、過去数十年間ずっと40%以上の売上高営業利益率 (近年は60%に迫る実績を上げています) の超高収益を維持しているキーエンスのビジネスモデルを解剖していきます。

  1. なぜ研究開発部門が高収益事業を考えるのか?
    1. 本セミナーの目的
    2. なぜ研究開発部門が高収益事業を考えるのか?
      1. 日米企業の利益率比較 (日本企業は利益率が相対的に低いという事実の存在)
      2. 日本企業の問題点 (ひたすらQCD改善に邁進し、高利益率実現の意図が希薄)
    3. なぜビジネスモデルなのか?
      1. 継続的な高収益実現のための事業上の工夫の必要性
      2. ビジネスモデルキャンバスの問題点:高収益を実現するメカニズムが不明確
      3. 本日のビジネスモデルの定義:
        • 高収益を実現するメカニズムが明確に組み込まれた「事業の設計図」
    4. なぜ研究開発部門なのか?
      • その1:技術は事業主導で考える必要性
        • 三菱ケミカル
        • 旭化成
        • 日立
        • 富士フイルムの例
      • その2:研究開発部門の新事業開発における重要性 (Value CreationとValue Capture)
      • その3:事業で勝てる技術の選択の必要性 (エレクトロニクス部品メーカーの例)
      • その4:事業魅力度を示すことでテーマ承認可能性が拡大
  2. 高収益を生み出すメカニズム
    1. 「利益はどう決まるか?」
      • なぜ砂漠では一杯の水が1万円で売れるのか?
    2. 顧客価値、競争、コストと利益の関係
  3. 顧客価値の拡大
    1. 「顧客は何に対して価値を認識するか?」
      • 「ドリルメーカーは顧客に何を売っているか?」
      • 中核ニーズと周辺ニーズ
      • 機能的価値と意味的価値
    2. 提供顧客価値拡大モデルVACES
      • 日本触媒
      • シマノ
      • 日東電工
      • 東洋電機
      • 3M
      • 加賀屋
      • コマツ
      • パナソニック
      • 日本ペイント
      • 住友化学
      • ダウジョーンズ
      • サステナビリティ
      • インデックス
    3. 心理的価値:「研究所は人間の気持ちを研究するところであって、
      • 技術を研究するところではない」本田宗一郎
    4. VACESにより新たな顧客価値創出機会を見つけるには:市場を理解する3軸『TAD』
      • 島津製作所
      • テトラパック
      • シマノの例
  4. 競争の回避
    1. 競争に勝つのではなく、競争をしない (競争回避)
    2. 競争を回避するための『8つのD』
      1. 競争の無い新しい市場を創る『Develop』
        • ヒロセ電機
      2. 参入時期を遅らせる (無競争期間を長く) 『Delay』
        • ワコール
        • 富士フイルムの例
      3. 競合企業が参入したら撤退『Depart』
        • ヒロセ電機
        • インテルの例
      4. 競合企業が参入する気にさせない『Discourage』
        • ホギメディカル
        • 日東電工
        • サムスン
        • IBM vs. Dellの例
      5. 顧客を固定化する『Detain』
        • 日本ペイント
        • プリンターモデルの例
      6. 競合企業を吸収する『Digest』
        • 日本電産等
      7. 競争ではなく協創する『Do together』
        • ホンダとヤマハ発動機の例
      8. 広義の競争相手である顧客*の交渉力を減殺する『Dictate』
        • ロングテール戦略等
  5. コストの低減
    1. コスト低減は、カイゼンやVA/VEなどの視点からだけで実現されるものではない
    2. 包括的なコストの低減の基本視点:
      • 製品の単位当りコストを示す「分子 (投入コスト) /分母 (数量) モデル」
    3. 分子 (投入コスト) の低減
      1. ステークホルダから見た投入コストの4つの分類
      2. 分子コスト低減法 (ODM、オープンイノベーション、QCDの最適化、
        • 取引コストの低減、マブチモーター例等)
    4. 分母 (数量) の拡大
      1. 分母拡大の2つの視点
      2. 規模の経済性を拡大する方法
        • カスタム vs. 標準品、何が標準化を妨げるのか?
          • 日東電工
          • SMC
          • IBMの例等
      3. 範囲の経済性を拡大する方法
        • ほとんどの企業で認識されていない極めて効果の大きなコスト削減視点
          (経営資源の使い回し!)
        • コア技術、ノウハウ・知識の活用 (3M,富士フイルムの例)
  6. 高収益ビジネスモデルのフレームワーク
    1. 経営において最重要な視点:VaCCモデル (Value、Competition、Cost)
      • シマノの例 等
    2. ビジネスモデルの要件
    3. ビジネスモデルにおいて押さえるべき重要視点 (全体としてのストーリーの重要性等)
    4. ビジネスモデル構築の方法
  7. キーエンスの高収益ビジネスモデル
    1. VaCCモデルに基づくキーエンスの高収益ビジネスモデルの全体像の説明
    2. 全体の構成要素
      • 基本戦略
      • 顧客価値拡大法
      • 競争回避法
      • コストの低減法
    • 質疑応答

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/3/29 パテントマップの作成と研究開発テーマの発掘、アイデア創出への活用 オンライン
2024/3/29 R&D技術者のための技術ベンチマーキング実践セミナー オンライン
2024/4/3 自社の長期的・持続的成長のための自社保有技術の棚卸と未来志向でのコア技術の設定 オンライン
2024/4/5 新商品・新規事業創出、新市場開拓のための「BtoBマーケティング」 オンライン
2024/4/5 技術者・研究者のためのマーケティング オンライン
2024/4/5 研究開発テーマにおける費用対効果の基礎と算出・評価方法 オンライン
2024/4/9 技術マーケティングによるR&Dテーマの設定 東京都 会場
2024/4/10 研究開発マネジメントと未来洞察を活用した新規事業テーマ創造 オンライン
2024/4/10 医薬品市場予測・販売計画へのExcel関数の活用・実践法 オンライン
2024/4/10 R&D技術者のための技術ベンチマーキング実践セミナー オンライン
2024/4/11 パテントマップの作成と研究開発テーマの発掘、アイデア創出への活用 オンライン
2024/4/11 マーケティング基礎概論 (全2回) オンライン
2024/4/11 マーケティング基礎概論 (環境分析と戦略目標導出) オンライン
2024/4/12 研究開発・技術部門が行う情報収集とそのセオリー、ノウハウ オンライン
2024/4/12 希少疾病用医薬品の市場、売上予測と事業化戦略 オンライン
2024/4/15 オープンイノベーションによる新事業創出と事業化への仕組み作り オンライン
2024/4/15 アンメットメディカルニーズの発掘法と戦略構築への活用 オンライン
2024/4/16 市場・製品・技術ロードマップの作成プロセスとその活動の全体体系 オンライン
2024/4/16 後発で勝つための市場分析と経営層への説明・説得の仕方 オンライン
2024/4/16 企業人が使う機器分析入門 オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/12/27 実験の自動化・自律化によるR&Dの効率化と運用方法
2023/10/31 出口戦略に基づく研究開発テーマの設定と事業化への繋げ方
2022/8/31 研究開発部門と他部門の壁の壊し方、協力体制の築き方
2022/4/28 研究開発部門へのDX導入によるR&Dの効率化、実験の短縮化
2022/2/28 With・Afterコロナで生まれた新しい潜在・将来ニーズの発掘と新製品開発への応用
2021/10/29 “未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方
2021/8/31 研究開発の "見える化" によるR&Dテーマ評価、進捗管理と進め方
2021/3/31 研究開発テーマの評価と中止/撤退判断の仕方
2020/10/30 研究開発者のモチベーションの高め方と実践事例
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2018/12/27 R&D部門の“働き方改革”とその進め方
2018/9/28 コア技術を活用した新規事業テーマの発掘、進め方
2014/11/21 マサチューセッツ工科大学〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/11/21 マサチューセッツ工科大学〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/11/20 防虫剤・殺虫剤 技術開発実態分析調査報告書
2014/11/20 防虫剤・殺虫剤 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/11/5 給湯器 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/11/5 給湯器 技術開発実態分析調査報告書
2014/11/1 ブレーカー(遮断器) 技術開発実態分析調査報告書
2014/11/1 ブレーカー(遮断器) 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)