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CO2回収・利用 (CCU) への触媒開発と有用物質への変換

CO2回収・利用 (CCU) への触媒開発と有用物質への変換

オンライン 開催

概要

発電所などから出る二酸化炭素を分離・回収して再利用する技術に注目が集まっています。
本セミナーでは、二酸化炭素の化学的利用に関する近年の技術、実例と今後の展望を解説いたします。

開催日

  • 2023年7月6日(木) 10時00分 16時15分

受講対象者

  • 化学メーカーに勤務する研究開発担当者、事業部や戦略室など社業全体を統括する立場の方
    • 基礎化成品
    • 樹脂・繊維 など

修得知識

  • CO2利活用のための基本的な取り組み方
  • CO2利活用のための最新の事例
  • 個別事例から見るCO2対策の現状と今後の課題
  • CO2対策の将来展望を想定する際の留意事項

プログラム

第1部 CCUS・カーボンリサイクルの展望 – 化学品製造を中心に –

(2023年7月6日 10:00〜12:00)

 パリ協定の発効後、世界はカーボンニュートラルに向けて動き出している。ただその実現には再エネや電化だけでは不十分であり、CCUSに頼らざるを得ない。付加価値を生み出す点からCCU/カーボンリサイクルに注目が集まっており、理論的には世界のCO2排出量の6割程度をCCU原料として利用可能。現在、CCUSに対する政策支援が内外で拡充されている。CCU化学品ではメタノール、ポリカーボネート、ポリオールが実装段階となっており、メタノールは年産50万トンのプラント建設計画も出てきている。CCU化学品の今後についてメタノールを中心に普及が進む。課題は、製造コスト高の克服、二酸化炭素や水素などの原料の安価大量調達、そしてCO2の社会受容性にある。

  1. CCUS/カーボンリサイクルの背景
    1. 世界における二酸化炭素 (CO2) 排出増加とパリ協定
    2. CCUS/カーボンリサイクル技術の全体像
    3. 各国のロードマップや政策支援の状況
  2. 二酸化炭素 (CO2) から生成される化学品
    1. 総論
    2. メタノール
    3. 含酸素化合物
    4. 高分子化合物
      1. パラキシレン
      2. ポリカーボネート
      3. ポリウレタン、他
  3. 内外企業の化学品製造に向けた取り組み
    1. 海外におけるプロジェクトや企業の動向
    2. 日本国内におけるプロジェクトや企業の動向
  4. 展望と課題
    1. 製造コスト
    2. 原料調達 (水素、二酸化炭素)
    3. 社会における受容性
    • 質疑応答

第2部 二酸化炭素の回収・利用 (CCU) への触媒開発と化成品製造、有用物質への変換

(2023年7月6日 13:00〜14:30)

 2030年・2050年までの社会実装をめざし、持続可能な社会構築のための地球温暖化問題と化石資源枯渇問題の解決に直接的に寄与することが期待される、二酸化炭素の化学的利用に関わる技術の研究開発が着々と進められている。
 本講演では、それらの近年の研究開発動向を、すでに工業化された事例の紹介も含めて、俯瞰的・網羅的に解説する。講演の後半では、講師が携わる研究の対象である「二酸化炭素を直接原料とする高分子材料の合成とその利活用」を題材に採り、自身の研究成果の説明しつつ、基礎研究の進め方から実用化への課題と対策までについて考察する。

  1. 二酸化炭素についての基礎事項の確認
    1. 二酸化炭素とは
    2. 二酸化炭素削減対策の基本方針
    3. CCS・CCU技術の概観
  2. 二酸化炭素の有効利用:概論
    1. 資源・エネルギー・環境問題と二酸化炭素との関連
    2. 二酸化炭素のライフサイクルと各段階における対策
    3. カーボンニュートラル (実質排出ゼロ) をめざした二酸化炭素の利用
    4. 二酸化炭素の化学変換の反応メカニズム,プロセスの比較
  3. 二酸化炭素の有効利用:個別事例
    1. 二酸化炭素からの化成品製造の概略・全貌
    2. アルコールの製造
    3. 他の基礎化学品 (C1、無機物) の製造
    4. 炭酸エステルの製造
    5. ポリマーの製造
  4. 二酸化炭素を直接原料とする脂肪族ポリカーボネートの製造 (講師自身の研究)
    1. 基礎的知見と現状
    2. 研究開発課題と進捗
    3. 工業化・実用化に向けた研究開発動向
    • 質疑応答

第3部 非平衡プラズマによるCO2転換効率の向上とCO2資源化への応用

(2023年7月6日 14:45〜16:15)

 CO2排出量削減とともに、CO2を炭素資源ととらえるカーボンリサイクル・炭素循環への関心が高まり、CO2利用技術に関して様々な研究が活性化している。一連の物理・化学プロセスの実行にはエネルギーの投入が不可欠で、低炭素エネルギー源として必然的に再生可能エネルギーの利用が求められる。CO2転換に必要なグリーン水素の調達をはじめ、脱炭素技術は産業プロセスの電化に密接にかかわっており、新技術の開発と実装が急がれている。
 本セミナーでは、プロセス電化の観点からプラズマを使ったCO2転換技術の概要について述べ、種々のCO2転換反応に応用した事例を紹介する。

  1. はじめに
    1. プラズマ化学と低炭素技術
    2. プロセスプラズマの分類と応用
  2. 無触媒プラズマ技術
    1. CH4の熱プラズマ分解反応
    2. CO2の直接分解反応
  3. 触媒とプラズマの複合反応
    1. プラズマと触媒の複合反応
    2. 触媒有効係数
    3. 固定床プラズマ反応装置
    4. 流動層プラズマ反応装置
    5. 比投入エネルギーと効率
  4. 応用事例の紹介
    1. CH4/CO2改質反応
    2. 逆水性シフト反応
    3. CO2メタネーション反応
    4. オートメタネーション反応
    5. カーボンブラック合成
  5. おわりに
    • 質疑応答

講師

  • 福田 佳之
    株式会社 東レ経営研究所 産業経済調査部
    部長
  • 杉本 裕
    東京理科大学 工学部 工業化学科
    教授
  • 野崎 智洋
    東京工業大学 大学院 理工学研究科 機械物理工学専攻
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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