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海洋分解性プラスチックへの分解開始スイッチ機能の付与

海洋分解性プラスチックへの分解開始スイッチ機能の付与

~微生物、光をトリガーとした機構の導入 / 分解性と強度の両立~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、バイオプラスチックの基礎から実用化の現状、開発動向、将来展望、廃プラスチック・マイクロプラスチックによる海洋汚染を契機とする海洋生分解について詳解いたします。

開催日

  • 2023年12月13日(水) 10時30分 16時15分

修得知識

  • バイオプラスチックに関する基礎知識
  • バイオプラスチックの課題
  • バイオプラスチックの開発動向
  • プラスチックの海洋生分解に関する基礎知識
  • 新規な生分解性プラスチック開発の現状・方向性
  • 生分解速度に影響する材料側の因子と環境因子
  • 生分解スイッチの考え方
  • 生分解性プラスチックの海洋生分解
  • 海洋生分解性評価法

プログラム

第1部 海洋生分解機能発現の材料設計とスイッチ機能の付与

(2023年12月13日 10:30〜12:00)

 近年、マイクロプラスチックの海洋汚染が深刻になっている。プラスチックごみの中でも、とりわけ海洋へ流出する可能性が高いワンウェイ用途のプラスチックについては、海洋へ流出しても環境への負荷が小さい素材 (海洋生分解性プラスチック) へ代替することが社会的に切望されている。
 本講では海の微生物が表面に付着することで分解を開始するスイッチ機能を搭載したプラスチックや、その社会実装に向けた取り組みについて解説する。

  1. 多糖類の基礎
    1. デンプン
    2. セルロース
  2. プラスチック/多糖類複合材料
    1. 複合材料の基礎
    2. プラスチック/セルロース複合材料
  3. デンプン配合海洋生分解プラスチック
    1. デンプンとセルロースナノファイバー、生分解性プラスチックの複合化
    2. 多糖類をトリガーとするスイッチ機能の付与
    3. 海洋生分解のメカニズム
    4. 耐水性、耐衝撃性等の向上
    5. MBBP開発プラットフォーム
  4. 社会課題解決に向けて
    1. カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーとの関連
    2. 海洋プラスチックごみ問題との関連
    • 質疑応答

第2部 ポリロタキサンを活用したポリマー材料の強靭化と分解スイッチ機能の付与

(2023年12月13日 13:00〜14:30)

 高分子材料では、強靭性と分解性はトレードオフの関係にあり、両者を同時に実現することは一般的に困難である。我々は、ポリロタキサンを様々な高分子材料の添加剤として利用することで、高分子材料の強靭性と海洋生分解性を同時に向上することを目指している。ポリロタキサンは、ネックレス状の超分子であり、環状分子がスライドすることで局所的な応力を分散し、亀裂の進展を抑え、材料の引亀裂き強度などを向上することが知られている。また、ポリロタキサンはシクロデキストリンやポリカプロラクトンなどの海洋生分解性の分子から構成されていることから、添加剤として利用することで、高分子材料の生分解性を促進することが期待できる。本講では我々の研究成果を中心に解説する。

  1. ポリロタキサンについて
    1. 滑車効果による応力分散と伸長性、強靭性
    2. 海水分解性
  2. UV照射によるマルチロック分解
    1. ポリロタキサン架橋による使用環境かでの強靭化
    2. 光照射によるポリロタキサン構造の分解
    3. 分解菌による生分解の加速
  3. ポリマーの強靭化と分解性の両立事例
    1. ポリエステル
    2. ポリウレタン
    • 質疑応答

第3部 光増感剤を用いた海洋生分解性プラスチックの分解制御と分解性評価

(2023年12月13日 14:45〜16:15)

 海洋プラスチックごみ問題を解決する方策の一つして、生分解性プラスチックが期待されています。その使われ方は、包装材料のように不本意ながらごみ化する用途と肥料や水産用資材のように海洋ごみ化があらかじめ予想される分野とがあり、それぞれ想定される生分解材料も異なります。迅速な社会実装を進めるために、どのような材料、技術が求められるのか、考えたいと思います。

  1. 生分解性プラスチック (中山 氏)
    1. 開発が進む新規生分解性プラスチック
    2. 高分子構造と生分解性
    3. 生分解の制御
  2. 海洋生分解性の評価法 (中山 氏)
    1. ISOの各種生分解試験法
    2. ラボ生分解試験/簡易試験法と国際標準法
    3. フィールド試験
  3. 環境中での生分解 (中山 氏)
    1. 土壌中での生分解
    2. 海水中での生分解
  4. 光による生分解性制御 (日野 氏)
    1. 無機系光触媒を用いた場合
    2. 有機系光増感剤を用いた場合
    3. 活用が期待される分野
  5. 生分解性プラへの期待 (中山 氏)
    • 質疑応答

講師

  • 宇山 浩
    大阪大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
    教授
  • 安藤 翔太
    東京大学 大学院 新領域創成科学研究科
    特任助教
  • 中山 敦好
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門
    主任研究員
  • 日野 彰大
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 生体分子創製研究グループ
    研究員

主催

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  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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