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リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化

リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化

~最適な分散条件の考え方 / 目的に合った装置の選定と条件設定~
オンライン 開催

開催日

  • 2024年5月31日(金) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の研究開発者、管理者

修得知識

  • アセチレンブラックを始めとするカーボンブラックの特性・特徴
  • リチウムイオン電池用途におけるアセチレンブラックの役割と活用テクニック
  • アセチレンブラックの分散の考え方、実践方法
  • リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に向けたアセチレンブラックの特長と活用法
  • 微粒子の生成方法
  • 乾式ビーズミルや湿式ビーズミルの基礎
  • ビーズミルの機種選定
  • ビーズミルの運転条件の設定方法
  • リチウムイオン電池用バインダーの基礎
  • リチウムイオン電池用バインダーの材料特性、要求特性、現状
  • スラリー作成時のレオロジー解析の考え方
  • バインダーにおけるPFAS問題の影響

プログラム

第1部 アセチレンブラック導電剤の分散性向上技術と電池特性の向上

(2024年5月31日 10:30〜12:00)

 カーボンブラックは、帯電防止や導電性付与の目的で樹脂やゴム、電池材料の添加剤として幅広く用いられています。
 本講演では、アセチレンブラックに関する製法、特性、物性評価法、並びに活用方法を解説します。リチウムイオン二次電池において、導電性を効果的に発現させるためには、適切なアセチレンブラックの選定に加え、配合、混練・分散と複数の要因があります。これらの要因について、技術的に重要な考え方についても解説します。
 本講座ではアセチレンブラックの導電性を最大限発揮し、リチウムイオン二次電池の特性向上に必要な知識と考え方について理解頂けるような講演にしたいと思います。

  1. はじめに
  2. アセチレンブラックの特性と用途
    1. 代表的な導電性カーボンブラック
    2. アセチレンブラックの特長と基本性状の評価方法について
    3. 導電性カーボンブラックの特性と用途
    4. リチウムイオン電池用途におけるカーボン系導電材の役割及びアセチレンブラックの適用
  3. アセチレンブラックの導電性メカニズムと分散性
    1. アセチレンブラックの代表的な品種
    2. 導電性、分散性に影響を及ぼす因子
    3. 高エネルギー密度化に向けた対応
  4. リチウムイオン二次電池の電極作製プロセスを事例にしたアセチレンブラックの分散技術
    1. 用途における分散の定義及び工程分散について
    2. 小粒径アセチレンブラックの活用術
    3. 分散の新しい評価技術
  5. 小粒径ABを使用したリチウムイオン二次電池の電池特性
    1. 小粒径化の効果と電池特性向上のメカニズム
    2. アセチレンブラックとカーボンナノチューブの併用事例
  6. 次世代アセチレンブラックへの課題と対応
    1. リチウムイオン二次電池用途の課題と導電材
    2. まとめ
    • 質疑応答

第2部 リチウムイオン電池用電極材料の微粉砕と分散技術

(2024年5月31日 13:00〜14:30)

 リチウムイオン電池用電極材料などを微粉砕または分散する工程には、微粉砕・分散機が用いられる。微粉砕・分散機には、さまざまな種類・特徴があるため、目的に合った装置を選定し、最適な条件で処理することが重要である。
 本講演では、微粉砕・分散機であるビーズミルを用いた微粉砕・分散技術を解説する。
 ビーズミルは効率よくナノ粒子を生成することが可能な装置であるが、操作条件の設定を誤ると再凝集の発生や微細化されたにもかかわらず粉体の特性や機能が低下する過分散が発生する場合がある。このビーズミルによる過分散を防止する方法も解説する。また、乾式粉砕と湿式粉砕を組み合わせることで実現する省エネルギー粉砕についても解説する。

  1. ビーズミル
    1. ビーズミルの利用分野
    2. ビーズミルの粉砕・分散原理
  2. 乾式ビーズミル
    1. 乾式ビーズミルの運転方法
  3. 湿式ビーズミル
    1. 湿式ビーズミルの運転方法
    2. 粉砕・分散効率に影響を与える因子
    3. 過分散
  4. 乾式粉砕と湿式粉砕の組み合わせで実現する省エネルギー粉砕
    • 質疑応答

第3部 リチウムイオン電池用バインダーの要求特性と使用方法、PFAS問題

(2024年5月31日 14:45〜16:15)

 バインダーは、いわゆる4大材料ではなく、電気を貯めるという電池の機能そのものに関与することもなく、極めて僅かしか使用されない材料です。しかし、4大材料と密接に関わって使用され、電池の性能を決定づけると言っても過言ではありません。しかし、あまり説明を専門的に聞く機会も少なく、どのような考え方でこの材料を用いているのか見えないことも多いと思います。
 そこで、今回はバインダーの基礎から、最近話題のPFAS問題まで分かり易く纏めて説明して行きたいと思います。

  1. リチウムイオン電池とバインダー
    1. リチウムイオン電池とはどんな電池か?
    2. バインダーの役割
    3. なぜPVDF、SBR+CMCなのか
  2. バインダーとレオロジー
    1. レオロジー解析で判る事
    2. 電池製造前工程におけるレオロジー
    3. 分散状態の把握
  3. リチウムイオン電池用バインダーとPFAS
    1. PFAS
    2. リチウムイオン電池とPFAS
    3. PVDF代替バインダー
  4. その他
    • 質疑応答

講師

  • 松井 瑞樹
    デンカ株式会社 千葉工場 電池・導電材料開発部
    研究員
  • 石井 利博
    アシザワ・ファインテック株式会社 微粒子技術研究所
    主任研究員
  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役

主催

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: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
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    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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