技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品製造現場での品質リスクマネジメント導入と活用事例

医薬品製造現場での品質リスクマネジメント導入と活用事例

~必要となるGMP上の要件 (SOP作成) からリスク特定、リスク評価の具体的な事例~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年6月21日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部『品質リスクマネジメントにおけるリスクコミュニケーションとリスクレビューの基本的な考え方』

(2019年6月21日 10:30〜12:15)

 品質リスクマネジメントは製品に対する理解を深め、第3者とのコミュニケーションを促進するシステム及びツールを提供している。しかしながら、この概念は阿吽、忖度が得意な日本人にはなじみが薄く、理解しにくいのが現状である。
 なぜリスクマネジメントが必要なのかを踏まえ、品質リスクマネジメントの概要、リスクコミュニケーション、リスクレビューの基本的考え方について解説する。何のために品質リスクマネジメントを行うのかを理解し、その上で、どのように品質リスクマネジメントを行うのかを理解し、実践できるようする。

  1. 品質リスクマネジメントに関する背景
  2. 品質リスマジメント (ICH Q9) と医薬品品質システム (ICH Q10)
  3. リスクコミュニケーション
    1. リスクコミュニケーションとは
    2. リスクコミュニケーションの対象
    3. リスクコミュニケーションの手段
      1. リスクコミュニケーションにおける文書化のポイント
  4. リスクレビュー
    1. リスクレビューとは
    2. リスクレビューの目的とポイント
    3. レビューチームと意思決定者
  5. 製品ライフサイクルにおけるリスクコミュニケーションとリスクレビュー
    1. 開発段階
    2. 技術移転段階
      1. 技術移転開始段階
      2. 承認申請段階
      3. 工業化検討段階
    3. 承認申請段階
    4. 生産段階
  6. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

第2部『生産移管に向けた研究開発段階におけるリスク評価の事例』

(2019年6月21日 13:00〜14:15)

 医薬品製造を生産部門に技術移管するにあたり、製剤開発段階において実施しているリスク評価を紹介する。
 医薬品製造におけるリスクは、研究開発段階から特定・管理していくべきである。また、研究開発段階におけるリスク評価の手順や方法、結果を知ることは、製品のより深い理解に繋がる。
 本講習会では、実際に行われているリスク評価について事例を交えながら紹介する。研究開発段階におけるリスク評価の実情を知っていただくと共に、生産現場からの意見をいただきながら、ディスカッションを通じて相互理解や改善すべき点についても議論したい。

  1. はじめに
    1. 自社紹介 (日本新薬株式会社)
  2. 製剤研究開発現場におけるリスク評価とは
  3. 研究開発段階におけるリスク評価の流れ
  4. 目標製品品質プロファイル (QTPP) と重要品質特性 (CQA) の設定
    1. QTPPとは何か
    2. CQAとは何か
    3. QTPPとCQAの設定
  5. 物質特性 (MA) と工程パラメータ (PP) の洗い出し
    1. MAとPPについて
    2. ブレインストーミングについて
    3. ブレインストーミングの事例
  6. 初期リスクアセスメント (潜在的重要物質特性p-CMAの抽出)
    1. CMA、p-CMAとは何か
    2. 初期リスクアセスメントについて
    3. 予備危険限分析 (PHA) について
    4. PHAを用いた初期リスクアセスメントの事例
  7. 重要物質特性 (CMA) の特定と故障 (欠陥) モード影響解析 (FMEA)
    1. チャレンジテストによる仮説 (初期リスクアセスメン) の評価と検証
    2. 故障 (欠陥) モード影響解析 (FMEA) について
    3. FMEAによるリスク分析表作成の事例
  8. 実験計画法を用いた重要工程パラメータ (CPP) の特定
    1. ブレインストーミングを用いた潜在的重要工程パラメータ (p-CPP) の特定
    2. 実験計画法によるCPPの特定
    3. 実験計画法の基礎
    4. 実験計画法によるCPP特定の事例
  9. 工業化研究によるリスクの検証、管理戦略 (案) の策定
    1. 工業化研究によるリスクの検証
    2. 工業化研究における実験点設定の事例
    3. 管理戦略 (案) の策定
  10. 技術移管
    1. 技術移管の重要性と技術移管する情報
  11. バリデーション
  12. 継続的なコミュニケーション
    • 質疑応答・名刺交換

第3部『医薬品製造現場におけるリスクマネジメントのSOP作成とリスク評価事例』

(2019年6月21日 14:30〜16:30)

 GMPの下で行われる医薬品製造は、そこに存在するいろいろなリスクに対して適切な対応をとることで初めて患者さんに信頼されるものとなる。本講座では、こうしたリスクに基づいた取組みの基本を紹介した上で、代表的なリスク特定から評価までの事例を基にリスクマネジメントのポイントとそこに含まれる課題について解説する。
 リスクマネジメントを実践する際に必要となるGMP上の要件 (SOP作成) から実際にリスク特定、リスク評価の具体的な事例の紹介を通して、そこに含まれる課題・留意点、そして知識管理、さらにはライフサイクルマネジメントにつながる一連の活動について理解できるようにすることを目的として解説を行う。

  1. 医薬品品質保証の歴史をたどる
    1. GMPとバリデーション – ポイント課題 –
    2. なぜリスクマネジメントが必要になったのか – 経験から科学へ –
    3. 今Quality Cultureの醸成が求められている
  2. リスクマネジメントについて理解する
    1. これまでと何が違う – リスクマネジメントの定義 –
    2. Formal & Informal Processを理解しよう
    3. Worst-Case Approachについて理解する
    4. リスクマネジメントを通した製品のライフサイクルマネジメント
  3. GMPでは、Planが必要 – リスクマネジメントSOP作成 –
    1. GMPが求めているプロセスを理解する
    2. リスクマネジメントに係るSOPの事例 – 書いてよいこといけないこと –
  4. リスクマネジメントと知識管理
    1. リスク評価は、誰がやるのか
    2. 知識管理がなぜ重要となっているのか
      1. 知識管理とは何か
      2. 暗黙知から形式知へ
    3. 全てのリスクを明らかにすることはできるのか
      1. 開発研究におけるリスクへの取り組み
      2. 製造現場でのリスクへの取り組み
    4. 開発から製造現場へ、どうバトンを渡すべきか
  5. リスク評価の具体的な事例
    1. 原材料供給業者管理にみるリスクマネジメントのポイント
    2. 共用ラインにおける交叉汚染に対するリスクマネジメントのポイント
    3. 洗浄プロセスにおけるリスクマネジメントのポイント
    4. 製造装置に対するリスクマネジメント – URS作成のポイント –
  6. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 一色 信行
    キッセイ薬品工業 株式会社 研究統括部 研究企画室 研究推進グループ
    マネージャー
  • 安田 昭仁
    日本新薬 株式会社 CMC技術研究部 製剤開発担当
    係長
  • 宮嶋 勝春
    NANO MRNA 株式会社
    顧問

会場

ビジョンセンター浜松町

4F Iルーム

東京都 港区 浜松町2-8-14 浜松町TSビル 4階,5階,6階 (受付6階)
ビジョンセンター浜松町の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,500円 (税別) / 51,300円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,000円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 25,000円(税別) / 27,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,500円(税別) / 51,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 81,000円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/8 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/5/8 フロー合成・連続生産・マイクロリアクター/スケールアップコース (2日間) オンライン
2024/5/8 核酸医薬品の特許戦略 オンライン
2024/5/9 薬価申請・原価計算方法と交渉で有効なデータ取得ならびに資料作成の重要ポイント オンライン
2024/5/9 無菌・滅菌製品、滅菌プロセス、滅菌バリデーション業務者教育コース (初級・入門 Aコース + 中・上級 Bコース) オンライン
2024/5/9 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/9 滅菌の基礎と滅菌バリデーション入門 オンライン
2024/5/10 データインテグリティに対応した紙ベースのGMP文書・記録の作成、保管、管理、廃棄のポイント オンライン
2024/5/10 具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と規格設定 オンライン
2024/5/10 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/5/14 入門者のための基本から学ぶGMP オンライン
2024/5/14 診断薬業界に求められるビジネスモデルと事業・製品戦略 オンライン
2024/5/15 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/15 ユーザビリティエンジニアリング要点セミナー オンライン
2024/5/16 医薬品ライセンス契約のドラフティングと紛争回避・解決のポイント オンライン
2024/5/16 NGSを用いたウイルス管理 オンライン
2024/5/16 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2024/5/17 データインテグリティを踏まえたGMP文書・SOP・記録の作成と管理 オンライン
2024/5/17 医薬品製剤の生物学的同等性とその定量的な予測方法の現状 オンライン
2024/5/20 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP - QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/18 医療機器の設計・開発時のサンプルサイズ設定と設定根拠