技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

次世代抗体医薬の知財戦略

次世代抗体医薬の知財戦略

オンライン 開催 演習付き

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2023年11月20日〜27日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2023年11月24日まで承ります。

概要

本セミナーでは、激変する次世代の抗体医薬の知財戦略のあり方、抗体医薬品特許のクレームの書き方について、演習を交えて解説いたします。

開催日

  • 2023年11月16日(木) 13時00分 16時30分

プログラム

 1990年代にジェネンテックによって実用化された抗体医薬は、2000年代に入って産業として大きく花開いた。特に2010年代に入ってからの市場の伸びは急激であり、今や、新薬に占める抗体医薬のシェアは数十%にものぼる。
 さらに、2010年代に入って、第一世代の抗体医薬の基本特許が切れ始めたために、いわゆるバイオシミラー、バイオベターの研究開発が盛んになった。その際、第1世代の抗体医薬を改良してさらに薬効を高めるために、多くの革新的な要素技術が搭載されることになった。これらの要素技術は、もちろん、第一世代では実用化されなかったターゲットに対する第二世代の抗体医薬にも搭載されることになった。
 そのため、従来の低分子医薬のような物質特許+用途特許を中心としたシンプルな知財戦略では、最近の抗体医薬のパイプラインを効果的に保護することは難しくなってきている。今では、抗体医薬のパイプラインを、物質特許、用途特許、製剤特許、製法特許、用法用量特許などにくわえて、抗体医薬の薬効を高めるための要素技術の特許なども加えた、数十もの特許ポートフォリオで保護する時代になってきている。このように、激変する次世代の抗体医薬の知財戦略のあり方についてお話したい。

  1. バイオ・製薬企業の知財戦略
    1. 抗体医薬市場の現状分析
      • ついに歴史的な和解!小野薬品工業・BMS VS アストラゼネカ社
      • 免疫チェックポイント阻害薬を巡る特許訴訟
      • アクテムラのバイオシミラーについての特許訴訟がアメリカで勃発
      • 20件もの特許で侵害訴訟を提起
      • 大型化+クラスター化する抗体医薬の特許ポートフォリオ
      • 抗体医薬に関する最近の注目判例
      • ジェネンテック
      • ジェネンテックの知財戦略
      • ライセンス戦略 (共存共栄)
      • IDECとのリツキサン共同開発成功事例 (同業他社への支援の成功)
      • ヒト化・フラグメント化・修飾などによる改良特許戦略
      • 抗体断片化によるルセンティスの成功
      • 協和発酵キリン
      • 協和発酵キリンの知財戦略
      • クラスター戦略 (一点集中強行突破)
      • 瓢箪から駒のポテリジェント技術を目利力によりクラスター展開
      • 個別疾患ターゲットに限定したライセンスポリシーによる収益最大化
      • 垂直統合戦略 (コア技術の川下展開) +水平分業戦略のハイブリッド戦略
      • 自社開発による付加価値の内部取込+世界標準化による収益最大化
      • 第一三共
      • 第一三共の知財戦略
      • 第二世代の抗体医薬で花ひらいたADCの研究開発
      • 抗体+リンカー+薬剤の組合せ
      • 従来の低分子医薬や、第一世代の抗体医薬に比べて圧倒的に複雑な構成
      • 知財戦略もそれにあわせて複雑化
      • ハイブリッド型知財戦略
      • リンカーの要素技術の特許ポートフォリオが命運を分ける
      • 他の化学+材料+機械+電機などの技術分野の知財戦略に近づく
      • Baili Biopharma (Baiokin Pharmaceutical)
      • 上海証券取引所の科創板に時価総額5,000億円を超えてユニコーン上場
      • アメリカ子会社で研究開発
      • マルチスペシフィック抗体
      • 免疫チェックポイント阻害抗体のバイスペシフィック抗体
      • 欧米のメガファーマとアライアンス
      • 第二世代の抗体医薬の中国におけるスター企業
      • 従来型のパイプライン型知財戦略
      • マルチスペシフィック抗体の構成が複雑化
      • そのため従来型とはいえ知財戦略も複雑化
  2. 抗体医薬品特許の強い特許明細書・クレームの書き方
    1. 強い特許明細書・クレームとは何か?
      • スムーズに権利取得できる
      • 無効審判で潰れない
      • 公開後ライバル企業を牽制できる
      • 訴訟でライバル企業を排除できる
      • 自社の研究開発戦略がばれない
      • どんな国でも通用する
    2. 実施可能要件を満たす明細書の書き方
      • 実験データはどこまで開示すべきか
      • テクニック1:釣道具は開示せず釣果のみ開示する
      • テクニック2:ダミー化合物の中に本命化合物を隠す
      • テクニック3:実験プロトコル&定性データのみ開示する
      • テクニック4:定量データは実験成績報告書で後出しジャンケン
      • テクニック5:作用機序を開示すべき場合・隠すべき場合
      • テクニック6:薬理データを開示すべき場合・隠すべき場合
      • 最新判例解説:実施例の後出しが認められた判決 (日焼け止め剤組成物事件)
      • 最新判例解説:医薬組成物の製造方法の実施可能性が争われた事件 (リーチ・スルー・クレーム事件)
      • 最新判例解説:薬理データとサポート要件に関する判決 (フリバンセリン事件)
      • 従来判例解説:実験成績証明書を参酌すべきかどうかについて述べた従来の判例 (エテンザミド事件)
      • 従来判例解説:実験成績証明書を提出してサポート要件を充足させることを認めなかった大合議判決 (偏光フィルム事件)
      • 従来判例解説:実験結果を定性的に記載してもOKという判例 (除草剤事件)
    3. 新規性・進歩性を満たすクレームの書き方
      • 化合物クレーム&剤クレーム&医薬クレームのどれが有利か
      • 構成&作用&効果のどれで差別化するのが有利か
      • テクニック1:抗体・組成物の構成の違いで差別化
      • テクニック2:試験管内の生化学的作用を限定して差別化
      • テクニック3:細胞内の生理学的作用を限定して差別化
      • テクニック4:組織・臓器・個体での病理学的作用を限定して別化
      • テクニック5:効果のある疾患・病態・患者を限定して差別化
      • テクニック6:薬理データがある場合・ない場合のクレームの立て方
      • 最新判例解説:第2医薬用途発明の容易想到性が判断された判決 (胃炎治療剤事件)
      • 最新判例解説:「機能限定剤」のサポート要件・進歩性を認めた判決 (ドロキシラジカル消去剤事件)
      • 従来判例解説:用途発明の技術的範囲のラベル化権的な解釈の判例の解説 (アレルギー性喘息の予防剤事件)
    4. ユニバーサル・ドラフティングという考え方
      • 一つの原稿で全ての国に対応する
      • 日米欧に対応可能な特許明細書・クレーム
        • 先進国で新規性・進歩性を満たす
        • 先進国のライバルにアッセイ系を教えない
        • 先進国のライバルに候補化合物を教えない
      • 中印に対応可能な特許明細書・クレーム
        • 発展途上国で実施可能要件を満たす
        • 発展途上国のライバルに製造困難な製造方法の書き方
      • 日米欧中印に対応可能な理想のユニバーサル・ドラフティング
        • 日本、米国、欧州、中国における医薬用途発明の記載形式の違い
      • 欧州拡大審決例解説:保護対象にならないバイオ関連発明 (G1/04)
      • 欧州拡大審決例解説:投与方法に特徴がある医薬発明の新規性とスイスタイプクレームに関する欧州拡大審決 (G2/08) (スイスタイプクレームの禁止)
      • 米国判例解説:アメリカにおけるパリン事件により立法化された米国特許法第287条第c項 (1) (2) (医師免責規定)
      • 米国判例解説:バイオ分野にも関係あるBilski事件 (MTテスト)
      • 米国判例解説:Bilski事件の悪夢の予言がMyriad事件で実現! (MTテスト)
      • 米国判例解説:LabCorp事件 (バイオ分野の保護対象)
      • 中国専利法25条1項 (疾病の診断方法の保護対象除外)
      • 中国司法解釈:最高人民法院による専利権侵害をめぐる紛争案件の審理における法律適用の若干問題に関する解釈
      • 中国専利審査基準:物質特許&用途特許制度あり
      • 中国専利審査基準:中国で生き残るのスイスタイプクレーム、用途発明は「一般式Iの化合物はある病気の治療に用いる薬剤の製造における応用」のような製薬方法のクレームで権利化
  3. クレームの書き方の演習
    1. 架空実験データを素材とする出題
      • バイスペシフィック抗体の架空事例
    2. クレームの講評
      • 新規性・進歩性
      • 実施可能要件
      • 技術的範囲
      • 総合的な講評・優秀者表彰
    • 質疑応答

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

  • 「Zoom」を使ったライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

ライブ配信セミナーをご希望の場合

  • セミナー資料は、郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

アーカイブ配信セミナーをご希望の場合

  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
  • 配信開始となりましたら、改めてメールでご案内いたします。
  • 視聴サイトにログインしていただき、ご視聴いただきます。
  • 視聴期間は2023年11月20日〜27日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は別途、送付いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/5 他社特許明細書/特許請求の範囲の解釈と対策方法 オンライン
2024/11/6 OOS/OOTの正しい理解と判断のポイント オンライン
2024/11/6 FDAから製造所認証を得るための査察対応ポイント オンライン
2024/11/6 GMP・DIガイドラインに沿った製造/試験記録の作成・運用とその監査 オンライン
2024/11/6 生物薬品 (バイオテクノロジー応用医薬品等) におけるCMC開発戦略と開発ステージに応じた対応 オンライン
2024/11/6 バイオ/抗体医薬品における品質試験/安定性試験と品質規格設定のポイント オンライン
2024/11/6 バイオ医薬品原薬工場建設プロセスおよびバリデーションのポイント オンライン
2024/11/6 医薬品中の元素不純物分析のデータ試験・管理及びPMDA等の対応ポイント オンライン
2024/11/7 変形性関節症の病態/治療・診断技術の現状と臨床現場が望む新薬像 オンライン
2024/11/8 情報不足な開発初期段階において医薬品の事業性評価を適切に進める為のデータ活用と売上予測の方法 オンライン
2024/11/11 IPランドスケープによる戦略的な知財活動の進め方 オンライン
2024/11/11 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2024/11/11 電子化/MES・LIMS導入・連携コース (全2コース) オンライン
2024/11/11 デジタルヘルス分野の出願戦略の策定と特許査定クレーム事例からみる記載方法 オンライン
2024/11/12 分割出願の戦略的な活用による特許戦略の策定方法 オンライン
2024/11/12 ICH M7変異原性不純物/ニトロソアミン不純物対応コース オンライン
2024/11/12 ICH M7 (変異原性不純物) ガイドラインとエキスパートレビューにおける変異原性評価・判断の考え方 オンライン
2024/11/12 医療データ (RWD) 活用時の100の落とし穴 オンライン
2024/11/12 医薬品R&D段階でのNPV活用と課題解決策 オンライン
2024/11/12 生成AIを活用した医薬品特許戦略の新たな視点 (タイミングと特許調査) オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/5/31 在宅でのCDTM(共同薬物治療管理)の実践と薬局・薬剤師の次世代モデル
2013/5/30 新薬開発にむけた臨床試験(第I~III相臨床試験)での適切な投与量設定と有効性/安全性評価
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2013/2/27 リスクマネジメント・CAPA(是正措置・予防措置)導入手引書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/10/5 電子辞書 技術開発実態分析調査報告書
2012/10/5 電子辞書 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/8/31 カーオーディオ5社 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/8/31 カーオーディオ5社 技術開発実態分析調査報告書
2012/8/20 建機部品大手9社 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/8/20 建機部品大手9社 技術開発実態分析調査報告書
2012/7/30 IH調理器 技術開発実態分析調査報告書
2012/7/30 電動工具 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/7/30 電動工具 技術開発実態分析調査報告書
2012/7/30 IH調理器 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2012/7/20 精密機器7社 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)