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ウェブハンドリングのしわの発生メカニズムと対策技術

ウェブハンドリングのしわの発生メカニズムと対策技術

~ウェブの力学、摩擦特性 / AIを利用した欠陥対策技術 / 折れしわ、スリップ、キズ等の不良の発生メカニズムと抑制、対策技術~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ウェブ搬送の基礎的な力学的性質から、搬送や巻取のトラブル対策まで総括的に解説いたします。

開催日

  • 2025年10月22日(水) 10時30分17時10分

受講対象者

  • ウェブハンドリング装置の設計・開発に携わる方
  • ロールtoロール搬送に関する品質管理・生産技術に関わる方
  • 非接触搬送技術の導入を検討している方
  • OCT (光干渉断層法) に関心のある方

修得知識

  • ウェブの基礎的な力学的性質
  • ウェブの不具合メカニズム
  • ウェブの不具合の防止法
  • しわの発生原因と対策、未然防止策
  • 非接触搬送中のウェブの浮上状態、ウェブとロール間で発生する物理現象
  • 非接触搬送ロールがウェブハンドリングにもたらす効果
  • OCTに関する基礎的な知識
  • フィルム製造におけるOCTの利用可能性

プログラム

第1部 ウェブハンドリングの力学特性

(2025年10月22日 10:30〜12:00)

 フィルム、紙、不織布などのウェブを製造する過程において、搬送時には折れしわやスリップ、巻取り時には巻き締り、スリップ、ゲージバンドなどの予期せぬ不具合が生じることが多々あると思います。これを防止する手法としては、経験と勘を基に製造条件を試行錯誤的に検討していると耳にすることが多くあります。これらの不具合は製品の品質と直結することであり、不具合防止は極めて重要な課題です。
 本セミナーでは、上記不具合の原因・対策案について学問的な立場からアプローチして、不具合の未然の防止を図る知識を養うことを目的としています。本セミナーを受講したからといって全ての問題を解決することができるとは限りませんが、解決の糸口を見つけることができるでしょう。

  1. はじめに
    1. ウェブとウェブハンドリング
    2. ウェブハンドリング技術のポイント
    3. ウェブハンドリングの研究の流れ
    4. まとめ
  2. ウェブの力学的性質
    1. ウェブに作用する力とその変形
    2. フックの法則
    3. ウェブ素材の構造と弾性の関係
    4. 液体の構造と粘性
    5. 粘弾性体とその力学的モデル
    6. ウェブの曲げ
    7. ウェブの座屈
    8. ウェブの折れしわ
  3. ウェブハンドリングのトライボロジー
    1. ウェブ搬送とトライボロジー
    2. 摩擦力と摩擦係数
    3. 摩擦係数の測定
    4. オイラーのベルト公式
    5. 固体の接触と摩擦
    6. 摩擦のメカニズム
    7. 摩擦係数のコントロール
    8. マクロスリップの発生条件と抑止方法
  4. ウェブハンドリング技術とAI技術
    • AIを用いたウェブのトラフ観測と対応方法について
    • 質疑応答

第2部 しわを抑制する機能性ローラ

(2025年10月22日 13:00〜14:00)

 R2R方式の生産における大きな課題の1つとしてしわの影響を挙げる事が出来る。そういった課題を改善するには発生原理をしっかりと把握、理解する事が重要である。しわの発生の基本とそれらを対策する事が出来る機能性ローラーについて知る事で、自社にて発生している課題解決の一助になるような内容と考える。

  1. 会社紹介
    1. 沿革
    2. KATSURAの製品
    3. ゴムローラとは
    4. 金属ローラについて
  2. しわの発生要因について
  3. しわを抑制する機能性ローラの紹介
    1. マイクログルーブローラー
    2. 低慣性ローラー
    3. 低撓みローラー
  4. しわを抑制する機能性ローラの紹介
    1. コンケーブローラー
    2. Wヘリカル溝加工ローラー
    3. エキスパンダーローラー
    4. エアー浮上搬送ローラー
    • 質疑応答

第3部 エアベアリングロールおよびウェブの浮上搬送実験装置の開発

(2025年10月22日 14:10〜14:50)

 当社製品の「エアベアリングロール」は、ロールtoロール搬送における品質課題を解決するために開発された非接触搬送用ロールである。本講座では、浮上搬送実験装置で得た実験結果を紹介しながら、折れしわなどの問題に対し、非接触搬送がもたらす効果について解説する。本講座を通じて、非接触搬送の可能性を正しく理解していただくことで、導入に向けた検討の一助になれば幸いである。

  1. ウェブハンドリングにおける課題
    1. 接触式搬送における折れしわの課題
    2. 折れしわの発生メカニズム
  2. エアベアリングロールの開発
    1. 静圧気体軸受
    2. 絞り
    3. 多孔質カーボン
  3. 浮上搬送実験装置の開発
    1. 実験装置の構成
    2. 隙間測定方法
  4. 隙間測定結果の紹介
    1. 実験結果
    2. 浮上形状の形成メカニズム
  5. 非接触搬送の導入効果
    1. 折れしわの防止効果
    2. その他の導入効果
    • 質疑応答

第4部 光干渉断層法 (OCT) によるフィルム巻取の非破壊イメージング検査

(2025年10月22日 15:00〜16:00)

 本研究ではこれまで、主に医療分野で利用される断層イメージング手法である光干渉断層法 (Optical Coherence Tomography:OCT) をフィルム巻取に応用することにより、良品・欠陥品の判別や、空気膜厚さ、内部応力などのフィルムの巻取状態に寄与する情報を評価できることを示してきました。本講座では、OCTの特徴や原理を解説したのち、これまでの研究内容を紹介します。

  1. イントロダクション
  2. 光干渉断層法 (OCT)
    1. OCTの概要
    2. フーリエ領域OCTの計測原理
    3. スペクトラルドメインOCTと波長掃引OCT
  3. フィルム巻取の非破壊イメージング検査
    1. フィルムロールの断層可視化イメージング
    2. OCT断層像とAIによる良品・欠陥品の検査
    3. フィルムロール内空気膜厚さの定量評価
    4. フィルムロール内部応力の評価
  4. おわりに
    • 質疑応答

第5部 ウェブハンドリングでの欠陥対策のAIの適用事例と今後

(2025年10月22日 16:10〜17:10)

 かつて日本のモノづくりは世界一の生産性と品質を誇っていました。規模も国内から海外へ進出し大きくなっていきました。2000年前後を境にその構図が崩れ始め現在日本のモノづくりは諸外国に大きな遅れをとっています。
 日本には、ウェブハンドリング技術を利用した生産方式としてロールtoロールがあります。大量生産のための一つの技術として広く、長くこの技術を日本のモノづくりでは適用して来ました。そこには沢山のノウハウ、知見が溜まり多くの情報 (データ) が存在しています。この情報と最先端のデータ解析用AIとを組み合わせることにより、見えなかった異常現象や諦めていた検査工程などが大幅に改善されてきています。
 本講座ではこれらの事例を紹介しながら、今後の日本のモノづくりが必要とするDX化や工場全体のインテリジェント化を推進するスマートファクトリーの考え方を説明します。
 AIがどのような課題を解決していき、どのような効果を生み出していくかを理解することが出来ます。また今後の製造業における最先端のデジタル技術がどのような考えで研究、開発されているのかを最先端の研究所の研究内容から知ることができます。

  1. AIの現状と今後
    1. AIとは
    2. 現在のAI
    3. 今後のAI
  2. 製造業におけるAI適用事例紹介
    1. 画像データ解析
    2. 振動データ解析
    3. プロセス条件最適化
    4. 自動搬送
  3. ウェブハンドリングへのAI適用事例紹介
    1. 樹脂フィルム欠点検出
    2. 生地検反欠点検出
    3. ロール内形状欠点検出
  4. スマートファクトリーと製造業DX
    1. スマートファクトリー
    2. 今後の製造業DX
    • 質疑応答

講師

  • 砂見 雄太
    東海大学 工学部 機械システム工学科
    准教授
  • 圓見 尚生
    株式会社 加貫ローラ製作所 技術開発部 基礎研究課
    係長
  • 川崎 恭平
    株式会社タンケンシールセーコウ 技術本部 設計一部 PCP設計課
    主任
  • 中道 友
    山陽小野田市立 山口東京理科大学 工学部 機械工学科
    助教
  • 鈴木 克信
    株式会社クロスコンパス
    代表取締役

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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