技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

OOS/OOTの正しい理解と判断のポイント

OOS/OOTの具体的事例から学ぶ

OOS/OOTの正しい理解と判断のポイント

~安定性モニタリング、データインテグリティ、出荷試験データの統計的な視点~
オンライン 開催
  • ライブ配信セミナーには、特典としてアーカイブ配信が付きます。
  • アーカイブ配信の視聴期間は2024年11月13日〜19日を予定しております。
  • ライブ配信を受講しない場合は、「アーカイブ配信」をご選択ください。

概要

本セミナーでは、試験検査室管理について取り上げ、無通告査察に備えて試験検査室で注意することなどの実務ポイントを、PMDAおよびFDAの査察での事例をもとに解説いたします。

開催日

  • 2024年11月6日(水) 10時00分 16時30分

修得知識

  • 逸脱/OOS/CAPAの仕組み
  • PMDA/FDAの査察
  • 製造で品質を造り込む方法
  • 実際の事例から医薬品製造所で注意が必要な点

プログラム

 医薬品製造所のGMP不備/不正/回収が後を絶たないです。回収の大きな原因がQCにおける安定性モニタリングと出荷時におけるデータの扱い不備です。そこにはOOS/OOTのSOPやその運用が大きく影響しています。この問題はジェネリック医薬品だけでなく、全ての製造所においても程度の差こそあれ抱えている問題ではないでしょうか。
 福井県の製薬企業が健康被害を発生させたが、OOSをきちんと管理運用できていれば、問題のロットを出荷せずに済みました。富山県の製薬企業は100製品以上の回収を行っているが、その中には同じくOOSの管理運用の不備がありました。適切なOOS/OOTのSOPを作成し運用していれば、健康被害や製品回収を避けることができました。
 過去のエラーから十分学んでいるとエラーの70%は回避できると言っているヒューマンエラーの先生もいます。先ずは、仕組みをしっかり構築し、その上で実際の失敗事例を学ぶことで、判断する人の知識と判断力が向上します。
 FDAの査察において、QCのOOS/OOTはデータインテグリティを絡めて特に重点的にみられています。実際、多くの警告状はQCのOOS/OOTとデータインテグリティについてです。昨今、PMDAや県もQCの過去の安定性モニタリングと出荷試験の妥当性をOOS/OOTの視点で調査しています。
 OOS/OOTの適切な仕組みを学ぶ。欧米のガイドラインについても学ぶ。そして福井県と富山県の製造所のどこに問題があったかを検証します。また、溶出試験のOOS/OOT対応も難しいです。その対応についても紹介します。
 その他、OOS/OOTと関係するPMDAの指摘によると思われる製品回収事例から学ぶこと。かつ多くのOOS/OOTの事例からどう対応するかを学ぶ。安定性モニタリングとデータの取り扱いをOOS/OOTの視点から正しく判断し、製品回収を防ぐこと、またリスクのある製品について今手を打つことです。
 本セミナーはOOS/OOT中心にその関連することを事例から学ぶものです。多くのご質問を事前にいただけるとセミナー時に回答させていただきます。

  1. OOS/OOTについて
    1. OOS/OOTの考え方
    2. OOS/OOTの仕組みと違い
    3. OOTの導入について (工程能力指数CpとCpkの活用)
    4. OOTを3σに設定して何度もOOTが出ている事例対応
  2. ラボエラー調査
    1. ラボエラーチエックシート活用
    2. 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
    3. 明確なラボエラーが断定できない時
    4. 安定性試験で含量が低下事例を考える
      • ラボエラー有無
      • 過去の安定性試験のデータ参照
      • 標準品と検体の面積値検証
      • データ処理の確認
    5. 安定性モニタリングで溶出試験がOOS/OOTの対応事例
    6. 強熱残分試験のOOSの対応事例
  3. 製造工程の調査
    1. 該当ロットの逸脱確認
    2. 最近のロットの試験結果の確認
    3. 最近のインプロデータの確認
  4. 再試験/再サンプリングの問題点
    1. 再試験のための調査
    2. 試験者数と試験数
    3. 再試験の判定
    4. サンプリング時の問題有無
    5. 再サンプリングのための調査
    6. 再サンプリングの根拠
    7. OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
    8. 最初のデータを棄却するためにどうするか
  5. OOSが棄却できなかった時の対応
    1. 原因究明
    2. 是正対応 (CAPA)
  6. 外部試験委託先のOOS/OOTの管理
    1. 取決め事項作成
    2. 試験委託先とOOS/OOT報告・判断
    3. 外部試験機関のOOSの取り扱いミス
  7. CAPA (是正予防措置) の仕組みとSOP
    1. CAPAの仕組み
    2. SOP
    3. 運用
    4. CAPAが正しく実施されていることの根拠としての記録
    5. KPI (Key Performance Indicator) として
  8. 海外のOOSのガイダンス (EU&FDA)
    1. EUのガイダンス
    2. FDAのガイダンス
  9. OOSの事例と対応
    1. 錠剤硬度のOOTの事例対応
    2. 海外製造所のOOS調査不備による欠品リスクの事例
    3. ラボエラー原因の製品回収
  10. 福井県と富山県の製造所の第三者委員会報告からの学び
    1. 福井県の製造所
    2. 富山県の製造所
  11. OOSで頭を悩ました事例
    1. 事例1:A顆粒
    2. 事例2:Bカプセルの溶出試験
    3. 事例3:品質再評価
    4. 事例4:Cバルク (原薬)
  12. ジェネリック医薬品品質情報検討会
    1. ジェネリック品の溶出試験の課題
    2. 先発品も同じ問題を抱えている
    3. 溶出挙動が異なった場合の対応
  13. 査察時のOOS/OOTの確認
    1. プラントツアーでの査察時の質問
    2. OOS/OOTのSOPと実際の確認
    3. OOS/OOTの事例の確認
  14. 安定性モニタリングの実施 (25°C×60%) のOOS対応
    1. 25°C×60%と承認当時保管条件空欄 (成り行き室温) 結果の相違時
    2. 25°C×60%への対応
    3. 製品回収の多い溶出試験の正しい理解 (溶出試験での製品回収を防ぐ)
    4. 「当面の間は、申請時の長期保存条件を…」について (2022年GMP事例集より)
  15. 海外製造所品の溶出試験齟齬対応
    1. 海外製造所と受け入れ試験結果の不一致
    2. 話し合いの結果
    3. 取り決め事項への反映
  16. 国内販売品の販売移管時の品質評価 (溶出試験)
    1. 移管時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  17. 海外販売品導入時の品質評価 (溶出試験)
    1. 導入時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  18. 統計・確率 データの意味すること
    1. バラツキ、3σの考え方
    2. 福井県のOOSが出たデータの見方
    3. 出荷時のデータの見方
    4. 安定性モニタリングでのデータの見方
    5. 溶出試験のデータの見方
  19. 申請時の規格設定の考え方 (承認後のリスクを高めない)
    1. 日局収載時の規格の見直しについて
    2. 規格幅の設定
    3. 経年品の低下 (安定性試験結果の反映)
    4. 類縁、不純物
    5. 1包装から複数回サンプリング、1包装1サンプルを採取の違い
  20. FDAの警告状
    1. OOS
    2. データインテグリティ
  21. PIC/Sガイダンス データインテグリティ
    1. ガイダンスを理解する
  22. 品質リスクの項目
    1. 品質のよくないものが出荷される/製品苦情として来る
      • 不適切な、逸脱/OOS対応
      • 年次安定性試験における規格不適合
      • 製品苦情で回収対象となる苦情
      • 法定表示違反
    2. レギュレーションへの不適合
      • 製造販売承認書の記載事項から逸脱する
      • 変更管理が適切でなく、製造販売承認書に反映されない
      • 原薬/委託先管理が適切でなく、製造販売承認書に反映されない
    3. 査察 (GMP適合性調査含む) での不適合
      • 新製品申請時のGMP適合性調査に期日まで適合しないため、 新製品の承認が遅れる
      • 定期あるいは一変時のGMP適合性調査で問題点が見つかり製造に影響する
      • 外部の査察での不備が、自社にも影響する
  23. GMP査察の指摘事項から学ぶ
    1. 無通告査察
    2. PMDAの指摘事項
    3. オレンジレターのQC指摘事項
  24. 無通告査察対応のSOP作成と模擬練習
  25. 代替試験法
    1. 日局
    2. 事例集
    3. 通知
  26. QCの不正を防ぐには
    1. 過去の試験検査の不正事例
      • TMの不溶性微粒子試験実施せず
      • M製薬のデータ捏造
      • NPの秋田県製造所のデータ捏造
    2. 不正を行うとどのようなことになるかの教育訓練
    3. うっかりミスは寛容、意図的な不正は厳罰に処罰する評価制度
    4. 心理的安全性
    5. 「性弱説」
  27. 人が創る品質/Quality Culture (偽造/偽証防止含む)
    1. 環境モニタリング不正
    2. 知らない内に犯罪行為 (SOP違反) を行っている事例
    3. FDAのQuality Culture
    4. 日本の品質文化

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 40,000円 (税別) / 44,000円 (税込)

受講者の声

  • 業務課題に沿った内容で非常に有益でした。テキストは分厚くて驚きました。
  • 事例の紹介と併せて、本質や考え方について学べてよかったです。ありがとうございました。
  • とても勉強になりました。私はQCで試験業務に従事していますが、日々の業務に追われ、肝心のデータを丁寧に考察するということができていなかったと反省しました。化学的知識だけでなく統計的な知識も必要になるということで、どこまでも勉強が必要になってくる大変な仕事だと痛感しましたが、逆にやる気が出てきました。ありがとうございます。
  • 前任者に言われたから…と思考停止せず、自分の質・知識を高めていきたいと思います。先生のHPのほうも拝見したいと思います、ありがとうございました。
  • たくさんの事例を紹介いただき参考になりました。社内での実務に少しでも活かしていきたいと考えます。

複数名同時申込割引について

複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 40,000円(税別) / 44,000円(税込) で受講いただけます。

  • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
  • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 80,000円(税別) / 88,000円(税込)
  • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 120,000円(税別) / 132,000円(税込)

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

  • 「Zoom」を使ったライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルを配布予定です。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

ライブ配信セミナーをご希望の場合

  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

アーカイブ配信セミナーをご希望の場合

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • アーカイブ配信の視聴期間は2024年11月13日〜19日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/6 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2025/1/6 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2025/1/6 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2025/1/7 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2025/1/8 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2025/1/8 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2025/1/8 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2025/1/8 薬価申請・原価計算方法の実際と交渉で有効なデータ取得・資料作成のポイント オンライン
2025/1/9 注射剤の異物検査の方法と基準設定及び異物低減方法 オンライン
2025/1/9 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2025/1/9 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2025/1/9 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/10 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/1/10 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2025/1/13 体外診断薬の海外市場を踏まえたマーケティング戦略策定 オンライン
2025/1/14 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2025/1/14 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2025/1/14 QA業務 (GMP監査・自己点検) 入門講座 オンライン
2025/1/14 医療機器プログラムにおける該当性判断のポイントと事業化への留意点 オンライン
2025/1/14 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策