要点をわかりやすく学ぶ
製薬業界におけるデータインテグリティセミナー
~データの信頼性保証の方法と当局の査察方法・懸念事項とは / 当局が要求するデータの完全性を担保するには、どのような事項に留意するべきか~
東京都 開催
会場 開催
概要
本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
開催日
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2016年6月20日(月) 10時30分
~
16時30分
修得知識
- データインテグリティが重要視されるようになった理由
- データインテグリティは紙媒体、電子記録を問わず重要
- PIC/SやFDAが要求するデータインテグリティの要件
- FDAはデータの不正をどのように見破るのか
プログラム
製薬業界においては、大掛かりな製造記録や品質試験記録の改ざん事件が後を絶たず、規制当局にとっても患者の安全性を確保するために査察を強化しなければならなくなっています。
紙媒体であれ、電子記録であれ、記録 (データ) や文書の信頼性を担保することは極めて重要です。
インテグリティ (integrity) を辞書で引くと「誠実」という意味であることが分かります。では、データが誠実ということは何を意味するのでしょうか。その答えは、規制当局にとってデータが信用できるということです。そのためには、データは作成されてから現在までの経緯 (例:変更) がわかるようにしておかなければなりません。つまり紙媒体であれ、電子記録であれ監査証跡が必要です。監査証跡が必要ということは、データが生データだけではなく、メタデータも含めて完全でなければならないということです。したがって、データインテグリティは、しばしば意訳され「データの完全性」と訳されます。
ではいったい、データの完全性を担保するためには、どのような事項に留意するべきなのでしょうか。またデータインテグリティが失われた場合、何が問題になるのでしょうか。
昨今の製薬企業では、記録を手書きにより作成することは非常に少なくなりました。多くの場合、記録は電子で作成されます。しかしながら、記録の保管については電子記録を紙媒体に印刷したものに手書き署名 (記名・捺印) をするといったハイブリッドな使用方法が多くを占めます。しかしながら、ハイブリッドシステムでは不正が容易になってしまいます。つまり電子記録を改ざんした後に再印刷し、バックデートで署名するといった手口です。
電子記録と紙媒体の管理はどのように行うべきでしょうか。
一方において、FDAは1997年に21 CFR Part11を発行し、電子記録の信頼性に関する要求事項を明らかにしました。しかしながら、その要件には実現が困難なものも多くありました。特に問題となったのは、コンプライアンスコストです。規制当局は、患者の安全性を担保するために規制要件を強化する必要がありますが、規制要件を強化しすぎるとコンプライアンスコストを高める結果となってしまいます。製薬企業が負ったコンプライアンスコストは薬価に転嫁され、結果的には患者負担となってしまいます。すなわち、いたずらにコンプライアンスコストを高めてしまうことは、逆に患者に負担を強いる結果となってしまうのです。そこでFDAは、2003年に新しい医薬品監視指導方針として「リスクベースドアプローチ」という方法を発表しました。
FDAの最新のPart11の期待と指導はどのようになっているのでしょうか。
またFDAの査察官は、どのように電子記録の不正を見破るのでしょうか。
2015年には、イギリスのMHRAが「MHRA Data Integrity Definitions and Expectations」と呼ばれるガイダンスを発行しました。その内容は非常に参考になります。今後は世界の規制当局が同じようにデータインテグリティに関する期待を述べる機会が増えると思われます。
本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
- データインテグリティ入門
- なぜデータインテグリティか?
- データインテグリティが損なわれると何が問題か
- 生データとは
- 生データの管理方法とデータインテグリティ
- 紙媒体の管理方法
- 生データの監査方法と留意事項
- 紙記録と電子記録の相違点と留意事項
- データと文書の管理方法の相違点と留意事項
- 電子記録のデータインテグリティ
- 電子化におけるリスクとは
- 電子生データとは
- ALCOAとは
- 電子記録の管理方法
- ハイブリッドシステム (電子記録+手書き署名) の問題点
- 電子記録は絶対に削除してはならない
- Excelで電子記録を保管する際の留意点
- Part11の経緯と動向
- Part11の問題点とFDAの最新の期待と指導について
- 現在のPart11査察の実施方法
- コンピュータバリデーション (CSV) はどこまで必要か
- 規制当局のデータインテグリティに関する懸念事項
- 日本の当局と欧米の当局の査察方法の違いについて
- FDAの査察官はどのようにしてデータの不正をチェックするのか
- 規制当局が査察を効率化するための方策とは
- コンプライアンスコストとデータインテグリティ
- リスクベースドアプローチとは
- 品質システムアプローチとは
- ICH – Q10とデータインテグリティ
- GMPとデータインテグリティ
- 患者の安全性、データの完全性、製品の品質について
- 出荷判定の重要性
- QP (Qualified Person) とは
- 製造記録とデータインテグリティ
- 品質試験記録とデータインテグリティ
- PIC/S GMP Chapter 4における文書の管理について
- PIC/S GMP Annex 11にみるデータインテグリティ要求事項
- PIC/S GMP Annex 15にみるデータインテグリティ要求事項
- GCPとデータインテグリティ
- 臨床試験におけるデータインテグリティについて
- 臨床試験における症例データの管理と留意点
- 申請文書 (eCTD) の信頼性保証について
- ER/ES指針について
- MHRA Data Integrity Definitions and Expectations解説
- MHRA Data Integrity Definitions and Expectationsとは
- Data Governanceとは
- Original record / true copyとは
- コンピュータシステム導入の留意点
講師
村山 浩一 氏
株式会社 イーコンプライアンス
代表取締役
主催
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42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
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1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
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