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厄介な分散系を手懐けるコツ

厄介な分散系を手懐けるコツ

~濃厚/非水/多成分系における微粒子/ナノ粒子の分散・凝集制御技術~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、「濃厚系」「非水系」「多成分系」の分散の諸問題の解決のために表面自由エネルギー、SP値・HSP値に基づくぬれ・分散化の考え方、静電反発力および立体反発力による安定化理論をどのように適用すれば問題を解決できるか、基礎から分かりやすく説明いたします。

開催日

  • 2021年8月25日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 溶解度パラメータ/表面エネルギー/酸塩基度の新しい測定法
  • 溶媒/樹脂による粒子表面のぬれ性の考え方と評価例
  • ナノ粒子/濃厚系に適したポリマーブラシによる立体反発安定化作用
  • 分散剤/チキソ剤の最適選択および表面修飾とその評価例

プログラム

 濃厚/非水/多成分系は微粒子分散系の中でもとりわけ厄介ですから、分散・凝集の制御だけとっても一筋縄ではいきません。このような系では、様々な添加剤の溶解性/吸着性、分散液の乾燥性および粒子の表面酸化/イオン溶出の防止などの観点から、たいてい非水溶媒が採用されます。ただ非水濃厚系では、隣接微粒子群間の多体効果のため静電反発安定化は難しく、また粒子間距離も極端に短くなるため、分散剤の選択には一層の注意が欠かせません。厄介な分散系を手懐けるコツは、化合物の溶解度パラメータ (Solubility Parameter、SP) と粒子の分散度パラメータ (Dispersibility Parameter、DP) の活用にありますが、分散・凝集の制御は、SP・DPだけで説明できるほど簡単ではありません。
 そこでSP・DPと表裏一体の関係にある表面張力/表面エネルギーや酸塩基度を加え三本の矢として、トレードオフ関係にある分散剤の吸着性とぬれ性のバランスの取り方、塗布工程における密着性やレベリング性、および表面調整剤やチキソ剤の選択法などについて、基礎から分かりやすく説明します。

  1. 微粒子分散系の調製と課題
    1. 微粒子分散系の調製工程
    2. 濃厚/非水/多成分系における諸課題
  2. HSP・HDP (3D, 4D) の基礎とぬれ性/密着性への活用
    1. 化合物のSPとHansenのSP (3D,4D) の基礎と求め方
      1. 原子団寄与法とソフトウェアHSPiPの利用
      2. 溶解・膨潤法とHansen球/ダブルHansen球の利用
      3. インバースガスクロマトグラフィー (IGC) 法の原理と測定例
    2. 粒子表面のDPとHansenのDP (3D,4D) の基礎と測定法
      1. 多架遠心沈降法によるスクリーニング
      2. IGC法
      3. 低磁場パルスNMR法の原理と測定例
    3. ぬれ性改善のための良溶媒の選択法
      • Hansen距離
      • Teas線図
    4. 密着性/接着性改善のための樹脂の選択と表面修飾法
  3. 表面自由エネルギーの基礎とぬれ性/塗布性への活用
    1. 溶媒の表面張力の基礎と測定法
      1. 表面張力の成分項と測定法
      2. 付着仕事と界面張力
    2. 粒子の表面エネルギーの成分項と測定法
      1. 接触角法
        • 圧縮ペレット法
        • 両面接着テープ法
        • 薄層浸透法
      2. IGC法による成分項と表面不均一性の測定
    3. ぬれの形態とギブスエネルギー
      1. wetting envelopeによる拡張ぬれの評価と溶媒選択
      2. ギブスエネルギーによる浸漬ぬれの評価と表面修飾例
    4. 塗布工程におけるマランゴニ対流とレベリング性の制御
      1. 表面張力に由来する様々な現象
      2. マランゴニ対流とレベリング流動、薄膜エッジ、額縁現象
  4. 静電反発作用と分散剤の立体反発作用による安定化
    1. van der Waals力と有効Hamaker定数
    2. 静電反発作用とDLVO理論
    3. 立体反発作用における浸透圧効果と体積制限効果
    4. 相互作用パラメータによる溶解性の評価と良溶媒の選択
    5. ポリマーブラシによる立体反発安定化
  5. 高分子分散剤の選択指針
    1. 分散剤構造と吸着形態および応用例
      1. ランダム、ブロックおよび櫛型分散剤
      2. 星型分散剤の開発と応用例
      3. 強化静電立体反発型分散剤
    2. 吸着特性と分散剤/粒子表面の酸塩基特性の基礎
      1. 吸着等温線と最適添加量
      2. IGC法による測定と酸塩基相互作用パラメータの応用例
      3. 滴定法による測定 (酸価・アミン価、電荷0点など)
  6. 粒子の表面修飾法と評価例
    1. 界面活性剤の働きと選択指針
      1. HLB値とその求め方
      2. 界面活性剤の吸着形態と分散安定化への応用例
    2. カップリング法による表面修飾とその評価例
    3. グラフト反応法による表面修飾とその評価例
  7. 粒子分散液の流動特性/安定性
    1. 分散液の種類と流動曲線
    2. 動的粘弾性による安定性評価
  8. チキソ剤の働きと選択指針
    1. チキソ剤の働き
    2. 非水系チキソ剤の種類と選択
    3. 水系チキソ剤の種類と選択
  9. まとめ
    • 質疑応答

講師

主催

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受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

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本セミナーは終了いたしました。

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