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ミスト法による薄膜形成技術とその応用

ミスト法による薄膜形成技術とその応用

~大気圧下、大面積、高品質な薄膜作製の実現へ向けて~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、様々な薄膜の作製を可能にするミストCVD法の基礎知識と今後の展望を解説いたします。

開催日

  • 2021年12月24日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部 ミストCVD法による機能膜の作製技術とそのメカニズム

(2021年12月24日 10:30〜14:30) ※途中、昼休み含む

 我々の生活を支える光・電子素子は機能膜の組合わせで構成されている。それらを作製手法は、現在、省エネ・原子レベル高品質・大面積均一の3つを同時に達成させる事ができない。ミストCVDはそれらの同時達成を目標に開発されてきた成膜技術であり、カーボンニュートラルに向けた技術として必要不可欠である。
 講演ではそういった開発の経緯、関連技術の歴史、作製膜の特性、デバイス、ミストCVDに関する物理、次世代へ向けた開発の方向性等、説明します。

  1. 緒言
  2. 機能膜作製技術の現状とこれからの開発ポイント
    1. どういった物に利用されているのか
    2. それらを作製するシステムの大きさやコストについて
    3. 省エネプロセスの必要性とそれが達成されない理由
    4. 大気圧下で対象とする機能膜を形成する為のポイント
  3. ミストを利用した機能膜形成技術「ミストCVD」の特徴
    1. ミスト法とは
    2. 従来の成膜手法に対するミストCVD法の立場
    3. 超音波噴霧を利用した機能膜形成技術の歴史
  4. ミスト流を用いた機能膜作製システムの装置群
    1. ミスト流を用いた機能膜作製システム
    2. 原料供給器
    3. 成膜反応装置周囲の基本システム
  5. ミストCVDの物理1
    1. 均質膜を作製する為の3つの手段
    2. 液滴のライデンフロスト状態
  6. ファインチャネル (FC) システムvsホットウォール (HW) システム
    1. 解析構造・条件
    2. 結果
  7. ミストCVDで作製出来る機能膜
    1. これまでに形成できた薄膜種
    2. 酸化亜鉛系 (ZnO)
    3. 酸化ガリウム系 (Ga2O3)
    4. 酸化アルミニウム (AlOx)
    5. 酸化インジウムガリウム亜鉛 (IGZO)
    6. 有機膜
    7. 層状硫化モリブデン (MoS2)
    8. その他
  8. ミストCVDで作製したデバイス
    1. 大気圧手法により形成された酸化物TFTの現状
    2. ミストCVDによるIGZO TFTの作製
    3. 特性および最適化
    4. その他のデバイス
      • IGZO
      • Ga2O3
      • SnO2 MESFET
      • Organic SC 等
  9. ミストCVDによる量子素子の作製とその特徴
    1. 大気圧下で量子井戸が形成できる理由
    2. 作製した量子井戸の特徴
  10. ミストCVDの物理2
    1. ミストCVDの可能性
    2. ミスト同士は衝突しない?!
    3. 複合反応の抑制
    4. 組成制御技術
  11. まとめ
    1. ミストCVDとこれからのミストCVD
    2. ミストCVDの他なる可能性
    • 質疑応答

第2部 ミストデポジション法による透明導電膜の成膜技術

(2021年12月24日 14:45〜16:30)

 ミストを利用した成膜法では、気体を用いて原料を基材に連続して供給します。この際原料は数μmの微小液体 (ミスト) を用います。この気液混合の成膜プロセスであり連続した供給が可能であるという特徴から、目的とする基材の形状に応じた原料供給が可能なこと、Roll to Roll 方式などの連続した成膜に対応ができること、等が利点として考えられます。
 株式会社 ニコンは、東北大学 多元物質科学研究所と共同で、新たに水分散性ITO粒子を開発しました。本粒子は単独で水に分散するため、既存の材料では必要な界面活性剤や有機溶剤等など、高抵抗率化の要因となり得る添加物を大幅に削減できます。これにより従来の非水系インク材料を用いた透明導電膜形成と比べ、より低温で透明導電膜を形成することが可能です。本講演では、本粒子の水系インクを原料としたミストデポジション法における成膜結果も紹介します。

  1. ナノ粒子材料を用いたミストデポジション法の位置づけ
    1. 大気圧成膜法の紹介
    2. 湿式成膜法による透明導電膜形成の紹介
  2. 新規開発の高水分散性ITOナノ粒子
    1. ソルボサーマル法による粒子合成
    2. 粒子物性
    3. 塗布成膜に適した分散液の作製
    4. 水系ITOインクの利点と展望
  3. ミストデポシジョン法を用いたITO薄膜の調製
    1. ナノ粒子分散液のミスト化
    2. ミスト状態計測
    3. 膜物性
    4. 低温連続成膜法としての展望
    • 質疑応答

講師

主催

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本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

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本セミナーは終了いたしました。

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