技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

ゴム・エラストマー分析の基礎と応用

ゴム・エラストマー分析の基礎と応用

ご案内

 ゴム・エラストマー材料は、ソフトナノコンポジットの代表格であり、われわれの生活のあらゆる場面で使われている。近年の環境・安全・資源のニーズの高まりを受けて、ゴム・エラストマー材料の更なる高性能化・高機能化・高耐久化や環境対応に向けた材料開発・プロセス開発が急務となっている。ゴム・エラストマーの更なる材料開発・品質向上を目指すには、その構造を精密に解析し、物性・現象発現のメカニズムを解明するための分析技術が必須の技術となる。<中略>
 本書は、ゴム・エラストマー分析技術の単なる教科書ではない。分析技術の豊富な応用事例とそこから得られる考察・解釈についても力点をおいて解説した。分析部門の役割は、単に分析データを提供するだけでなく、その結果を適切に解析・考察することが重要である。これにより、ゴム・エラストマーのもつ不思議な特性 (架橋・補強・粘弾性・相溶性・劣化など) について、より深い理解ができるものと考える。本書は、分析技術から見たゴム・エラストマー技術を取りまとめることを目指したものであり、関連する分野に携わる方々の役に立てば幸いである。
(「はじめに」より一部抜粋。)

目次

  • はじめに
  • 1. ゴム・エラストマー技術概論
    • 1.1 ゴム・エラストマーの材料と構造
    • 1.2 ゴム・エラストマーのテクノロジー
  • 2. ものづくりのための分析
    • 2.1 分析部門の役割と重要性
    • 2.2 ゴム・エラストマー分析のニーズと特徴
      • 2.2.1 ゴム・エラストマー分析のニーズと特徴
      • 2.2.2 ゴム・エラストマー分析の特徴
    • 2.3 技術開発・トラブル対策のための分析
      • 2.3.1 課題解決型ゴム・エラストマー分析の進め方
      • 2.3.2 材料開発のための分析の進め方
      • 2.3.3 トラブル解析の進め方
  • 3. ゴム・エラストマーの分析技術
    • 3.1 組成・微量成分分析
      • 3.1.1 熱重量分析計
      • 3.1.2 蛍光X線分析装置
      • 3.1.3 誘導結合プラズマ発光分光分析装置
      • 3.1.4 ガスクロマトグラフ
      • 3.1.5 熱分解ガスクロマトグラフ
      • 3.1.6 二段階加熱ガスクロマトグラフ
      • 3.1.7 ヘッドスペースガスクロマトグラフ
      • 3.1.8 高速液体クロマトグラフ
      • 3.1.9 質量分析装置
        • (1) イオン化法
        • (2) 質量分析計
        • (3) マススペクトル
      • 3.1.10 複合質量分析計
      • 3.1.11 ゲル浸透クロマトグラフ
      • 3.1.12 イオンクロマトグラフ
      • 3.1.13 超臨界流体クロマトグラフ
      • 3.1.14 有機元素分析装置
      • 3.1.15 硫黄分析計
    • 3.2 表面・界面分析
      • 3.2.1 走査型電子顕微鏡
      • 3.2.2 電子線プローブマイクロアナライザー
      • 3.2.3 X線光電子分光法
      • 3.2.4 飛行時間型2次イオン質量分析
      • 3.2.5 オージェ電子分光装置
    • 3.3 形態解析
      • 3.3.1 走査型プローブ顕微鏡
        • (1) SPMの測定原理
        • (2) 測定モード
        • (3) フォースカーブ
      • 3.3.2 透過型電子顕微鏡
        • (1) TEMの原理
        • (2) 元素分析 (EDXとEELS)
        • (3) HAADF-STEM (高角散乱環状暗視野法)
        • (4) 3次元TEM
    • 3.4 分光分析
      • 3.4.1 赤外分光光度計
        • (1) 赤外分光の原理
        • (2) フーリエ変換型赤外分光光度計
        • (3) 顕微FTIR
      • 3.4.2 ラマン分光光度計
      • 3.4.3 核磁気共鳴装置
        • (1) 核磁気共鳴の原理
        • (2) 化学シフト
        • (3) NMR装置
        • (4) 緩和
        • (5) 測定方法
        • (6) パルスNMR
      • 3.4.4 電子スピン共鳴装置
    • 3.5 熱分析
      • 3.5.1 熱機械分析装置
      • 3.5.2 TMAによる架橋形態解析
        • (1) 網目鎖密度
        • (2) 架橋形態解析
      • 3.5.3 示差熱分析計
      • 3.5.4 示差走査熱量計
    • 3.6 X線分析
      • 3.6.1 X線回折
        • (1) X線回折の原理
        • (2) X線回折の測定方法
        • (3) 結晶化度と配向度の測定
      • 3.6.2 小角X線散乱
      • 3.6.3 X線吸収微細構造解析
  • 4. ゴム・エラストマー分析技術の応用
    • 4.1 組成・分子構造解析
      • 4.1.1 2段階加熱ガスクロマトグラフによるゴムの組成分析
      • 4.1.2 複合装置による分析 (GPC-IR,LC-IR,SEC-NMR)
      • 4.1.3 HPLCによる遊離硫黄定量
      • 4.1.4 PFPDによる硫黄化合物分析
      • 4.1.5 誘導体化反応熱分解GCによるゴム中の添加剤分析
      • 4.1.6 PGCによるEPDM中のジエン成分の定量
      • 4.1.7 HNBRの分子構造解析
      • 4.1.8 固体NMRによる天然ゴムの架橋構造解析
      • 4.1.9 XRDによる無機充填剤分析
    • 4.2 表面分析
      • 4.2.1 FTIRによるゴム表面のブルーム物分析
      • 4.2.2 異物分析
      • 4.2.3TOF-SIMSによる表面汚染分析
    • 4.3 劣化解析
      • 4.3.1 NBRの熱劣化解析
      • 4.3.2 NBR製ローラーの酸化劣化解析
      • 4.3.3 酸化開始温度の解析
      • 4.3.4 NBRおよびEPDMのオゾン劣化解析
      • 4.3.5 EPDMの残留塩素による劣化解析
      • 4.3.6 ウレタンの加水分解
      • 4.3.7 変色現象の解析
        • (1) 酸化防止剤 (BHT) による変色
        • (2) ウレタン材料の変色
      • 4.3.8 疲労劣化 (メカノケミカル反応)
      • 4.3.9 劣化による分子運動性の解析
      • 4.3.10 ワックスブルーム量と加硫ゴムのオゾン劣化解析
      • 4.3.11 架橋構造の修復現象の解析
      • 4.3.12 未加硫ゴム中の水分の影響調査
      • 4.3.13 残存過酸化物によるゴムの劣化解析
    • 4.4 深さ方向分析
      • 4.4.1 架橋密度の深さ分布
      • 4.4.2 GC-MSによる老化防止剤の濃度勾配分析
      • 4.4.3 イメージングFTIRによる積層材料の層構造分析
      • 4.4.4 斜め切削法による深さ方向分析
      • 4.4.5 誘導体化EPMA法による深さ方向分析
      • 4.4.6 ESCAによる深さ方向分析
      • 4.4.7 GCIB-TOF-SIMSによる深さ分析
    • 4.5 相溶性分析
      • 4.5.1 SPMによるブレンドポリマーの相溶性解析
      • 4.5.2 EFTEMと低加速SEMによるポリマー接着界面解析
      • 4.5.3 TEMによるブレンドポリマーの相溶性解析
      • 4.5.4 固体NMRによるブレンドポリマーの相溶性解析
      • 4.5.5 DSCによるブレンドポリマーの相溶性解析
      • 4.5.6 ブレンドポリマー中のフィラー分配挙動解析
        • (1) PGCによるカーボンブラック分配解析
        • (2) TEMによるカーボンブラック分配解析
        • (3) TEMによるシリカ分配解析
        • (4) 固体NMRによるカーボンブラック分配分析
      • 4.5.7 XRDによるクレイシリケート層の分散解析
      • 4.5.8 AFMによるブレンドポリマー界面解析
    • 4.6 ナノ物性解析
      • 4.6.1 コロイドプローブAFMによるポリマーブラシの特性評価
      • 4.6.2 AFMによるナノ力学物性解析
        • (1) ナノ力学物性マッピング
        • (2) JKR理論
        • (3) 加硫IRの解析
        • (4) ブレンドゴムの解析
        • (5) 伸長NRの解析
        • (6) ナノレオロジー解析
      • 4.6.3 ナノインデンテーションによる力学物性解析
      • 4.6.4 AFM-IRとAFM-TAによる解析
      • 4.6.5 AFMによる分子1本鎖の運動性解析
    • 4.7 3次元構造解析
      • 4.7.1 材料表面の3次元構造解析
        • (1) SPMによる表面形状解析
        • (2) レーザー顕微鏡による表面形状解析
      • 4.7.2 材料内部の3次元構造解析
        • (1) 3DTEMによる3次元ミクロ相分離構造解析
        • (2) 3DTEMによるカーボンブラック凝集構造解析
        • (3) FIB-SEMによる樹脂中粒子の3次元構造解析
        • (4) X線CTによる3次元構造解析
        • (5) X線分析顕微鏡による内部構造分析
        • (6) 共焦点レーザースキャン顕微鏡による高分子ゲルの3次元構造解析
        • (7) NMR顕微鏡によるポリマーアロイの3次元相分離構造解析
    • 4.8 ポリマー/フィラー界面解析
      • 4.8.1 TEMによるバウンドラバー解析
      • 4.8.2 パルスNMRによるバウンドラバー解析
      • 4.8.3 固体NMRによるバウンドラバーの分子運動性解析
      • 4.8.4 バウンドラバーの界面構造モデル
      • 4.8.5 AFMによるポリマー/フィラー界面解析
        • (1) AFMによるカーボンブラック充填ゴムの弾性率分布解析
        • (2) AFMによる延伸カーボンブラック充填ゴムの応力分布解析
        • (3) AFMによるマリンス効果の解析
        • (4) AFM凝着力測定によるバウンドラバーの解析
        • (5) AFMによるシリカ/ポリマー界面解析
      • 4.8.6 SPMによるカーボンブラック近傍の不均一構造解析
      • 4.8.7 FTIR、TEM、パルスNMRによるシリカ配合のバウンドラバー生成機構解析
      • 4.8.8 ESRとFTIRによるシリカ配合のバウンドラバーの生成機構解析
      • 4.8.9 EFTEMによるシリカ表面に吸着したシランカップリング剤解析
      • 4.8.10 29Si固体NMRによるシランカップリング剤の反応性解析
      • 4.8.11 イオンクロマトグラフによるシランカップリング剤の反応率解析
      • 4.8.12 シランカップリング剤多分子層の構造解析
      • 4.8.13 和周波発生分光法による固体表面上のポリマーの分子配向解析
    • 4.9 接着界面解析
      • 4.9.1 TEMによるゴムと金属の接着界面解析
      • 4.9.2 EFTEMによるポリマーと樹脂の接着界面解析
      • 4.9.3 AFM-IRによる溶着フィルムの接着界面解析
    • 4.10 材料・プロセス開発への応用
      • 4.10.1 トチュウエラストマー
      • 4.10.2 バイオプラスチック/ゴム複合材料
      • 4.10.3 セルロースナノファイバーを用いた複合材料
        • (1) セルロースナノファイバーの製法と構造
        • (2) セルロースナノファイバー/ゴム複合材料
        • (3) TEMPO触媒酸化セルロースナノファイバー/ゴム複合材料
        • (4) セルロースナノファイバー/樹脂複合材料
      • 4.10.4 カーボンナノチューブ/ゴム複合材料
      • 4.10.5 末端変性溶液重合SBR
      • 4.10.6 動的架橋エラストマー
        • (1) 溶融混練プロセス
        • (2) AFMによる動的架橋エラストマーの弾性率分布解析
      • 4.10.7 ゴム/樹脂ナノ分散化複合材料
      • 4.10.8 ゴムのリサイクルプロセスの開発
  • 5. ゴム・エラストマー分析の進化
    • 5.1 伸長挙動解析
      • 5.1.1 SPMによるフィラー挙動解析
      • 5.1.2 TEMによるポリマー/フィラー挙動解析
      • 5.1.3 伸張による体積変化の解析
      • 5.1.4 伸長ゴム材料の3次元構造解析
      • 5.1.5 ESRによる分子鎖切断解析
      • 5.1.6 固体NMRによる分子挙動解析
    • 5.2 ゴムの不均一架橋構造
      • 5.2.1 酸化亜鉛と硫黄の反応
      • 5.2.2 マトリックス中の硫黄化合物
    • 5.3 放射光と中性子散乱による分析
      • 5.3.1 放射光利用による分析
        • (1) 放射光について
        • (2) X線イメージング法によるゴム中のグラスファイーバー挙動解析
        • (3) X線イメージング法によるゴムと突起物との接触状態解析
        • (4) X線CTによる発泡セルの圧縮挙動解析
        • (5) X線回折による天然ゴムの結晶化解析
        • (6) XAFSによる硫黄結合状態解析
        • (7) XAFSによるゴムの硫黄架橋反応の解析
        • (8) HAX-PESによる表面分析
        • (9) USAXSによる混練過程におけるシリカ凝集構造解析
        • (10) USAXSによるシリカ充填シリコーンゴムの延伸挙動解析
      • 5.3.2 中性子散乱による分析
        • (1) 中性子散乱について
        • (2) 小角中性子散乱法によるIR加硫ゴムの不均一架橋構造解析
        • (3) 小角中性子散乱法によるSBR加硫ゴムの不均一架橋構造解析
        • (4) 小角中性子散乱法によるシリカ表面のポリマー吸着層の解析
        • (5) SAXS,USAXS,USANSを用いたゴム中フィラーの階層構造解析

執筆者

出版社

お支払い方法、返品の可否は、必ず注文前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(出版社への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

体裁・ページ数

B5判 並製本 264ページ

ISBNコード

978-4-905507-19-2

発行年月

2017年6月

販売元

tech-seminar.jp

価格

40,000円 (税別) / 44,000円 (税込)

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/8 生分解性マイクロカプセルの材料設計、用途展開、今後の展望 オンライン
2024/4/8 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/9 エポキシ樹脂の分子構造・硬化性および耐熱性とその他の機能性付与技術 オンライン
2024/4/9 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2024/4/10 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2024/4/10 押出加工技術の基本技術とトラブル対策 オンライン
2024/4/10 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2024/4/11 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/4/12 動的粘弾性のチャート読み方とその活用ノウハウ オンライン
2024/4/12 ラジカル重合の重合反応と開始剤の種類・選び方、応用 オンライン
2024/4/12 光学樹脂における屈折率・複屈折の考え方とその測定・制御 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術の基礎と技術動向 オンライン
2024/4/18 エポキシ樹脂の基礎と硬化剤の選定、変性・配合改質および複合材料用途の動向 オンライン
2024/4/18 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2024/4/19 生分解性プラスチックの基礎・最新動向と食品容器・包装への応用展開 オンライン
2024/4/19 副資材を利用した高分子材料の設計技術 オンライン
2024/4/19 高分子合成におけるラジカル重合の基礎講座 オンライン
2024/4/19 プラスチック光学素子の基礎、超高精度加工技術 オンライン
2024/4/22 高分子インフォマティクスの応用事例 オンライン