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感性の数値化と新商品開発への活用

感性の数値化と新商品開発への活用

オンライン 開催

開催日

  • 2021年10月12日(火) 13時00分 16時15分
  • 2021年10月13日(水) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部. 「快適性」の数値化と新商品開発への応用

(2021年10月12日 13:00~14:30)

 近年、ストレス・快適性に関する多くの評価手法や計測技術が開発され、利用されているが、いまだに実験室での負荷試験などの評価が多く、心身両面からの統合的な評価や解析は、十分に行われていないのが現状である。
 そこで、本講義では、まず総論的にストレス評価や快適性評価法を理解した上で実際の計測や評価に必要不可欠な生理学的な評価技術、特に自律神経活動と中枢神経活動の評価を統合的に理解できるよう多くの計測技術を紹介したい。さらに評価上の課題についても浮き彫りにすることで香粧品やヘルスケアおよび機能性食品の開発評価への展開についても言及したい。

  1. ストレス・快適性とは?
    1. ストレス学概論:ストレス研究とストレス学説
    2. ストレスに関連する実態調査
      • 地域差
      • 年齢差
      • 性差等
    3. ストレス、快適性評価における生体反応概論
  2. ストレス・快適性と生理反応
    1. 中枢神経活動/自律神経活動/循環系/分泌系
    2. サーカディアンリズムと生体反応
  3. ストレス・快適性評価のための心理、生理関連計測技術の利点と課題
    1. 心理的評価法
        • SCL
        • POMS
        • STAI
        • CMI
        • SDS
    2. 生理的評価法1 : 自律神経系
      • 呼吸
      • 心電図
      • 血圧
      • 脈波等
    3. 生理的評価法2 : 分泌・循環系
      • 唾液
      • 皮膚血流
      • 皮膚温 等
    4. 生理的評価法3 : 中枢神経系
      • 脳波
      • NIRS
      • fMRI
      • SPECT
    5. 生理的評価法4 : 総合的評価
      • 体動
      • 睡眠 等
  4. ストレスが生活者の心理生理、健康に及ぼす影響
    1. 動かない疲れの解析 (勤労女性の実態と心理生理)
    2. 冷え性の解析 (女性の冷え実態と心理生理)
    3. 疲れ顔の解析 (疲れ顔の実態と心理生理)
    4. 生活リズムの解析
      • 睡眠
      • 覚醒
      • 空腹
      • 摂食との関係
  5. まとめと今後
    • 質疑応答

第2部. 「わくわく感」の数値化と新商品開発への活用

(2021年10月12日 14:45~16:15)

 私たちは、ワクワク感という興味と将来への期待を反映する感性状態を3軸で表現可能なアルゴリズムを見出し、さらに各軸を脳情報からリアルタイムに定量評価可能な感性メーターを開発しました。ヒトは同じ状況やモノを体感しても必ずしも同じ感覚を共有することは稀で、同じヒトであってもその時の体調や心理状態、周りの環境によって感性反応は様々です。そんな複雑な人の心理状態である感性を感情や認知状態などの複数の心理軸の複合体として把握することで、刻々と変化する感性反応の定量評価につながります。
 本講演では、脳科学的知見を応用して社会実装現場でも高精度かつ簡便に活用できるワクワク感評価システムについてご紹介します。

  1. 自己紹介
  2. 広島大学脳・こころ・感性科学研究センターの紹介
  3. 感性の概念
  4. 状態と特性を反映する感性
  5. 我々の感性モデル
  6. ワクワク感
  7. 実験方法
  8. 実験結果 (心理軸)
  9. 実験結果 (脳波指標)
  10. ワクワク感方程式
  11. リアルタイム化
  12. 社会実装化
  13. 実証検証ご紹介
  14. 今後の展望
    • 質疑応答

第3部. 「かわいい」の計測・評価と新商品開発への活用

(2021年10月13日 10:00~11:30)

 21世紀の高度情報化社会において、日本生まれのゲーム・マンガやアニメなどのいわゆるデジタルコンテンツが世界中に広がっている。一方、従来のものつくりの価値観である性能・信頼性・価格に加え、感性を第4の価値とする動きもある。日本生まれのデジタルコンテンツの人気の大きな要因には、高度な技術力と共に、キャラクタ等の「かわいさ」があると考え、日本の人工物 (工業製品やサービス) が世界的競争力を持つための感性価値として、「かわいい」に着目した。そこで人工物の「かわいい」という感性価値を対象に、物理的属性を系統的に解析する研究を行ってきた。
 今回は、研究の動機、文化的背景、かわいい形、色、大きさ、質感に関する系統的な実験・解析による研究結果、生体信号による計測事例を紹介する。また応用事例にも言及する。

  1. はじめに
    1. 科学技術が現代社会にもたらした諸問題
    2. 今、科学技術に要求されていること
    3. 感性価値創造イニシアティブ
    4. 日本生まれのデジタルコンテンツと「かわいい」
    5. 研究のターゲット
  2. 文化的背景
  3. 「かわいい」人工物の系統的計測・評価方法
    1. 簡単な予備実験
    2. 2次元図形におけるかわいい形・色
    3. 3次元図形におけるかわいい形・色
    4. かわいい色の詳細な実験
    5. かわいい質感 (見た目の質感)
    6. かわいい触感
    7. かわいい感の生体信号による計測
    8. かわいい大きさの生体信号による実験
    9. かわいい大きさに関する詳細な実験
    10. かわいいオブジェクトのAR提示と心拍
    11. わくわく系かわいいと癒し系かわいい
    12. ぬいぐるみを見たときの「かわいい」感の心拍による評価
    13. ラッセルの円環モデル
  4. 日本感性工学会「かわいい感性デザイン賞」の紹介
  5. 新商品開発への適用
    • 質疑応答

第4部. 「使いやすさ」の数値化と新商品開発への活用

(2021年10月13日 12:15~13:45)

 脳と身体はしばしば二元論のように対比されたり、別々に論じられたりすることがあります。近年の生理測定技術によれば、その脳はその身体とともに体内にネットワークを構築し、成長とともにお互いに唯一無二の存在となっていることが示唆されています。人間に備わった感性は、身体の情動プロセスがいわばテンプレートとして脳内に構成されたものと理解できます。感性は、直観による認識と、外界に合わせた判断や運動の出力を可能にします。脳と身体の連合は生命維持を目的とする機能であり、人類が700万年をかけて自然環境に適応して獲得してきた能力です。
 このような背景の元で、感性の原理と身体反応に基盤をおいた数値化の方法に迫ります。

  1. 生物学的適応
    1. 日常的な行動に現れる感性
    2. 感性の発現メカニズム
    3. 感性と身体機能によって作られる認知や行動
    4. 世代間ギャップの生物学的意味
    5. 人類に普遍的な特性
  2. 感性の評価方法
    1. 主観評価は妥当か
    2. 生理測定の意義
  3. 人間工学で使われる生理測定方法の例
    1. 電気生理学的方法の基礎
      1. 増幅とフィルタリング、記録
      2. 電極の装着
    2. 筋電図
      1. 筋電図の発生機序
      2. 筋電図の意味
      3. 筋電図の解析方法
    3. 脳波
      1. 背景脳波
      2. 脳波の解析方法
      3. 事象関連電位
    4. 心電図
      1. 心電図の人間工学的測定解析方法
    5. 脈波
      1. 脈波の測定解析方法
    6. 皮膚電気活動
      1. 皮膚電気活動の測定解析方法
    7. 主観評価の測定方法例
    8. 運動の測定方法例
    9. 将来予想
    • 質疑応答

第5部. 製品開発におけるデザインの感性評価

(2021年10月13日 14:00~15:30)

 商品開発におけるデザイン評価では、機能的な評価は基準が明確で実施しやすい反面、感性的な要因については客観的な指標が確立されているとは言えません。デザインが持つ感性的な訴求内容や効果は、感覚的なイメージ用語で語られるだけの場合が多く、客観的な説明がされてきませんでした。感性的な要因は主観的で、客観的に扱うのが困難と考えがちです。しかし一方で、共通する感覚や価値判断が一定の範囲で成り立っていることも事実です。
 そこで、デザインの検討や評価に際して参考となる、デザインの感性評価に関する方法や事例を紹介します。

  1. デザイン評価
    1. デザイン評価の目的
    2. デザイン評価の方法
    3. デザイン評価の課題
  2. 感性工学
    1. 感性工学における感性
    2. 感性工学の目的
    3. 感性工学とデザイン
  3. デザインと感性評価
    1. 感性評価とは
    2. 感性評価の方法と課題
    3. 感性評価研究の事例
    • 質疑応答

第6部. AIによる感性価値のモデル化と商品開発への応用

(2021年10月13日 15:45~17:15)

 豊かで持続可能な社会の実現 (SDGs) には、質的な発展が不可欠である。またSociety 5.0がめざす人間中心の「創造社会」の実現においても、心の豊かさをもたらす新しい科学技術が重要になっている。
 人の感じ方を定量化し、製品設計に役立つ客観的なものさし (メトリック) を作る感性価値指標化技術の研究を、多くの先進企業とオープンスパイラル型の連携をとりながら進めている。とくにAIやビッグデータ分析を活用し、個々人の多様で潜在的なニーズに対し、モノやサービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供する「ビスポーク (個人最適化) デザイン」「感性AIソムリエ」「感性マイニング」等の技術について紹介する。

  1. 感性価値創造技術の概要
    1. 感性価値とは
    2. 感性価値の計測・分析法
      • 心理学 (官能) 的方法
      • 生理学的方法
      • 行動学的方法
  2. AIによる感性価値の指標化・モデル化技術
    1. 深層学習による感性価値の数値化
    2. 指標化事例1:感性AIソムリエ
    3. テキストマイニングによる感性価値の構造化
    4. 指標化事例2:感性マイニング
  3. 感性研究の最新動向
    1. 新しい知見や手法の紹介
    2. 感性研究の最近の流れと産業界の動向
    • 質疑応答

講師

  • 矢田 幸博
    花王 株式会社 栃木研究所
    主席研究員
  • 町澤 まろ
    広島大学 脳・こころ・感性科学研究センター
    特任准教授
  • 大倉 典子
    芝浦工業大学
    名誉教授 / 特任教授
  • 下村 義弘
    千葉大学 大学院 工学研究科
    教授
  • 佐藤 弘喜
    千葉工業大学 デザイン科学科
    教授
  • 長田 典子
    関西学院大学 人間システム工学科
    教授

主催

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