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再生プラスチックにおける不純物、化学物質の分析

再生プラスチックにおける不純物、化学物質の分析

~再生工程中の意図しない添加剤や未知物質の混入を発見し、未然にトラブルを防ぐ~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、プラスチックリサイクルの基礎から、リサイクルプラスチックを利用した際のトラブルの要因と対策について解説いたします。

開催日

  • 2025年5月27日(火) 10時30分 16時15分

修得知識

  • リサイクルポリマーのトラブル事例
  • トラブルを解決する分析手法
  • 再生プラスチックに含まれる有機系の化学物質を分析する方法に関する現状
  • 今回用いた分析法の開発指針
  • 分析技術に係る動向
  • 多変量解析による評価結果に関する知見
  • プラスチック中に含まれる化学物質の分析方法やリスク評価手法

プログラム

第1部 リサイクルプラスチックの使用で生じるトラブル原因の分析

(2025年5月27日 10:30〜12:00)

 欧州での様々な規制発令に伴い、リサイクルポリマーは、これまで「使用すべき」ものであったのが、今では、戦略的に「使用しなければならない」ものへと変わりつつある。一方、リサイクルポリマーを使用するにあたっては、強度低下や成形不良、臭気等々のトラブルが生じるリスクがある。そういったトラブルを解決するためには、原因究明のために適切な分析を行う必要がある。
 本講座では、リサイクルナイロンおよびリサイクルポリプロピレンのトラブル原因を特定するために、実際に分析した事例を紹介する。

  1. はじめに
    1. サーキュラーエコノミーに対する分析支援
    2. リサイクルポリマー使用におけるトラブル事例
  2. ガラス繊維強化ナイロンの分析
    1. 強度低下要因解析
    2. 発生ガス分析
  3. ポリプロピレンの分析
    1. 臭気原因解明分析 (高分解能GC/MS&官能試験)
    2. 変色原因解明分析 (2D-LC/MS)
    3. 低分子量不純物の分析 (GC×GC/MS)
    • 質疑応答

第2部 熱脱着-GC-MSを用いた再生プラスチック中の化学物質の分析

(2025年5月27日 13:00〜14:30)

 再生プラスチックの安全性は注視されており、その評価のために含まれる化学物質の分析が行われている。幾つかの方法がある中で、今回は有機系の化学物質に着目し、熱脱着-GC-MSを用いた分析方法を紹介する。得られた分析事例を提示するだけでなく、それら事例のクロマトグラムを多変量解析することで、再生プラスチックの使用履歴ごとに分類できた一部結果も紹介する。

  1. 再生プラスチックの現状
    1. 再生プラスチックの種類・用途
    2. 関連規制等
    3. 安全性評価
  2. 再生プラスチックに含まれる主要な懸念物質
    1. 臭素系難燃剤や可塑剤
    2. 金属等
  3. 熱脱着-GC-MS
    1. 熱脱着-GC-MSについて
    2. 分析条件
    3. 分析事例
  4. 熱脱着-GC-MSより得られた結果を用いる多変量解析
    1. 多変量解析について
    2. 多変量解析による使用履歴ごとの分類
    • 質疑応答

第3部 qNTAを活用した再生プラスチックの品質評価

(2025年5月27日 14:45〜16:15)

 近年、欧州では新車に再生プラスチックを積極的に使用することが検討されている。一方で再生プラスチックには、再生工程などで非意図的に生成・混入する化学物質を含め、多種多様な化学物質が含まれており、その曝露に伴う健康影響が懸念されている。
 本講座では、ポストカラム反応ガスクロマトグラフ (GC-MS/PR-FID) を用いた定量的ノンターゲット分析 (qNTA) と、毒性ポテンシャルの予測手法を組み合わせたリスクスクリーニング法を用いた、再生プラスチックの網羅的な品質評価法について説明する。

  1. はじめに
  2. 現状の化学物質のリスク評価手法について
    1. 曝露評価手法
    2. ハザード評価手法
    3. リスク評価手法
  3. 再生プラスチックの品質評価の課題
    1. 非意図的に混入する化学物質の問題
  4. 分析技術の課題
    1. ターゲット分析
    2. ノンターゲット分析
  5. 定量的ノンターゲット分析 (qNTA) について
  6. qNTAの実施事例の紹介
    1. qNTAの測定結果の例
    2. in silicoを用いたハザード評価の例
    3. リスクポテンシャルを用いた評価スキームの例
  7. qNTAを用いた再生プラスチックの品質評価について
    1. qNTAによる再生プラスチック中の化学物質の分析結果
    2. 再生プラスチック中の化学物質のリスク推定スキーム
    • 質疑応答

講師

  • 塩路 浩隆
    株式会社 東レリサーチセンター 有機分析化学研究部 第2研究室
    室長
  • 羽成 修康
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 物質計測標準研究部門 有機組成標準研究グループ
    グループ長
  • 徳村 雅弘
    静岡県立大学 食品栄養科学部 環境生命科学科
    助教

主催

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受講料

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: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
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  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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