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鮮度保持包材の構造、機能発現メカニズムと開発事例

鮮度保持包材の構造、機能発現メカニズムと開発事例

~青果物の鮮度劣化機構と鮮度の定量評価~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、鮮度保持包材について、防曇フィルムや無孔通気性フィルムによる鮮度保持の事例を交えて解説いたします。

開催日

  • 2018年9月27日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 水分損失の観点から見た青果物の鮮度劣化メカニズム

(2018年9月27日 10:00〜11:30)

 食料の不要な廃棄・ロスを削減するには、青果物の鮮度劣化を抑制する技術が必要である。またそのためには、収穫後生理を理解する必要がある。
 本講演では、特に水分損失の観点から見た鮮度劣化の測定手法について紹介する。収穫後の青果物の水分損失メカニズムについて、外部環境との関係のみならず、青果物内部の水移動に踏み込んだ知見を習得できる。

  1. 細胞間隙:水とガスの通路が収穫後にどう変わるか
    1. 細胞間隙の機能
    2. X線CTによる細胞間隙の可視化
    3. 間隙閉塞がもたらす収穫後生理
  2. 水分損失の組織特異性
    1. MRIによる水分布の経時変化の可視化
    2. 水の運動性の分布と収穫後生理
  3. 細胞膜の物性と鮮度劣化
    1. 細胞膜水伝導係数 (水透過係数)
    2. アクアポリンの関与とその収穫後の経時変化
    3. 細胞膜の化学変化と膜物性
    4. 細胞膜物性を指標とした青果物品質評価技術の開発に向けて
    • 質疑応答

第2部 無孔通気性フィルムによる鮮度保持包材の開発事例

(2018年9月27日 12:10〜13:40)

 近年、スーパーだけでなくコンビニでも青果物を積極的に扱うようになり、一日でも長く品質を保つ技術は収益に直結する時代になった。今回は、穴を開けずに通気性を付与した無孔通気性フィルムの原理と鮮度保持包装に応用した事例、及び他社技術との違いを中心に説明する。
 鮮度保持包装の必要性。ガス通気性と鮮度保持の関係。鮮度保持フィルムの種類と原理について解説する。

  1. 青果物包装の現状
    1. 3分の1ルール
    2. 賞味期限と消費期限
    3. 青果物販売の傾向
    4. 食品表示法
    5. 鮮度保持包装の市場規模
    6. 鮮度保持フィルムの種類
  2. 防曇フィルム
    1. 防曇剤の構造
    2. 発現のメカニズム
    3. 通気防曇性
  3. 無孔通気性フィルム
    1. 微孔フィルム
    2. 活性フィルム
    3. 無孔通気性フィルム
    4. 通気性の違い
    5. 脱酸素包装と見栄え改善の例
  4. トピックス
    1. 鮮度保持の他の手法
    2. 抗菌フィルムと添加剤
  5. おわりに
    1. フィルム包装以外の鮮度保持手法
    2. 人口と農業と包装
    • 質疑応答

第3部 青果物鮮度保持フィルムの開発事例

(2018年9月27日 13:50〜15:20)

  1. MA包装による鮮度保持の仕組み
  2. 開発事例
    1. 野菜
    2. カット野菜
    3. 果実
    4. 輸出
  3. 新規フィルムの事例
    1. 結露防止フィルム
    2. 防カビフィルム
    • 質疑応答

第4部 青果物品質および鮮度の定量化技術

(2018年9月27日 15:30〜17:00)

 青果物の品質を正しく客観性をもって判断することは、品質保持のための機械・機器設計やマネージメントシステムの構築には不可欠である。本講座では、青果物の品質要素やそれぞれの分析法に関する基本事項について講述する。さらに、環境条件と品質低下の関係について関する数理モデルや鮮度計測の最新研究について紹介しながら、青果物流通システムの高度化について議論する。
 青果物の品質に関する基礎知識と、従来の官能評価とは異なる客観的な品質評価・分析技術の基本事項について学習する。環境要因と収穫後生理の関係性ひいては品質劣化の関係性について理解するとともに、青果物を対象にした鮮度計測に関する従来の取り組みから最新研究について俯瞰する。

  1. 青果物の品質と定量化技術
    1. 食品の基本機能と青果物品質
    2. 色彩色差計による外観品質の定量化
    3. 引張圧縮試験器による物性品質の定量化
    4. 高速液体クロマトグラフィによる化学成分品質の定量化
    5. 近赤外線分光法による非破壊品質検査技術
  2. 青果物の品質予測
    1. 収穫後の環境条件と品質変化
    2. 環境条件を関数とした青果物の品質変化予測モデル
  3. 青果物の鮮度計測の研究動向
    1. 青果物品質と鮮度の関係
    2. 青果物鮮度計測の既往研究
    3. スタキオース検出による緑豆類野菜の鮮度判定技術
    4. メタボロミクスによる鮮度マーカー代謝物の発見
    • 質疑応答

講師

  • 黒木 信一郎
    神戸大学 大学院 農学研究科 食料共生システム学専攻 生物生産情報工学研究室
    准教授
  • 花市 岳
    フタムラ化学 株式会社 中部統括開発グループ
    グループリーダー
  • 溝添 孝陽
    住友ベークライト株式会社 フィルム・シート営業本部 P - プラス・食品包装営業部 評価CSセンター
    センター長
  • 中野 浩平
    岐阜大学 大学院 連合農学研究科 教授
    博士 (農学)

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
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