技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品の品質・安定性向上のポイント 基礎講座

バイオ医薬品の品質・安定性向上のポイント 基礎講座

~凝集体発生のメカニズム/製剤安定性予測の考え方~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年11月17日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 医薬品の研究・開発・製造に携わる技術者、研究者、担当者、管理者

プログラム

 抗体医薬などのバイオ医薬品は、長期間にわたり安定に保存可能な製剤とする必要がある。特に近年は、凝集体の免疫原性が懸念されていることから、凝集体の正確なモニタリング、発生機構の理解、および発生の抑制は重要な課題である。
 本講演では、バイオ医薬品の製剤の理解に必須となる蛋白質溶液物性の基礎知識についてレビューを行ったのち、バイオ医薬品の凝集体発生のメカニズムを解説し、ケーススタディを交えながら、各種添加物による安定化機構や添加の際の注意点について説明する。また、製剤安定性予測についてのケーススタディも紹介する。バイオ医薬品の凝集体の免疫原性が懸念される背景をメカニズムの観点から解説するとともに、適宜、凝集体についてレギュレトリーサイエンスの観点からの動向についても述べる。バイオ医薬のCMCに関連した分析や研究を行う際に必要となる基礎知識の習得が本講演のゴールである。

  1. バイオ医薬の物理化学分析に関する基礎知識
    1. タンパク質、抗体の取扱に必要な基礎的知識
      1. 一次構造、二次構造、三次構造、高次構造
      2. 濃度決定
      3. 化学構造変化
      4. 変性
  2. バイオ医薬品と凝集体
    1. バイオ医薬品に含まれる凝集体研究の現状、免疫原性との関係
    2. 凝集体の分類
      1. 解離会合
      2. 物理ストレスとの関係
      3. サイズによる分類
      4. 特性解析と規格との関係
    3. 粒子サイズに応じた分析法 0.1〜0.2μm以下
      1. HPLCSEC
      2. 超遠心沈降速度法 (AUC – SV)
      3. フィールドフローフラクショネーション (FFF)
      4. 動的光散乱法 (DLS)
    4. 粒子サイズに応じた分析法 0.2〜2μm
      1. 濁度測定
      2. 共鳴質量測定法
      3. 粒子トラッキング法
      4. レーザー回折法
    5. 粒子サイズに応じた分析法 2μm以上
      1. デジタルフローイメージング (DFI)
      2. パーティクルカウンター (光遮蔽法)
      3. その他の方法
    6. バイオ医薬品における凝集体関連情報
      1. 2014年8月発表”Guidance for Industry” について
      2. USP787について
  3. タンパク質の安定性と凝集メカニズム
    1. タンパク質の安定性
      1. コロイド安定性と構造安定性
      2. コロイド安定性とDLVO理論
      3. 構造安定性と自由エネルギー変化
    2. タンパク質の凝集メカニズム
    3. 第2ビリアル係数、拡散係数の濃度依存性
  4. タンパク質の電気的性質、安定性とpH
    1. タンパク質の等電点、ゼータ電位、ネットチャージ
    2. 溶液のpHとタンパク質の安定性
  5. タンパク質の安定性と溶媒組成、添加剤の効果
    1. タンパク質の安定性と塩
      1. ホフマイスター系列
      2. 塩とタンパク質の相互作用
      3. 塩によるタンパク質の安定化・不安定化
    2. タンパク質の安定性と糖類
      1. 選択的溶媒和
      2. 糖によるタンパク質の安定化
      3. 糖を添加する場合の注意点
    3. タンパク質の安定性と界面活性剤
      1. 界面活性剤とタンパク質の相互作用
      2. 界面活性剤によるタンパク質の安定化
      3. 界面活性剤を添加する場合の注意点
    4. タンパク質の安定性とその他の添加剤
      1. アミノ酸
      2. アルコール
  6. 凝集体の免疫原性
    1. 抗体産生のメカニズム
      1. T細胞依存的抗体産生
      2. T細胞非依存的抗体産生
    2. 免疫原性の評価法
      1. 各手法の原理
      2. 各手法の特徴・比較
      3. 各手法の測定例
    3. 免疫原性の要因となり得る因子
      1. アミノ酸配列
      2. 修飾状態
      3. 凝集体
    4. 免疫原性を低減させる方法
    5. 免疫原性の予測法
      1. in silico
      2. 細胞アッセイ
      3. 動物モデル

会場

江東区文化センター

3F 第3研修室

東京都 江東区 東陽四丁目11-3
江東区文化センターの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき 43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき 23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/19 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2024/12/19 造粒・打錠・コーティング製造技術とスケールアップ/打錠障害・品質異変の防止・対策 オンライン
2024/12/19 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2024/12/19 医薬品製造施設 (バイオ、合成原薬、固形製剤、無菌製剤) の構造設備に関わるGMP講座 オンライン
2024/12/20 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2024/12/20 医薬品開発段階での処方・製法変更におけるBE試験の考え方と生物学的同等性確保のための開発戦略 オンライン
2024/12/20 QA業務 (GMP監査・自己点検) 入門講座 オンライン
2024/12/20 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/23 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2024/12/23 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2024/12/23 PIC/Sを踏まえた治験薬GMPガイドラインと運用上の注意点および三極 (日米欧) 規制の解説 オンライン
2024/12/23 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2024/12/23 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン
2024/12/23 GMP省令対応:医薬製造所における製品品質照査と品質システムの構築 (PQS) オンライン
2024/12/24 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2024/12/24 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2024/12/24 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン
2024/12/24 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン
2024/12/25 グローバル開発における承認申請のための医薬英語/英文ライティング入門 オンライン
2024/12/26 原因解明に基づいた軽減戦略、擬陽性の削減戦略、スクリーニングのプラットフォームと管理戦略の提案 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2020/12/24 バイオ医薬品 (抗体医薬品) CTD-CMC記載の要点
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装