技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

2軸押出機内の樹脂混練分散メカニズムと応用材料分散の実際

2軸押出機内の樹脂混練分散メカニズムと応用材料分散の実際

~分散品質が予測可能な時代に~
大阪府 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年7月6日(木) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 押出成形・押出加工に関連する製品の技術者
    • フィルム (光学フィルム・太陽電池関連フィルム・包装など)
    • シート (発泡シートなど)
    • パイプ・ホース・チューブ
    • 土木・建材用異形押出品
    • 電池セパレータ
    • 高機能複合材料 (ナノコンポジット)
    • 機能性薄膜・フィルム
    • 食品
    • トイレタリー分野
    • 押出機 など

修得知識

  • 2軸押出機の現在の技術守備範囲、不可能領域
  • 破砕分散と分配分散の基礎
  • ナノ分散を実現する技術
  • ナノ分散に付随する強度向上効果のメカニズム
  • 新しい分散品質を予測できる技術
  • 伸長流動分散の基礎
  • 分散特性の有意さが分かる

プログラム

 2軸押出機で分散を図る場合、ほとんどの場合最大粒子径が、最良条件でもミクロンサイズになる。 (ミクロン分散) 一方、最大粒子径が0.1ミクロンを条件とするナノ分散は特殊な技術、装置でしか実現できない。 (ナノ分散) その中間領域の1ミクロン以下0.1ミクロン以上の領域を特別にサブミクロン分散分野と呼ぶが、今、この領域の実現が大きな課題である。
 単なる2軸押出機では実現できない。最大の手法は分散性に均一性を十分実現すれば、可能になる。均一性を実現する技術を付加する必要がある。それらの付加技術全体を展望し、すでに完成した技術および今後われわれが実現しなくてはならない技術を紹介する。完成もしくはほぼできつつある技術であるので、実用化すれば大きな戦力になることは間違いない。
 従来の2軸押出機に、「送り込み分配分散」を精度よく実現すれば、サブミクロン分散が可能になる。無機フィラー分散では、「スラリー分散技術」を用いればサブミクロン~ナノ分散に入ったあたりが実現できる。ポリマーアロイ分散では「伸長流動分散技術」を用いれば、サブミクロン~ナノ分散に入ったあたりが実現できる。
 こうした技術は最近発達してきた新しい技術である。もう従来技術水準の2軸押出機にしがみつくことはない。一方分散品質を予測できる技術も確立できる時代になり、混練、分散技術分野が大きく展開してきている。これらの新しい技術の展望を詳細に説明する。

  1. 2軸押出機のせん断作用特性、その他
    1. コンパウンド、ポリマーアロイ製造に2軸押出機が主流になった背景
      • 応用せん断速度 (応力) 領域特性の拡大
      • 高噛合化、高速化、高トルク化、高L/D化がもたらした応用技術
      • 2軸押出機応用技術の今後の方向性を推測する
    2. 凝集粒子解砕特性
      • 凝集粒子の破壊力は、凝集次数と凝集粒子径の関数として解析できる
    3. 理想的分散理論
      • 回転粒子分散理論
        (マッケルビーの2粒子分割理論以降とび抜けた分散理論がない中での理論)
    4. せん断分散と異なる伸長流動分散技術応用への目途が立ちつつある現状
      (より均一分散、高品質をトライする選択)
  2. フィラーのせん断分散性解析の最近の傾向
    1. これまでの研究・開発では「破砕分散」に重点を置き過ぎた
      • もっと均一分散性に注力しなければならない
      • 究極の目標に、ナノ分散達成がある
    2. 「分配分散」を詳細に検証する
      1. 分配分散の2面性「送り込み分配分散」と「まき散らし分配分散」がある
        • 「破砕分散品質到達点」前後の分配分散性の違いと実際
      2. 橋爪の5段階分散モデルとパームグレンの4段階分散モデルの比較
      3. 「送り込み分配分散」・・せん断破砕分散と同居する
        • どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか
          • ブリスターリング、リングセグメント, 絞り機構の応用、T関数の応用
          • リングセグメント、絞りには、伸長流動分散効果の副次効果がある
        • 伸長流動分散の均一性が今後大きな分野に発展する可能性がある
          • 米国のベーン押出機、伸長流動セグメント、ダイ方式など分散機構3分類
          • せん断流動、伸長流動の共存流動における分散性
          • HMWPEがHDPE中で分散できる (相対粘度≧100でも分散が可能)
        • メルトフラクチャを送り込み分配分散に応用する新しい考え方と実際
      4. 「まき散らし分配分散」 … 単独で作用する
        • どういう役目か、どのようにコントロール、評価するのか
        • ギヤエレメントなど … 欧米の方式
        • CTM, スタティックミキサーなど … 日本の方式
  3. ナノ分散コンポジットの強度向上はバウンドポリマーが要因である
    ナノ分散ポリマーアロイの強度向上は粒子相互の応力拡散が要因である
    1. 材料の機械強度が向上する現象解明
      1. コンパウンドの場合
      2. ポリマーアロイの場合
    2. 従来のナノ分散実現技術以外に、最近の技術トピックス
      1. メルトソリューション法
        • 現在はグラフェンの完全分散に特下しているが、今後応用材料範囲が広がる
      2. リビング重合法において、流動相の高分子の末端に吸着性官能を導入し、無機ナノ粒子単体の表面を修飾する方法
  4. フィラーの分散品質が精度よく予測できる時代に入った
    1. 従来の相似側は役に立たない分散現象では相似実験ができないという悩み
    2. 分散品質の事前予測技術
      1. 時間無制約分散パラメータの応用
        • 有効時間の解析
      2. 品質方程式の作成方法
      3. 分散品質予測精度の確認
        • 精度を上げるため、ノイズ実験を消去する方法など
    3. 完全解析事例の紹介
  5. 質疑応答

会場

ドーンセンター

4F 中会議室2

大阪府 大阪市 中央区大手前1丁目3-49
ドーンセンターの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/11 タイ分子の基礎と応用 オンライン
2025/7/14 ゴム・プラスチック材料のトラブル解決 2コースセット 東京都 会場
2025/7/14 高分子材料の劣化・不具合の解析と寿命評価、対策事例 東京都 会場
2025/7/14 樹脂用添加剤におけるブリードアウト・ブルーム現象の発生機構とその制御・対策 オンライン
2025/7/15 廃プラスチックのケミカルリサイクルの最新動向 オンライン
2025/7/16 二軸押出機による混練技術とスクリュデザイン最適化 オンライン
2025/7/16 ポリウレタンの基礎とアミン触媒の構造および開発動向 オンライン
2025/7/17 UV硬化樹脂の基礎とトラブル対策 オンライン
2025/7/17 レオロジー入門講座 オンライン
2025/7/17 ポリウレタンの基礎とアミン触媒の構造および開発動向 オンライン
2025/7/18 UV硬化樹脂の基礎とトラブル対策 オンライン
2025/7/18 レオロジー入門講座 オンライン
2025/7/18 金属ナノ粒子・微粒子 徹底解説 オンライン
2025/7/18 塗料入門 オンライン
2025/7/22 高分子の接着の基礎と接着性改善に向けた界面の構造評価・表面処理の応用 オンライン
2025/7/23 スラリーを上手に取り扱うための総合知識 オンライン
2025/7/23 プラスチックの加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/7/23 高分子における残留応力/内部応力の発生メカニズムと低減化 オンライン
2025/7/23 高分子材料における難燃化技術と難燃性評価、難燃剤の配合設計・規制動向と実際技術 オンライン
2025/7/23 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基礎と応用技術の総合知識 オンライン

関連する出版物

発行年月
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/12/27 押出成形の条件設定とトラブル対策
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方
2018/7/31 高耐熱樹脂の開発事例集
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2018/2/28 顔料分散の基礎講座
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/11/29 二軸押出機
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/8/25 粉砕・分散技術の基礎と応用・トラブルシューティング
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書