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高周波対応基板材料の伝送損失の低減と低誘電化

高周波対応基板材料の伝送損失の低減と低誘電化

~低伝送損失に向けた材料設計手法は? 基板材料と銅箔の密着性を向上するには?~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、5G、ミリ波に向けた高周波対応基板材料の開発事例について解説いたします。

開催日

  • 2020年4月27日(月) 12時00分 17時00分
  • 2020年4月28日(火) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 次世代フレキシブル回路基板用変性ポリイミド

~熱・吸湿寸法安定性、高周波特性、耐熱性、機械的特性および難燃性~

(2020年4月27日 12:00〜14:00)

 次世代フレキシブル回路基板用の新規ポリイミド樹脂の開発事例について分子構造を開示しながら具体的に紹介、解説します。当該材料開発技術者が日ごろ直面する問題解決のためのヒントが転がっています。

  1. ポリイミド概論
    1. 耐熱性樹脂の種類
    2. ポリイミド樹脂の加工性と分類
    3. 凝集構造形成、自己分子配向
    4. 難燃性
  2. ポリイミドの製造方法と問題点
    1. 粗原料 (モノマー、溶媒) 、モノマーの重合反応性
    2. 重合プロセス
      • 二段階法
      • 化学イミド化法
      • 溶液還流イミド化法
    3. イミド化反応、解重合・固相重合、イミド化率
  3. 寸法安定性の必要性
  4. 熱・吸湿寸法安定性耐熱樹脂: ポリ (エステルイミド)
    1. モノマーの分子設計とその自由度および製造工程簡便性
    2. フィルム物性
      • CTE
      • 耐熱性
      • 吸水率
      • 吸湿膨張係数
      • GHz帯誘電特性
      • 機械的特性
    3. 難燃性とその改善策
  5. 熱寸法安定性と熱可塑性を併せ持つ耐熱樹脂: ポリ (ベンゾオキサゾールイミド)
    1. 簡便な熱可塑性評価方法
    2. 熱寸法安定性と熱可塑性を両立する課題の困難さ
    3. モノマーの分子設計
    4. フィルム物性
      • CTE
      • 熱可塑性
      • 耐熱性
      • 機械的特性
      • 吸水率
      • 難燃性
    • 質疑応答

第2部 高速高周波用フッ素系プリント基板用材料の開発

(2020年4月27日 14:15〜15:45)

  1. はじめに
  2. 一般的なフッ素系材料におけるプリント基板用材料としての長所と短所
  3. 接着性・分散性に優れるフッ素樹脂 (一般的フッ素樹脂との比較)
  4. 既存低損失材料とフッ素樹脂複合材料との比較
  5. 複合材料の回路基板適用例
  6. おわりに
    • 質疑応答

第3部 高周波基板用銅箔・シミュレーションと高速デジタル回路の検討

(2020年4月27日 16:00〜17:00)

 昨今の高速・高周波化のニーズとそれに応える高性能なプリント基板材料について紹介します。プリント基板は多層であることが前提で、その複雑化する設計に対応して数値シミュレーションも進化しております。プリント基板の重要な構成要素である銅箔のラインナップを揃える当社が数値シミュレーションで活用できる「導体表面粗さ」をモデル化することで、シミュレーション品質向上に貢献します。
 本講座を通して高性能なプリント基板材料、当社電解銅箔と高速デジタル回路についてご理解頂ければと思います。今後も当社は銅箔技術・高周波技術を融合し向上することで社会ニーズ・発展に貢献してゆきます。

  1. はじめに
    1. 当社概要
    2. 当社研究開発体制
    3. 高速・高周波化のニーズ
    4. 高性能な基板材料
    5. プリント基板の一般的な製法
    6. 数値シミュレーションの課題
  2. 電解銅箔
    1. 用途
    2. 製造工程
      1. 製箔
      2. 表面処理
    3. 製品ラインナップ
  3. Sパラメータと導体表面粗さ
    1. 導体表面粗さと数値シミュレーション
    2. Sパラメータ
    3. 伝送損失
    4. 導体表面粗さのモデル化
    5. 実測基板の構成
    6. Sパラメータ比較
  4. 高速デジタル回路検討
    1. IBIS – AMIモデルを用いた回路シミュレーション
    2. アイパターン
    3. NRZ 28Gbps
    4. PAM4 28Gbps
  5. まとめ
    • 質疑応答

第4部 エポキシ樹脂用硬化剤 (活性エステル型硬化剤) による高周波基板の誘電率・誘電正接低減

(2020年4月28日 10:00〜11:30)

 基礎編ではエポキシ樹脂の基礎から、各種電気電子材料の技術動向およびエポキシ樹脂の分子構造と誘電率、誘電正接の関係に関して丁寧に解説します。構造・物性編では主にエポキシ樹脂の誘電特性と相反する最重要特性として耐熱性を取り上げ、これら関係を、データをもとに解説します。
 設計・応用編では硬化物データを関連付けながら、エポキシ樹脂硬化剤の低誘電化に大きな効果を発現させる活性エステル型硬化剤を解説し、分子デザインとその合成技術について紹介します。主に電気電子材料用向けエポキシ樹脂に焦点を当てたセミナーです。硬化物の誘電特性向上機構のみならず、課題との関連性が理解できます。資料もイラストを多用し分かりやすく解説します。

  1. 基礎
    1. エポキシ樹脂と熱硬化性樹脂の概念
    2. 各種電気電子材料の技術動向
    3. 分子構造と誘電率,誘電正接の関係
  2. 構造・物性
    1. 誘電特性と相反する重要特性 (耐熱性) の関係
  3. 設計・応用
    1. 耐熱性を維持した誘電特性の向上技術 (活性エステル型硬化剤) の解説
    2. 各種の低誘電材料と活性エステル硬化システムとの比較
    3. 活性エステル技術を応用した最新のエポキシ樹脂硬化剤の紹介
    • 質疑応答

第5部 ふっ素樹脂の低誘電率、低誘電正接化技術と高周波基板への応用

(2020年4月28日 12:10〜13:40)

 今後拡大していくことが予想される高周波 (特にミリ波) 分野において、樹脂材料として非常に優れた特徴を持っているふっ素樹脂で基板製造を行うことができる弊社ですが、良い材料を製造するだけではこれからのビジネスは成り立たないという認識の下、よりお客様側へ踏み込んだ設計や評価などに貢献できるように進化を続けており、是非とも、高周波用途のアプリをお考えのお客様には弊社にご用命いただきたい。

  1. ふっ素基板が脚光を浴びている車載ミリ波レーダの市場・技術動向
  2. ミリ波レーダ以外の期待される市場分野について
  3. 高周波基板材料に求められる要求
  4. 高周波用途における樹脂材料の比較
  5. ふっ素基板の一般的な製造工法
  6. 弊社基板の商品ラインナップ
  7. 高周波基板の技術トレンド
  8. 弊社のミリ波用途への取り組み
    1. 高周波における基板特性の評価技術向上
    2. アンテナ設計評価技術の向上と設計評価環境の整備
    • 質疑応答

第6部 5G用低損失基板に向けた高強度異種材料接合技術

(2020年4月28日 13:50〜15:20)

 近年、基材特性を維持しつつ、表面層に高機能特性を付与する表面改質技術が注目されている。本講演では、主に紫外光を利用した温和で簡便な表面化学修飾ナノコーティング技術を用いたポリマーおよびカーボン材料への各種官能基化技術による表面高機能化・界面制御技術について紹介するとともに、本技術を利用した5G用低損失基板に向けた高強度異種材料接合技術への応用展開についても紹介する。

  1. 表面化学修飾技術の動向
  2. フッ素官能基化技術
    1. ポリマー材料
      1. 汎用ポリマー
      2. エンジニアリングプラスチック
    2. カーボン材料
      1. ダイヤモンド
      2. DLC
      3. カーボンナノチューブ
    3. 表面特性
      1. 撥水撥油性
      2. 低摩擦性
  3. 酸素官能基化技術
    1. カーボン材料
    2. 表面特性
      1. 親水性
      2. 低摩擦性
  4. ヘテロ原子官能基化技術
    1. 硫黄官能基化
      1. ポリマー材料
      2. カーボン材料
    2. 窒素官能基化
      1. ポリマー材料
    3. 金属ナノ粒子固定
  5. 表面化学修飾ナノコーティング技術の適用事例紹介
    1. 表面濡れ性制御技術
    2. 5G用低損失基板に向けた高強度異種材料接合技術
    • 質疑応答

第7部 5G向けPTFE表面改質シートの開発とCuとの密着性向上

(2020年4月28日 15:30〜17:00)

 5G高速通信用の高周波プリント基板用材料に活用できるPTFEシートを実現した。独自のイオンビーム源を用いてPTFE表面を水酸化物に置き換える方法により、濡れ性を画期的に向上させた。PTFE表面は一桁台の極低接触角となり、Cuとの高い密着性を有する。

  1. 表面改質処理装置の概要
    1. 処理装置の概念について
    2. 独自のイオン源について
    3. 独自イオン源による表面改質の実例
  2. PTFEの低接触角の実現
    1. 表面改質したPTFEの表面について
    2. 表面改質の経時変化について
    3. Cuとの密着性について
  3. 高周波基板への適用
    1. ビアの表面改質について
    2. 伝送損失の評価について
    3. 量産装置の構想
  4. 独自イオン源の活用
  5. 今後の課題
    • 質疑応答

講師

  • 長谷川 匡俊
    東邦大学 理学部 化学科
    教授
  • 渡辺 良二
    AGC株式会社 フロロポリマーズ事業部 樹脂事業グループ
    マネージャー
  • 鳥光 悟
    古河電気工業 株式会社 研究開発本部 コア技術融合研究所 高周波エレクトロニクス技術センター
    課長
  • 有田 和郎
    DIC株式会社 R&D統括本部 アドバンストマテリアル開発センター
    シニアサイエンティスト
  • 石田 薫
    日本ピラー工業 株式会社 AE事業部 プロセス部
    部長
  • 中村 挙子
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 デバイス技術研究部門
    総括研究主幹
  • 久保 博義
    コミヤマエレクトロン株式会社 Pプロジェクト
    取締役

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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