技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

研究開発テーマの事業性評価とデータ、根拠の示し方

研究開発テーマの事業性評価とデータ、根拠の示し方

~競争優位性、市場魅力度、損益分岐点、市場性、適社度をどう評価するか~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年10月3日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部. 競合に対する競争優位性、市場規模、市場成長性の評価の仕方

(2019年10月3日 10:00〜12:00)

 本講演で扱うテーマは、R&Dテーマが持つ潜在的価値である「事業性」を評価するものです。事業性を評価するためには、まずR&Dテーマの技術が強みを発揮できる用途・市場を抽出する必要があります。その強みを活かせる用途・市場とは幾つもの候補が考えられます。それら候補の中から勝負すべき用途・市場を選択するには、当該技術が競合技術に対してどの程度競争優位かを評価する必要があります。次に、その用途・市場にはどの程度の魅力があるのか、その用途・市場の市場規模と将来性を評価する必要があります。こうして、勝負すべき用途・市場を定めたうえで、その事業性を明確にするのです。
 本講演では、こうしたR&Dテーマの事業性を評価するための考え方・方法について詳しく解説いたします。

  1. 説得力のあるR&Dテーマの事業性評価とは
  2. 技術的強みを活かす用途・市場と強みの活用度
    1. 用途・市場の抽出
    2. 強みの活用度
  3. 競争優位性評価
    1. 技術的なハードル
    2. 技術革新余地
    3. 後発からの逆転可能性
  4. 市場の魅力度評価
    1. 市場機会
    2. ニーズ
    3. 市場規模と市場成長性
  5. おわりに
    • 質疑応答

第2部. 事業性評価における損益分岐点の活用方法

(2019年10月3日 12:45〜14:45)

 損益分岐点とは、最低どれだけの売上高を出せば黒字になるか、その売上レベルを算出するための定量分析の代表的なツールである。経営者は損益分岐点を把握することにより、あるコスト構造下で売上高や費用経費が変わったときに、どれだけの利益が得られるか、コスト構造が変わったときに売上高や費用経費が、どのようなレベルであれば利益を維持できるか、などを予想することができる。損益分岐点分析は、単一の製品や事業を判断する場合は非常に分かり易いツールである。しかし、現実の社会では、複数の製品や事業を保有している企業が多く、製品構成 (や事業構成などによって損益分岐点が変わってくる。
 そこで、正確に将来を予測できない、その不確実性を確率的に捉え、ディシジョン・ツリーというチャートを活用しながら、損益分岐点の事案を考えてみる。

  1. 損益分岐点とは
  2. 固定費と変動費の考え方
  3. 損益分岐点分析を活用した収益構造変動の把握
  4. 複数製品・事業の損益を判断する場合の損益分岐点分析活用法
  5. 複数の投資案件を判断する場合のディシジョン・ツリーとの併用
    1. 期待値論の活用
    2. ディシジョン・ツリー手法の活用
    3. 損益分岐点分析とディシジョン・ツリーとの応用
  6. 配慮すべき課題
    1. サンクコストの考え方
    2. 蕎麦屋のケース
    3. プロスペクト理論の応用
    • 質疑応答

第3部. 新規事業テーマにおける市場性、適社度の評価

(2019年10月3日 15:00〜17:00)

 研究開発部門の技術者は研究企画書だけではなく、事業性を検証した上で事業企画書までの作成を求められることが多くなっている。当然、魅力ある事業テーマの発案が求められている。事業の魅力度を評価する基本となる項目は、“市場性“と“適社度“の2つである。市場性の評価は、後発参入か新しい市場を切り開く事業なのかによって難度が変わる。研究所に求められていることは新しい市場を切り開く事業も多いが、しかし、この場合市場性の評価は難しい。そのため、このような商品・事業の市場性評価の考え方とやり方について解説する。また、適社度については、「適社度という観点で事業テーマを評価することが常に正しいのか」という本質的なことが評価の考え方とやり方を解説する。

  1. 一般的なテーマ評価の考え方の洞察
    1. “他社と同じテーマ”の方が、評価が高くなる理由は?
    2. 何故、90%が賛成するテーマは成功しないか?
    3. 現状のテーマ評価の仕組みは新しいコトをさせないようにできている
    4. 新規事業、新市場が生まれるメカニズム
    5. 何故、新しいテクノロジー、流行りのキーワードに注目するのか
  2. 市場性評価の考え方と進め方
    1. 商品の特性と市場性評価の難しさの違い
    2. 市場性評価にまつわる問題
    3. 需要予測が難しい理由の本質
    4. 顧客は商品・サービスをどのようなメカニズムで選択するのか
    5. 顧客価値の論理的検証のやり方
  3. 適社度評価の考え方と進め方
    1. 適社度が高いと魅力あるテーマなのか
    2. “飛び地はやるな”はいつも正しいのか
    3. 適社度で評価すると既存事業の近くなる
    4. 適社度評価の考え方と進め方
    5. 置き換えられる未来のリスク
    • 質疑応答

講師

  • 古庄 宏臣
    知財務 株式会社
    代表取締役
  • 今井 秀之
    国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学
    産官学客員教授
  • 芦沢 誉三
    株式会社リーディング・イノベーション コンサルティング事業部
    代表取締役

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/3 自社の長期的・持続的成長のための自社保有技術の棚卸と未来志向でのコア技術の設定 オンライン
2024/4/4 医薬品開発における事業性評価・TPP運用 オンライン
2024/4/5 希少疾患における事業性評価の考え方と注意すべきパラメーター オンライン
2024/4/5 研究開発テーマにおける費用対効果の基礎と算出・評価方法 オンライン
2024/4/9 技術マーケティングによるR&Dテーマの設定 東京都 会場
2024/4/10 研究開発マネジメントと未来洞察を活用した新規事業テーマ創造 オンライン
2024/4/10 医薬品開発における事業性評価・TPP運用 オンライン
2024/4/10 R&D技術者のための技術ベンチマーキング実践セミナー オンライン
2024/4/11 パテントマップの作成と研究開発テーマの発掘、アイデア創出への活用 オンライン
2024/4/12 研究開発・技術部門が行う情報収集とそのセオリー、ノウハウ オンライン
2024/4/12 希少疾患における事業性評価の考え方と注意すべきパラメーター オンライン
2024/4/15 オープンイノベーションによる新事業創出と事業化への仕組み作り オンライン
2024/4/16 後発で勝つための市場分析と経営層への説明・説得の仕方 オンライン
2024/4/16 市場・製品・技術ロードマップの作成プロセスとその活動の全体体系 オンライン
2024/4/16 研究開発テーマにおける費用対効果の基礎と算出・評価方法 オンライン
2024/4/18 開発者が主導する「事業につながる開発テーマ」創出法 東京都 会場
2024/4/19 中長期研究開発テーマの発掘と推進のポイント オンライン
2024/4/19 ラボでの電子実験ノート管理・運用における経験からわかった電子情報管理の問題点・解決とDXの進め方 オンライン
2024/4/23 自社コア技術から発想するテーマ創出法 オンライン
2024/4/23 医薬品開発における事業性評価・ポートフォリオ分析と意思決定手法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/12/27 実験の自動化・自律化によるR&Dの効率化と運用方法
2023/10/31 出口戦略に基づく研究開発テーマの設定と事業化への繋げ方
2022/8/31 研究開発部門と他部門の壁の壊し方、協力体制の築き方
2022/4/28 研究開発部門へのDX導入によるR&Dの効率化、実験の短縮化
2022/2/28 With・Afterコロナで生まれた新しい潜在・将来ニーズの発掘と新製品開発への応用
2021/10/29 “未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方
2021/8/31 研究開発の "見える化" によるR&Dテーマ評価、進捗管理と進め方
2021/3/31 研究開発テーマの評価と中止/撤退判断の仕方
2020/10/30 研究開発者のモチベーションの高め方と実践事例
2018/12/27 R&D部門の“働き方改革”とその進め方
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/9/28 コア技術を活用した新規事業テーマの発掘、進め方
2013/7/16 「ロボット技術の用途、機能、構造等主要観点別開発動向と参入企業の強み、弱み分析」に関する技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/7/16 「ロボット技術の用途、機能、構造等主要観点別開発動向と参入企業の強み、弱み分析」に関する技術開発実態分析調査報告書
2011/11/2 インドの食習慣・食品産業と日本企業の事業機会
2010/9/29 未利用バイオマスの活用技術と事業性評価