技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

データインテグリティの具体的な手順書作成セミナー

データインテグリティの具体的な手順書作成セミナー

~データインテグリティ書籍付 / 紙媒体・電子記録:記録 (データ) や文書の信頼性をどのように担保すべきか~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
また、データインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

開催日

  • 2024年10月10日(木) 13時30分 16時30分

修得知識

  • 改正GMP省令で要求されるデータインテグリティに関する手順書の作成
  • データインテグリティが重要視されるようになった理由
  • データインテグリティは紙媒体、電子記録を問わず重要
  • PIC/SやFDAが要求するデータインテグリティの要件
  • FDAはデータの不正をどのように見破るのか
  • データインテグリティに関する手順書の作成方法
  • データインテグリティSOPのサンプルを配布

プログラム

 製薬業界においては、患者の安全性を確保するためにデータインテグリティに関心が高まっています。紙媒体であれ、電子記録であれ、記録 (データ) や文書の信頼性を担保することは極めて重要です。改正GMP省令では、データインテグリティに関する手順書の整備が求められます。いったいどんな手順書を作成すれば良いのでしょうか。
 データインテグリティに関する手順書は、企業や組織で1冊作成すれば良いというものではありません。現存の関連するすべての手順書にデータインテグリティを保証するための手順を埋め込んでいかなければなりません。インテグリティ (integrity) を辞書で引くと「誠実」という意味であることが分かります。では、データが誠実ということは何を意味するのでしょうか。その答えは、規制当局にとってデータが信用できるということです。そのためには、データは作成されてから現在までの経緯 (例:変更) がわかるようにしておかなければなりません。つまり紙媒体であれ、電子記録であれ監査証跡が必要です。
 監査証跡が必要ということは、データが生データだけではなく、メタデータも含めて完全でなければならないということです。したがって、データインテグリティは、「データの完全性」と訳されます。ではいったい、データの完全性を担保するためには、どのような事項に留意するべきなのでしょうか。またデータインテグリティが失われた場合、何が問題になるのでしょうか。
 昨今の製薬企業では、記録を手書きにより作成することは非常に少なくなりました。多くの場合、記録は電子で作成されます。記録の保管については電子記録を紙媒体に印刷したものに手書き署名 (記名・捺印) をするといったハイブリッドな使用方法が多くを占めます。しかしながら、ハイブリッドシステムでは不正が容易になってしまいます。つまり電子記録を改竄した後に再印刷し、バックデートで署名するといった手口です。電子記録と紙媒体の管理はどのように行うべきでしょうか。
 一方において、FDAは1997年に21 CFR Part11を発行し、電子記録の信頼性に関する要求事項を明らかにしました。しかしながら、その要件には実現が困難なものも多くありました。特に問題となったのは、コンプライアンスコストです。規制当局は、患者の安全性を担保するために規制要件を強化する必要がありますが、規制要件を強化しすぎるとコンプライアンスコストを高める結果となってしまいます。製薬企業が負ったコンプライアンスコストは薬価に転嫁され、結果的には患者負担となってしまいます。すなわち、いたずらにコンプライアンスコストを高めてしまうことは、逆に患者に負担を強いる結果となってしまうのです。そこでFDAは、2003年に新しい医薬品監視指導方針として「リスクベースドアプローチ」という方法を発表しました。FDAの最新のPart11の期待と指導はどのようになっているのでしょうか。またFDAの査察官は、どのように電子記録の不正を見破るのでしょうか。
 2015年には、イギリスのMHRAが「MHRA Data Integrity Definitions and Expectations」と呼ばれるガイダンスを発行しました。その内容は非常に参考になります。今後は世界の規制当局が同じようにデータインテグリティに関する期待を述べる機会が増えると思われます。
 本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。またデータインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

  1. はじめに
    • GMP省令の一部改正
    • 改正GMP省令 目次
    • 改正GMP省令の要点 (追加・変更の要件)
    • 患者やユーザ (消費者) にフォーカスする
    • 何のためにデータインテグリティは重要なのか?
    • データインテグリティが失われた際のインパクト
    • 規制当局の関心事
    • ANNEX 11改定版 (2013.1.1より施行)
  2. Risk Management リスク管理
    • リスクベースドアプローチの必要性
    • 製品とプロセスの理解
  3. データインテグリティの誤解
    • データインテグリティの誤解
  4. 改正GMP省令とデータインテグリティ
    • データインテグリティ (第8条に追加)
    • 逐条解説 (薬生監麻発0428第2号)
    • データインテグリティ (第20条に追加)
    • 逐条解説 (薬生監麻発0428第2号)
  5. データインテグリティとは
    • インテグリティ (integrity) とは
    • データインテグリティとは
    • データインテグリティの保証
    • データインテグリティ侵害のいくつかの原因
    • なぜデータインテグリティは企業にとってハードなのか
    • データインテグリティのための4つの重要なステップ
    • どのような教育? どのようなコミュニケーション?
    • どのようにリスクをコミュニケートしているかの例 …. そして関連するインパクト
    • 文化と教育は強力なデータ整合性の考え方の基盤である
    • 人は常にコントロールの要素である
    • リスクを理解する: 既知のリスク領域
    • データインテグリティを脅かすリスクの例
    • DLCPM*を通じてリスクを理解
    • プロセス&システム:リスクの発現を防ぐ
    • DI問題に対処する総合的な枠組みの確立
    • アウェアネスにより多くの問題に気付く
  6. 用語の定義
    • 用語の定義
  7. 電子生データとは
    • 電子データは何回コピーしても“生”である
    • 生データとは
    • 生データの取り扱い
    • (生) データの取り扱い
    • 動的データと静的データ
  8. ALCOAとは
    • 1999.4
      • jFDA “Computerized Systems Used in Clinical Trials”
    • 2007.5
      • jFDA “Computerized Systems Used in Clinical Investigations”
  9. SOPの作成方法
    • データインテグリティに関するSOP作成の留意点
    • データインテグリティのためのステップ
    • 関連する手順書の改訂のための前準備
    • 関連する手順書の改訂
  10. ハイブリッドシステムの問題点
    • FDAは、21 CFR Part 11施行に伴い、バリデーションの概念を変えた
    • 監査証跡の重要性とは
    • 監査証跡を吹っ飛ばす行為には3種類ある
    • 紙が正か、電子が正か? 〜よくある主張〜
    • タイプライター・イクスキューズとは (Part11における議論)
    • タイプライター・イクスキューズは、日本においても通用しない
    • ハイブリッドシステムとは
    • ハイブリッドシステムの問題点
    • 良くある間違い
    • Excelの問題点
    • Excelの管理の留意点
    • システムが適正にバリデートされれば、電子記録の信頼性は紙媒体よりも高い
    • 質疑応答

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

受講特典

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/16 炎症性腸疾患における治療・薬剤選択の実際と今後の展望 オンライン
2025/1/17 遺伝子治療薬の開発・薬事戦略と承認取得 オンライン
2025/1/17 CMC領域における資料作成とデータ・記録の運用管理の注意点 オンライン
2025/1/17 洗浄バリデーションでの洗浄方法選択、残留限度値とホールドタイム設定 オンライン
2025/1/17 細胞培養 超入門講座 オンライン
2025/1/20 GMP業務の前に最低限知るべき12の重要事項 オンライン
2025/1/20 再生医療等製造施設におけるGCTP (製造管理・品質管理) 対応のポイントと査察対応 オンライン
2025/1/21 不具合発生の可能性を予測し、未然に原因を排除するための変更管理・逸脱管理 (リスクのクラス分類と運用の留意点) 東京都 オンライン
2025/1/21 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/21 相場観をふまえた医薬品ライセンス契約とライセンスフィー設定の課題 オンライン
2025/1/21 凍結乾燥製剤の基礎、スケールアップ技術とバリデーション実施のポイント オンライン
2025/1/21 分析法バリデーション超入門講座 オンライン
2025/1/22 洗浄バリデーションの基礎と残留許容値、回収率設定の科学的根拠の示し方 オンライン
2025/1/22 高効率を目的としたGVPにおける情報収集と自己点検、教育訓練 オンライン
2025/1/22 無菌医薬品の滅菌選択順位の考え方と無菌性保証における無菌試験の限界、並びにパラメトリックリリースの推奨 オンライン
2025/1/23 基礎から学ぶ原薬の製造プロセス変更時の留意点と同等性評価のポイント オンライン
2025/1/23 HAZOP入門講座 (2日間) オンライン
2025/1/23 オーファンドラッグ開発における情報収集ノウハウと疾患選択基準 オンライン
2025/1/23 中国市場における知財の特徴・現状/中国知識産権局からの審査の実態と対策及び裁判の実態と対策 東京都 会場・オンライン
2025/1/24 監査員の立場からみた製造記録の作成とレビュー・保管の具体的重要ポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/18 医療機器の設計・開発時のサンプルサイズ設定と設定根拠
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)